ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

熊野古道-大雲取越え

2005-09-26 08:35:00 | 山日記
9月24日。午前7時、小雲取との中継点・小口自然の家を出発。
いよいよ大雲取越えにさしかかります。一面に朝霧が立ちこめて
正に雲の中に踏み入っていく感じです。


長い登り道の途中に、緑に苔むした大石に梵字が三つ刻まれた
「円座石」(わろうだいし)があります。熊野の神々がここに集い、
談笑したといわれています。深い杉林の中、神々の声が聞こえて
くるような神秘的な雰囲気です。


小口から越前峠までは標高差800m、名だたる難所の山越え道です。
この写真の辺りには胴切坂という恐ろしい名前が残っています。


大雲取越えは多くの山伏や巡礼をはじめ、歌人や文人も通った道で
いくつもの歌碑がたてられています。これは越前峠を越した次の峠、
石倉峠にある斉藤茂吉の歌碑
「紀伊の国の 大雲取の 峰ごえに 一足ごとに わが汗はおつ」


更に何度かアップダウンを繰り返し、舟見峠にある茶屋跡に来ました。
標高883m。眼下に白波の打ち寄せる熊野灘を望み、右前方には那智
妙法山が見えます。快い風が吹き抜けて、爽快な気分です。


15.6㎞の行程を終えて、14時半、青岸渡寺に到着しました。
朱色の三重塔を前景にした那智の滝はお馴染みの風景ですが、
今日は格別に美しく荘厳に思えました。
以前、先達のMOさんやMUさんご夫妻と奥駈道を歩いたご縁
がある住職のお話を聞き、ご一緒に記念撮影をした後、那智大
社に参拝。青岸渡寺に般若心経を唱えて古道踏破の報告をして、
お山を後にしました。