「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

家づくりの本 - 阿保昭則著「大工が教えるほんとうの家づくり」(1)  設計士とデザイン

2010-01-11 16:29:35 | 建築外観・構造
前回の投稿で書いたとおり、私は阿保昭則さん著「大工が教えるほんとうの家づくり」を読みなおしてみた。やはり良い本だ。家づくりの現場で、考えに考えて家を建ててこられた大工だからこそ書ける言葉で一杯である。

大工と設計士は意見がぶつかることが多い。一般的に言えば大工にとって設計士は鬱陶しい存在だ。大工にしてみたら、設計士は無責任な評論家みたいに見えるところがあるだろう。私も実は一般の個人住宅に設計士は不要ではないかと思っている。もちろん構造計算をして、役所に必要な書類を出すには資格者が必要ではあるが。



阿保さんも似たような考えをお持ちのようだ。以下はこの本からの引用である。
【引用開始、一部私が省略】・・・建築家・設計士たち・・・彼らの設計する家というのは大工が漫然と作った家よりは当然のことながらスタイリッシュな形・・・しかし、それらをよく見てみると、海外有名建築家のデザインや流行の単なる物真似だったり、奇をてらって自己主張の強過ぎる家も多く・・・【引用終わり】

まったく同感である。建築家の多くは自己満足に陥りがちだ。自分がカッコイイと思う家を作る。そのためには多少なりとも独自で斬新なデザインが見られねばらない。阿保さんのおっしゃる「奇をてらって自己主張の強い」家が生まれる。そしてさらに悪いことに、それを真似たデザインの建売住宅が続々現われる。よく見られるのが高温多雨な日本の木造建築なのに、壁、室内、土台を雨や直射日光から守るための庇や軒がろくにない家である。



そんな阿保さんも、好きな建築家が何人かはいるらしい。その中の一人が中村好文さんであるとのことだ。私も中村さんの本を持っている。とてもシンプルで美しい「普通の住宅」を考える人だ。普通の生活を営むための機能を考え、かつ美しさを考えたら「こうなるだろうなあ」という家を設計する人だ。

形の斬新さも大事だが、建物の基本的機能に必須の様式、デザインというものがある。まずはそれを考えて、家づくりに取り掛かるのが大事なのではないか。

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Houses - Design Source (Naoさんのブログを見て購入) 及び建築関係本

2010-01-11 06:30:58 | 本/音楽/映画
NaoさんのAuthentic Blueというブログがある。非常にアーティスティックなブログなのだけれど、そこにバディオ(正式にはバディ)というワンコが登場する。澄ましているとハンサムでカッコいいワンコなのに、いろいろな姿勢と顔つきと動作で、読者を笑わせてくれるのだ。それが楽しくて私はよくそのAuthentic Blueを見ているのだが、その画面の端にNaoさん推薦の住宅関連本がよく登場する。皆シャレた表紙の本ばかりなので、私は見ているうちに欲しくなった。そこをクリックしたらAmazonに飛んだのでそのまま購入した。

それがこの本だ。Collins Design社編集のHouses - Design Source。この表紙をご覧ください。ロケーションも良いし、そこにある家のデザインのシンプルなこと。ウォールデンのソローの家をちょっと引き伸ばしたような美しさ。住宅は簡単な形や線で出来ているほど、美しくなりやすい。



この本の中を開けると、かわいらしく美しい家々が並ぶ。インテリア写真もスゴク充実だ。勉強になりますねえ。



日本も含め、世界中の家が登場する。どこの国でも建築家は四角い箱のような家が好きだ。これは米国のだったかな。コンクリート製で四角い住宅は個人的に私は苦手だが、こうやって見て楽しむには非常に面白い。何ごとも勉強。



この本は全部で639ページもある。分厚いのだ。でも1500円もしなかった。お得ですよ。最後までカラー写真が満載ですぞ。ヘンな住宅雑誌見てどれにしようと悩むより、こういうの一冊いかがですか?



私も建築関係の本は多く持っているんだなぁ。我らが建築探偵こと藤森照信先生著「アヴァンギャルド建築」。画像(下)にあるのは彼の代表作のひとつ、神長官守矢史料館である。諏訪大社に関心のある方なら、この史料館をご存じかもしれない。でもこの史料館ってその歴史的展示物とは無関係に、建物としてみてもすごく面白いのである。



次がティンバー・フレーム建築の神様、Tedd Benson著「Timber Frame」。米国の一般木造住宅はツーバイフォー構法がほぼ全てと言って良い状況だが、日本同様木造軸組の構造を選ぶモノ好きもいるのだ。この本を見て私は、八ヶ岳に建てる山荘をこれで行こう!と決めたのだった。日本の豪農の古民家のような作り。屋内に見える構造材が美しい。



そんな古い本を取り出して見ていると、日本の大工の本を読みたくなった。前にもこのブログで紹介したことがある、阿保昭則著「大工が教える本当の家づくり」。良い本だ。

私はしっかりした工務店(あるいは大工)がいれば、ヘンな設計士は不要だと思っている。間取りなんて常識があれば素人だって大雑把に決められる。大工だって経験深い人がやれば図面もほとんど書けてしまう。寧ろその方が良い家が出来る場合が多かろう。意外と設計士の先生は常識がないし、中には意匠に凝り過ぎて自分勝手で突飛なものを作ろうとする人もいる。もちろん構造計算や確認申請など資格者が必要だが、それは最後の仕上げだけで良い。



もう一回これを読むことにした。
コメント (4)
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