じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「戦艦バウンティ号の叛乱」

2018-10-06 23:42:38 | Weblog
☆ 映画「戦艦バウンティ号の叛乱」(1935年)を観た。

☆ 「シマロン」が陸の戦いなら、「戦艦バウンティ号の叛乱」は海の戦いだ。

☆ 時代は18世紀後半、ちょうどヨーロッパでフランス革命が起ころうとしていた時代。イギリスは市民革命を経て、海外進出を図ろうとしていた。

☆ 西インド諸島の奴隷の食糧となる「パンノキ」を確保するため、バウンティ号は太平洋の島、タヒチに向かう。

☆ 船に乗り込むのは将校たちと強制徴用された人々、それに服役中の囚人だ。船の指揮を執るのはかつてキャプテン・クックと南太平洋を探検したブライ船長。この船長、操舵に関しては一流だが、性格に問題がある。とにかく自らの権威への執着が強く、それに反するものには容赦がない。

☆ 往路では、その仕打ちにも乗組員は耐えた。しかし、タヒチでの幸福な時間を経験した後、もはや地獄のような艦長の仕打ちに我慢ならなくなった。ついに副長を中心とする数人の水兵が堪忍袋の緒を切って、叛乱を起こす。

☆ 副官を演じたのは、天下の二枚目クラーク・ゲーブル。さすがに渋みの利いた演技だ。艦長を演じたのはチャールド・ロートンで憎々しい悪役を演じている。ただ、この艦長、数十日に渡るボートでの漂流に耐えたのだから、船乗りとしての腕は相当なものだ。

☆ 高級士官の様子は、「スタートレック」(宇宙大作戦)にも受け継がれているように感じた。

☆ 荒波にもまれる帆船は実に美しい。ロケとスタジオ撮影の編集が見事だ。臨場感が伝わってくる。

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乙川優三郎「太陽は気を失う」

2018-10-06 15:59:21 | Weblog
☆ 乙川優三郎さんの短編集「太陽は気を失う」(文春文庫)から表題作を読んだ。

☆ 90歳を超えた一人暮らしの母を見舞い、一月前に亡くなった知人の墓へ参るため、そしてもう一つ母から借金をするため、「私(娘)」は故郷の福島に帰った。

☆ 友人の墓参を済ませ、「早く帰ってやりなよ」という知人の声が聞こえたので、「私」は急いで実家に帰った。そして地震に遭遇する。東日本大震災。

☆ 避難所での不自由な生活、被災地からの脱出。

☆ わずか15分。あと15分間、知人の墓にとどまっていたら、「私」はそこで地震に襲われ、津波に飲み込まれていたかも知れない。

☆ 「生きる」で直木賞を受賞した作家が、現代の不条理を描く。「オキドキ」、「いいとも!」って感じかな。希望溢れる言葉だと思った。 

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