温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

つがる市(旧木造町) しゃこちゃん温泉

2016年05月24日 | 青森県

つがる市の市役所前にある「しゃこちゃん温泉」は、地域の方々から愛されている公営の日帰り入浴専門施設です。風変わりな名前ですが、寿司のネタや北海道の半島の名前とは関係なく、市内(旧木造町)にある亀ヶ岡遺跡から発掘された遮光器土偶(縄文時代につくられた土偶の一種)に因み、遮光器を渾名っぽくして「しゃこちゃん」と名付けているわけです。



温泉施設名のみならず、平成の市町村合併が行われる以前の旧木造町時代には、竹下内閣時代のふるさと創生事業により、町の玄関口である木造駅の駅舎にも巨大なしゃこちゃんが設えられました。この駅舎はたまにテレビなどでも取り上げられるため、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。今回の記事を書くにあたって、自分で所有しているしゃこちゃん駅舎の画像を探したのですが、なぜか夜間に撮影したものしか見当たらなかったので、止むを得ずあまり写りの良くないこの画像をアップさせていただきました。夜の巨大「しゃこちゃん」はかなり不気味ですね。

さて話を温泉へ戻しますと、20年近い前のことですが、諸般の事情により私は津軽地方で日々を過ごしていたことがあり、その頃には毎月のようにこの「しゃこちゃん温泉」へ通っていました。しかし、当時は温泉に対してあまり興味がなかったため、どんなお湯でいかなる施設だったか、あまり考えずにその日の汗を流していました。
それ以来ここを訪れる機会がなく、どんなお風呂であったかすっかり忘れてしまったので、昨年初夏、久しぶりに再訪してみることにしたのです。

私が駐車場へ車をとめると、いかにも公営施設らしい大きな建物へ、次から次へと地域の老人が湯浴みのために入館しており、ここは本当に温泉施設なのか、もしかしたら老人ホームなのではないかと、自分の目を疑いたくなりました。
広々とした玄関ホールに設置されている券売機で料金を支払い、受付カウンターの上に置かれている箱に券を投入して、浴場へと向かいます。ホールの奥には食堂があり、広々としたロビーはお年寄りの憩いの場となっていました。


 
浴室入口には、浴槽によって温度設定が異なる旨が明示されていました。一応浴槽の用途に応じて湯加減を調整しているようですね。しかしながらどの浴槽でも、実際にはこれより若干熱かったような気がします。



天井が高くて広々としている浴室には、たくさんのカランの他、各種浴槽が据え付けられており、とても320円で利用できる施設だとは思えないほど充実しています。もし同じ広さとバラエティーの多さを有する入浴施設が首都圏にあったら、間違いなく700円以上の料金設定になるでしょう。公営とはいえ、この安さは素晴らしい。さすが温泉天国青森県は、施設の数や泉質のみならず、料金面でも他県より抜きん出ていますね。

洗い場は窓側の壁際を中心にして、数ヶ所に分かれて配置されており、計31基のシャワー付きカランが取り付けられています。


 

湯口から源泉のお湯が注がれておる大きな主浴槽には、部分的に泡風呂装置が設けられており、その勢いもあってか、縁から絶え間なくお湯が溢れ出ているので、入浴客の爺様たちは浴槽周りの広いスペースを活かし、トドを楽しんでいらっしゃいました。洗い場の床でもオーバーフローが流れる部分は、茶色い温泉成分が波紋のような形状を描いてこびりついていました。



主浴槽の手前側には、大空に浮かぶ雲を連想させるような、水色と白のマーブル模様が施されている円形の浴槽が設置されており、通常はジャグジーが稼働しているそうですが、私の訪問日には何も動いておらず、単なるぬるめの温泉槽と化していました。


