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卍の城物語

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京都 細見美術館 琳派・若冲と雅の世界

2009-05-22 22:40:47 | 美術鑑賞
弘前博物館に細見美術館展を観に行った。

最近「なんでも鑑定団」にハマっていて(ABAで何故か週三回のペースで放送してる)番組を見る中で、特に日本画の美しさを知った。

日本画は西洋絵画とは全くの別物と思ってもおかしくはなかろうか。
特にキリスト教やギリシャ神話を主題としたものや、王侯貴族の肖像画がメインの古典の西洋絵画は最高芸術だと思うし、そこから絵画の虜になったが、近代の西洋絵画は、古典と違い、風景画や庶民やその暮らしを題材としていたりする。
中でも印象派の巨匠たちは、浮世絵などの日本画を参考にしてるので、そのルーツの日本画にも注目しなければと常々思っていたものだ。

そんな中での細見美術館のコレクション展である。
日本画の大物や、伊藤若冲を中心とした「琳派」の絵がメインで取り扱われる。

弘前博物館はお役所仕事丸出しで、9:30~16:30しか開館してなく、やる気が全く無い博物館なので、そんな早い時間に観に行けるわけなく、企画展くらい臨時の職員雇って時間延長すりゃいいのに(どうせ税金だし)、職員は定時に帰るのが何よりの楽しみなのかどうかは知らんけど、そんな市民の声も反映されないダメダメ博物館(ボロクソ言ってるけど博物館の為を思っての事)だけれど、金曜日だけは19:00迄開館してるとの事で、金曜日に何とか行けた。
そんなに広くはないほぼ客がいなかった博物館内をぐるりと回る。

まず大物たちの作品がズラリ。
本阿弥光悦、俵屋宗達、喜田川相説、尾形光琳など、自分でも名前知ってる琳派のスーパースターたちの絵が大体一人一点。でも、そんなに感動するほどの作品は無かったが・・・。
他にも中村芳中、酒井抱一、鈴木基一、鈴木守一、渡辺始興、神坂雪佳などの作品もある。
中でも渡辺始興の「簾に秋月図」は渋い。
薄と月のシンプルな構図に、絵の半分のスペースに簾が掛かっているという大胆な発想に感服した。
酒井抱一の「青面金剛像」も江戸後期作と思えぬ漆黒の美しさと新しさがあり、感動した。

そして伊藤若冲の作品が何点か並ぶ。
中でも「雪中雄鶏図」は逸品だ。写実的な鶏に、背景は竹の葉に積った雪をぼんやりと、しかしふんわりと感触のありそうなタッチで描いている。
よくはわからんが、この絵は名作中の名作に違いない、とても素晴らしいものであった。

他に仏教画もあり、「千手観音と二十八部衆像」と「六観音像より聖観音」が美しかった。
津軽観音巡礼をして、仏教の偶像化による広報活動も、キリスト教に負けず劣らずだと知り、最近じゃ仏像にハマっているほどである。
仏教画は基本的に金色の背景で、単純に綺麗で美しいので、この絵を観て仏教に入信する人がいてもおかしくないほどの華麗な作品であった。

他には「源氏物語」や「伊勢物語」の一場面の挿絵があり、奥ゆかしさを感じ取れた。

更に、引手、長持、装束などの歴史ある物品も豪華に飾ってあった。

なかなか楽しめたが、ちょっと数が少なすぎて物足りなかったのが正直なところ。もう少し作品が多かったら大満足出来たのだが、弘前博物館レベルなので仕方なしとする。
あとライティングが下手だった。オレンジ系の照明は暗過ぎで白色系にするべきだろう。素人だからはっきりとは指摘できないけど、ちょっと暗かったし、ガラス板に自分が反射したりするのはライティングのせいでしょう。ま、これも弘前博物館レベルだから仕方なしと思えば納得か。
でも開館時間然り、改善して欲しいところだよ。(弘前一市民より)