 
浴室の奥には、熱いお湯の浴槽や打たせ湯、そしてサウナや水風呂など各種浴槽が並んでいます。熱い浴槽は加水を少なくしているのか、お湯の色が他の浴槽より濃く、そして本当に熱いんです。浴室入口の貼り紙には43℃±1℃と記されていましたが、私の体感ではもっと高かったように感じられました。
一方、サウナの前にある水風呂もちょっと変わり種。単なる冷水ではなく、飴色を帯びているのです。おそらく何かしらの成分を多く含んでいる冷鉱泉なのでしょうね。青森県の温泉銭湯では、こうした特徴的な鉱泉を用いている水風呂によく出くわすので、温泉槽のみならず、水風呂も要チェックなのであります。


 
浴室内をコの字形にぐるっと廻った最奥に位置しているのが、この岩風呂です。一見すると露天風呂のようですが、頭上にはガラス張りのとんがり屋根(四角錐)が載っかっており、露天ではなくサンルームのような造りです。隅っこの湯口から滔々とお湯が注がれ、手前側の縁からしっかり溢れ出ていました。この岩風呂を含め、各浴槽とも放流式の湯使いです。

お湯は紅茶のような色を帯びており、浴槽によって若干の差異はありますが、槽の底面が見えないほど濃い色を呈しています。お湯を口に含むとはっきりとした塩味や弱い出汁味が感じられ、湯面からはアブラ臭とヨード臭を足して2で割ったような匂いが放たれています。実際に浴室へ入った瞬間は、薄いながらもこの匂いを嗅ぎ取ることができました。湯船の中でははっきりとしたツルツルスベスベ浴感があり、その滑らかな感覚がとても気持ち良いので、ついつい長湯したくなるのですが、さすがに濃い食塩泉だけあって火照り方が強く、迂闊に長湯すると体力を奪われてバテてしまうかもしれません。私はバテなかったものの、汗がいつまで経っても止まらなかったため、上述した水風呂に入って、体をしっかり冷却した後、お風呂から上がりました。夏場の入浴は体力勝負になりそうですが、厳冬期には体の芯から温まる強力な味方になってくれるでしょう。五所川原周辺で湧出する温泉の特徴がよく現れているお湯でした。


若緑温泉
ナトリウム-塩化物温泉 48.1℃ pH7.6 溶存物質9.348g/kg 成分総計9.348g/kg
Na+:3281mg(95.87mval%), NH4+:11.2mg, Mg++:16.4mg, Ca++:21.4mg,
Cl-:4345mg(84.86mval%), I-:1.7mg, HCO3-:1328mg(15.08mval%),
H2SiO3:170.2mg, HBO2:49.5mg,
(平成27年3月26日)

JR五能線・木造駅より徒歩15分(1.3km)。もしくは五所川原駅より弘南バスの出来島行か南広森行で「しゃこちゃん温泉」下車すぐ。あるいは鯵ヶ沢行きに乗車し「つがる市役所前」で下車してもアクセス可能。
青森県つがる市木造若緑52  地図
0173-42-1277
紹介ページ(つがる市公式サイト内)

4月〜9月→9:00〜22:00、10月〜3月→9:00〜21:00 第2・4火曜および大晦日の午後と元日定休
320円
貴重品用ロッカーあり(受付前)・有料ドライヤーあり(10円/3分)、各種入浴グッズ販売あり、

私の好み:★★
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大鰐温泉 畑山温泉民宿

2016年05月22日 | 青森県
 
大鰐温泉にある「畑山温泉民宿」で日帰り入浴してまいりました。場所としては以前拙ブログで取り上げたことのある「民宿赤湯」のお隣です。大鰐の民宿や湯治宿は小規模な施設が多いのですが、こちらは旅館と称しても差し支えないほどの規模があり、しかも当地の民宿では珍しくそこそこの広さの駐車場を有しています。



お隣の「民宿赤湯」と接するガレージの前にお宿の存在を示す看板が立てられており、ガレージの屋根上には貯湯タンクが設置されていました。このタンクからガレージ左手の本館1階へ向けて配管が伸びていますが、その状況からもわかるように、本館1階の格子が取り付けられている箇所は、これから利用させていただく浴室です。


 
帳場でテレビを観ていたお宿のおばちゃんに湯銭を支払うと、おばちゃんは「お風呂が熱ければ、よく掻き混ぜてシャワーの水で薄めてくださいね」と言いながら、玄関右手にある浴室へと案内してくださいました。廊下には懐かしいタバコの自販機が設置されていたのですが、これは今でも使えるのでしょうか。この自販機の前が男女別の浴場入口です。館内にはこの男女別浴場の他、家族風呂も2室あるそうですが、今回は私一人だけですので、家族風呂は利用しておりません。


 
脱衣室は2畳あるかないかといったコンパクトな空間で、室内には棚とカゴがあるばかりです。室内には大鰐町の入湯税に関する説明が掲示されており、これによれば大鰐町の入湯税は150円となっているのですが、私がおばちゃんに支払った湯銭は200円ですので、そこから税金を差し引くと宿の利益はわずか50円ということなっちゃいます。市町村によっては宿泊と日帰りで入湯税額を分けている場合もありますが、大鰐町の場合はどうなのでしょうか。まさか日帰り入浴でも150円徴収されてしまうのなら、お宿の日帰り入浴営業はほとんどボランティアと同然になっちゃいますね。この掲示は大鰐温泉の他の宿泊施設でも掲示されているのですが、これを見るたびに「このお宿は日帰り入浴でもちゃんと商売できているのかな」と余計な心配をしてしまいます。


 
タイル貼りでシンプルな造りの浴室は、全体的に小ぢんまりとしていながらも、手入れが行き届いており、綺麗で気持ち良く使えました。上述したように屋外から見えた格子状の目隠しが窓に取り付けられているため、窓からの眺めや開放感はあまり期待できません。
浴室の手前右側に洗い場があり、シャワー付きカランが2基並んでいます。ボディーソープ等の備え付けは無いので、もし日帰り入浴で利用する場合は、あらかじめ用意しておきましょう。


 
浴槽は目測で1.2m×2.5mの四角形。おおよそ4人サイズといったところでしょうか。グレーのタイルで縁取られており、槽内にはサーモンピンクのタイルが採用されているのですが、お湯が張られている部分は水色に変色して見えました。
浴槽の隅にセッティングされた湯口からお湯がトポトポと注がれており、縁より静かにオーバーフローしています。おばちゃんが話していたように、湯船のお湯はかなり熱かったので、桶を使ってしっかり湯揉みをした上で、洗い場のシャワーヘッドを湯船に突っ込み、適温になるまで加水してから湯浴みさせていただきました。こちらに引かれているお湯は付近のお宿と同じく大鰐の統合源泉(混合泉)であり、クリアに澄んだ無色透明で、いかにも大鰐らしいパラフィン的な風味に加えて微かな塩味が感じられました。湯中では食塩泉のようなツルスベ浴感と硫酸塩泉らしい引っかかりが混在しており、それでいて心身がシャキッとする爽快感も得られます。熱いお湯なのであまり長湯できないのですが、にもかかわらず、キレがあるのに体にしっくり馴染んでくれるお湯の持ち味が実に魅惑的で、逆上せそうになって湯船から出ようとしても、後ろ髪を引かれて出られなくなってしまいました。大鰐のお湯をじっくり味わうには、お客さんの出入りが多い公衆浴場より、こうしたお宿の内湯の方が良いかもしれませんね。


大鰐統合源泉(青柳3号・植田2号・赤湯2号・石原)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 68.0℃ pH7.2 湧出量940L/min(配湯量) 溶存物質2.6740g/kg 成分総計2.6879g/kg
Na+:710.9mg(73.57mval%), Ca++:182.2mg(21.63mval%),
Cl-:1080.9mg(72.54mval%), Br-:1.2mg, I-:0.7mg, SO4--:436.7mg(21.63mval%), HCO3-:140.4mg(5.47mval%),
H2SiO3:35.7mg, HBO2:21.8mg, CO2:13.9mg,
(平成18年3月8日)

JR奥羽本線・大鰐温泉駅(もしくは弘南鉄道大鰐線・大鰐駅)より徒歩8分(約700m)
青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字大鰐132-1  地図
0172-48-2031

日帰り入浴時間不明
200円
備品類なし

私の好み:★★
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鶴田町 山田温泉 2015年初夏再訪・後編(公衆浴場)

2016年05月21日 | 青森県
前回記事「鶴田町 山田温泉 2015年初夏再訪・前編(宿泊)」の続きです。

 
旧館の客室で入浴三昧の晩を過ごした翌朝は、棟続きになっている公衆浴場へと向かいました。こちらは2012年に拙ブログで取り上げており(その時の記事はこちら)、私個人としては、3〜4度目の再訪です。


 
宿泊棟から連絡通路を通って公衆浴場へ。


 
明るく広い脱衣室。真ん中にベンチが置かれ、窓の下に棚が設置されているという、青森県の温泉銭湯では極めて標準的なレイアウトです。コインロッカーの施錠装置が抜き取られ、ロッカーとして使えない状態になっているのは以前のまま。


 
浴室も以前訪問時と全く変わっておらず、記憶のままの姿が目の前に広がっていることにホッと安堵。
浴場最奥の壁面上部に描かれているメルヘンチックなイラストも以前のままです。
私が入室したのは午前8時頃でしたが、幸いなことに始終誰も入ってきませんでした。


 
浴場の中央に主浴槽が据えられ、それを取り囲むように、洗い場のカランがズラリと並んでいます。こうした造りもまた青森県温泉銭湯の標準的なレイアウトでありますから、「山田温泉」公衆浴場の造りは、青森県温泉銭湯界の教科書的な存在と言っても過言ではないでしょう。
カランの数は数え忘れちゃいましたが、それぞれに押しバネ式の水栓と固定式のシャワーがセットになって取り付けられており、シャワーに関しては半数が壁直付けである一方、残り半数はホース付となっており、この2種類が交互に配置されています。なおカランから出てくるお湯は温泉です。


 
中央の大きな浴槽は中央で2分割されており、間仕切りの塀に設けられた湯口から双方へ向かって同じ源泉のお湯が注がれているのですが、2つの浴槽では加水の加減が異なる他、槽内のタイルの色も異なっています。なお両浴槽の縁からは絶えずお湯が溢れ出ており、循環などは行われていませんので、両浴槽とも放流式の湯使いとなっています。


 
脱衣室側の浴槽は青っぽいタイルが採用されており、その影響によってお湯は黄色を呈しているように見えます。また入浴しやすい温度にするため加水も行われています。実際に私が入ったときにも、万人が心地よく入浴できる湯加減に調整されていました。


 
一方、奥側の浴槽は、脱衣室側と同じ模様でありながら赤いタイルが用いられているため、湯船のお湯は赤褐色を帯びているように見えます。脱衣室側の浴槽はしっかり加水されていましたが、こちらは加水が少ないため、入る人を選ぶようなかなり熱い湯加減でした。でも加水が少ない分、お湯の個性ははっきりと現れており、甘塩味や薄出汁味、アブラ臭のような匂い、そしてツルスベ浴感など、「山田温泉」の源泉が有する個性は、この奥側の浴槽の方がしっかり感じられました。

とはいえ、前回記事で取り上げた客室のお風呂は、同じ源泉を使っている上、加水などは一切ない源泉100%ですから、味、匂い、そして浴感など、お湯が持つ諸々のフィーリングは、客室のお風呂が圧倒的に優れています。同じ源泉であっても、お風呂の造りや湯使いによって表情が異なることを、改めて認識させられました。公衆浴場の掛け流しのお湯ももちろん良いのですが、客室のお風呂は熱いけど病みつきになってしまうほど、輪をかけて素晴らしいお湯でした。


小泉温泉(再分析)
ナトリウム-塩化物温泉 65.2℃ pH7.92 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質5.761g/kg 成分総計5.761g/kg
Na+:1941mg(95.00mval%),
Cl-:2605mg(83.13mval%), Br-:6.7mg, I-:1.8mg, HCO3-:606.3mg(11.25mval%),
H2SiO3:231.4mg,
(平成21年8月25日)

JR五能線・陸奥鶴田駅より徒歩10分(約1km)
青森県北津軽郡鶴田町大字鶴田字小泉460−6  地図
0173-22-6666

6:00〜22:00
350円
宿泊料金に関しては直接施設へお問い合わせください。
ドライヤーあり、ロッカーは故障中? 入浴道具の販売有

私の好み:★★★(旧館客室)、★★(大浴場)

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鶴田町 山田温泉 2015年初夏再訪・前編(宿泊)

2016年05月20日 | 青森県

鶴田町の五能線・陸奥鶴田駅近くにある「山田温泉」は、以前にも拙ブログで取り上げたことがありますが(以前の記事はこちら)、公衆浴場のほか旅館業も営んでいますから、今回は宿泊利用で利用させていただきました。


 
宿泊棟はこちら。なかなか立派な構えの玄関じゃないですか。


 
一応フロントらしきものはあるのですが、頻繁に人が出入りするような旅館ではなく、どちらかといえば公衆浴場の営業がメインであるため、このフロントは人がいない時間の方が多いかもしれません。でもタイルカーペットが敷かれたロビーはそこそこ広く、清掃もきちんと行われて整然としています。なぜか壁には演歌歌手のポスターがたくさん貼られていましたが、演歌に疎い私はそこに貼られている歌手を誰一人として知りませんでした。きっとオーナーさんが後援している歌手の方々なのでしょう。
私はあらかじめ到着時刻を連絡していたので、その時間に合わせてスタッフの方がフロントで待っていてくださいました。宿帳に記入した後に、お部屋へ通されます。こちらの宿泊施設には新館と旧館の2棟があるのですが、今回私は敢えて旧館のお部屋をお願いしました。



共用の冷蔵庫が置かれた廊下を歩いてお部屋へ。


 
ドアノブにかける札がユニーク。こういう札がドアにかかっているということは、宿泊のみならず、お部屋の時間貸しも行っているのかな?



さてこの日私が通された旧館の客室は、こちらの6畳の和室です。到着時、すでにお部屋には布団が敷かれていました。


 
旅館に欠かせないお茶セット一式のほか、押入れの中には入浴グッズや浴衣も用意されていました。私は煙草が苦手なので、お部屋がタバコ臭くないか心配だったのですが、今回泊まったこのお部屋は、灰皿こそ置かれていたものの、特に臭いを気にすることなく一晩を過ごすことができました。


 
室内にはエアコンやテレビ、そして姿見まで置かれており、備品類はなかなか充実しています。
障子を開けると、窓の外には畑越しに鶴田駅周辺の住宅地が広がっていました。
なお今回は素泊まりで利用しました。すぐ近くの国道339号バイパス沿いにはコンビニが数軒営業していますし、鶴田駅付近にもお店はあります。車でちょっと足を伸ばせば、五所川原の市街もすぐですから、食事や買い物で困ることはありません。


 
客室内にある納戸のような白いドアを開けると、その向こう側には洗面台やトイレ、そして今回の目当てであるお風呂が姿を現しました。このように旧館の各客室にはお風呂が備え付けられていますので、自分の好きな時に好きなだけ入浴できるんですね。敢えて旧館のお部屋を予約した理由は、この部屋備え付けのお風呂に入りたかったからなのでした。なお新館の客室には、お風呂の備え付けこそないものの、館内にある宿泊客専用の浴場を利用することができます(今回私は新館のお風呂は利用しておりません)。


 
浴室はこんな造りです。さすがヒバの産地、青森県のお宿だけあって、浴槽のみならず、床や壁まで全部ヒバ造りなんですね。浴室内には1人サイズ(詰めれば2人入れるかも)の浴槽がひとつあるほか、シャワーもひとつ取り付けられています。腰掛けと桶のセットが2組あるということは、この客室のキャパは2名なのかな。


 
シャワーからは源泉のお湯が出てきますが、単水栓ですから温度調節などはできません。吐出か止水のいずれか二択です。


 
壁に取り付けられた水栓には温泉成分がこびりついており、その吐出口から激熱の温泉がチョロチョロと注がれていました。湯温調整のため投入量を絞っているのでしょう。お湯はこの水栓の他、底面の穴からも若干量の熱いお湯が供給されているのですが、そのことに気づかずお尻を底面につけてしまったため、熱い刺激がお尻にクリティカルヒットし、あまりの熱さにビックリして「うわっ」と声をあげてしまいました。
湯使いは完全掛け流しで、常時浴槽の縁からオーバーフローしており、私が湯船に入ると、ザバーッと音を轟かせながら豪快に溢れ出てゆきました。浴槽に張られたお湯の色は紅茶のような色を帯びており、幾分濁りを呈してるように見えます。浴室内にはアブラ臭とモール臭をブレンドさせたような芳醇な香りが充満しており、湯面からもその芳香がはっきりと放たれていました。お湯を口に含むと、塩味と薄い出汁味、そしてほんのりビターなテイストが得られます。ツルツルスベスベ浴感がとても気持ち良く、熱い湯加減ですが、その滑らかな浴感が病みつきになり、宿泊中は客室の冷房をガンガン運転させながら、熱い風呂と涼しい部屋を何度も往復してしまいました。

次回取り上げる「公衆浴場」のお湯と同じ源泉であるはずですが、やっぱり誰にも触れていないフレッシュなお湯はフィーリングが格段に良く、知覚的特徴も強く感じられますね。やっぱりこうした個室風呂は最高です。


次回記事では翌朝利用した公衆浴場を取り上げます。

次回(後編)に続く
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川部温泉ふれあいセンター

2016年05月18日 | 青森県

前回記事から引き続き、昨年初夏に訪れた青森県の温泉を取り上げてまいります。約1年前の古いネタが続いて申し訳ございません。今回からは八甲田の山を越えて、津軽地方を巡ります。まずは田舎館村の「川部温泉ふれあいセンター」から紹介することにしましょう。拙ブログでは初登場ですが、私個人としては4〜5年ぶりの再訪です。奥羽本線から五能線が分岐する川部駅の裏手に位置しており、倉庫のような建物に大きく施設名が記されています。


 
いかにも公営施設らしく館内はやや無機質で病院の待合室みたいな雰囲気ですが、広いホールはよく清掃されていて、明るく綺麗です。またベンチがたくさん用意されているので、湯上がりの休憩にも便利です。飲料類の自販機と一緒に並んでいる券売機で料金を支払い、窓口へ券を差し出して、浴室へと向かいます。
事務室窓口の近くには、殺風景な館内に彩りを添えるためか、手作りの「サザエさん」の飾りが施されていました。エンディングの「サザエさんは愉快だなぁ〜」という映像をイメージしているのかもしれません。余談ですが、一般的に「サザエさん」といえば日曜の夕方にフジテレビ系列で放送されるアニメ番組という常識がありますけど、フジテレビ系列が無い青森県では土曜の夕方5時にTBS系列のテレビ局で放送されるんですね。かつては「笑っていいとも」も「お昼休みはウキウキウォッチング」と歌いながらも夕方に放送されていましたっけ。でも同じ青森県でも八戸などの県南地方(旧南部藩領)では岩手県の放送が受信できますから、「サザエさん」は東京や東北他県と同じく日曜夕方に視聴できます。同じ県でも視聴できる番組が違うのですから、青森県って複雑ですね。江戸時代から続く津軽と南部の因縁は、テレビの面ではまだしばらく解決されそうにありません。ま、どうでも良い話ですけど。


 
天井が高くて明るい浴場内は白基調のタイル張り。決して新しい施設では無いのですが、メンテナンスがしっかりしているのか、隅々まで綺麗に維持されており、気持ち良く入浴利用することができました。温泉施設でありますが、地域住民の入浴利用を主目的としているため、浴場内に温泉風情は感じられず、あくまで公衆浴場としての実用的な造りに徹しています。浴室の手前側は洗い場ゾーンとなっており、押しバネ式水栓と固定式シャワーのペアが計16組並んでいました。


 
カランから出てくるお湯は温泉です。一方、冷水の水栓から出てくる水には若干の金気が含まれていました。津軽平野の温泉銭湯では、水風呂やカランの冷水などで個性的な冷鉱泉を使っている施設がしばしば見受けられますが、おそらくこの施設でも浴場専用の井戸を所有していて、そこから冷鉱泉を汲み上げて使っているのでしょうね。


 
 
黒御影石で縁取られた浴槽は、手前側が緩やかな曲線を描いており、実用的で無機的な浴室に優しい印象をもたらすアクセントを加えていました。タイル張りの浴槽は仕切り塀によって大小に2分割されていますが、仕切りの内部には大きな貫通穴があけられているため、お湯は大小双方を行き来しています。
この仕切りの真上にお湯の投入口が設けられており、大小双方へお湯を注いでいました。
右側の大きな浴槽は14〜5人サイズで、湯口から熱いお湯が注がれている他、後述する熱い小浴槽とつながっているため、仕切り付近はちょっと熱い湯加減なのですが、湯口で加水されているためか、湯口から離れるとどなたでも入れるほどの温度にまで落ち着いていました(それでも一般的なお風呂よりは熱いかも)。


 
一方、左側の小浴槽は5〜6人サイズで若干深い造りとなっており、大きな浴槽の湯口と違ってこちらは加水されていないため、湯船の湯加減はかなり熱く、熱いお風呂に慣れていない方ですと入れないかもしれません。でも源泉のお湯100%だからか、お湯の個性ははっきり現れており、特に浴槽内では気泡がたくさん渦巻いていて、気泡のためにうっすらと白濁しているように見えました。そして浴槽のお湯は縁の上を溢れ出して、洗い場の床を濯ぐように流れていました。


 
お湯の見た目はほぼ無色透明ですが僅かに山吹色を帯びているように見えます。塩味と薄い出汁味を有しており、アブラ臭やモール臭に似た香ばしい匂いを漂わせています。泉質名こそ食塩泉(ナトリウム-塩化物泉)ですが、炭酸水素イオンや炭酸イオンが多いためか、重曹泉を思わせるようなツルツルスベスベ浴感がとても気持ち良く、とりわけ源泉100%の小浴槽はその浴感が顕著でした。そして特筆すべきは泡付きの多さであり、上述したように小さな浴槽内ではお湯を白濁させるほど気泡が渦巻いていて、この浴槽に自分の体を沈めますと、1分も経たないうちに全身が泡だらけになりました。アワアワなお湯が大好きな私としてはこの激しい泡付きに大興奮するのですが、湯加減が熱いために長湯できず、ツルスベ且つ泡まみれのお湯に長い間浸かっていられないのが残念なところです。
そんな熱さと食塩の影響により、湯上がりは力強く火照り、心臓の拍動も激しく、しばらくは発汗が止まりません。私が入館したときには4〜5人のお客さんがいたものの、そのような力強いお湯ですから回転が早く、みなさん体を洗った後はカラスの行水状態で湯船から素早く上がり、噴き出る汗を拭いながら脱衣室へと去っていきました。夏季には体力勝負になるお湯ですが、厳冬の季節には体を芯から温めてくれる、津軽の冬の心強い味方になってくれるに違いありません。また、朝5時半から営業していますから、早朝行動派の旅行者にとってもありがたい存在です。


ナトリウム-塩化物温泉 46.0℃ pH8.5 湧出量測定不可(掘削動力) 溶存物質1.284g/kg 成分総計1.284/kg
Na+:422.4mg(94.74mval%),
Cl-:559.7mg(85.08mval%), Br-:1.9mg, I-:0.2mg, HCO3-:106.9mg(9.43mval%), CO3--:22.8mg,
H2SiO3:121.1mg,
(平成21年10月16日)
加水あり

JR奥羽本線および五能線・川部駅より徒歩10分弱(700〜800m)
青森県南津軽郡田舎館村川部村元33-1  地図
0172-75-5211

5:30〜22:00
310円
ロッカーあり、他備品類見当たらず

私の好み:★★
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