卍の城物語

弘前・津軽地方の美味しいお店と素晴らしい温泉を紹介するブログです

津軽観音巡礼第二十四番 入内観音堂

2009-02-27 01:19:59 | 神社・仏閣
津軽三十三観音霊場カジュアル巡礼第二十四番札所の入内観音堂に行く。

浪岡中心街から県道27号線を走ると青森空港への有料道路がある。わざわざ金払うのも馬鹿らしいので、迂回して一般道を通る。峠を抜けると青森市の中心街が見渡せる。今では新幹線の陸橋が延々と続き、開通が待ち遠しく思うところだ。
そうしてすぐ入内へ向かう道があるので右折。小舘という集落があり、観音巡礼の案内があったので向かうと、そこは納経所であった。手元の地図では観音堂の場所がよくわからず、かなり迷ったので地元の人に場所を聞いてようやく辿り着いた。

集落からは少しばかり離れた杉林の中にあり、日光は遮られて仄暗かった。杉林は巨木が多く、中でも小金山神社の参道には二本の巨大な杉が聳え立ち驚かせる。
まず左手に観音堂があり、右手に小金山神社の社殿がある。少し山を登ると薬師如来と阿弥陀如来を祀った小堂があり、その上には白山神社がある。

806~810年に、征夷大将軍の坂上田村麻呂が蝦夷の首長・大獄丸を討ち取り、その首を埋めた上に観世音を祀ったのが始まりとされる。
938~947年、平将門の孫の信田小太郎が家臣の謀反に遭い、難を逃れてこの地に辿り着き、白山権現社と観音堂を建立した。
1596~1616年、津軽為信が観音堂を再建。華福寺の寺格を与えられるも、住職がいない為、更に火事に遭い荒廃してしまう。
1641年に村人達によって観音堂が再建される。
明治の大悪法・神仏分離令によって観音堂に神体が祀られ、小金山神社になる。
明治の中期には、村人によって守られた観音像が再び祀られる。
昭和初期には小金山神社の社殿が別個で建てられ、神体はそちらに移る。
昭和20年に堂宇が家事に遭うも、再建され現在に至る。

観音堂内に入って拝む事が出来たが、本尊は見ることが出来なかった。本尊は聖観世音菩薩像で、慈覚大師作とされている。

青森市の峠の森林だけあり、豪雪で巡礼にも苦労を要した。春はまだまだ遠いのだろうか・・・。

最後に入内観音堂のご詠歌
~おしなべて 貴く賤しき 者までも ここに歩みを 運ぶなりけり~

住所・青森市入内字駒田116-4

※無人神社です

健康の森温泉 花岡荘

2009-02-25 21:21:17 | 温泉(青森市)
日本テレビのプロレスリングノア中継打ち切り・・・。全日本プロレスから続いた歴史あるプロレス中継であったのだがショックで落ち込んでいる。ジャイアント馬場の王道プロレスの正統な後継団体ノアは、総合格闘技がブームだった時もプロレスが最強という証明を見事に果たしてきたのであるが・・・。
有料チャンネルに契約してまで見たいとは思わんが、仕方なくカリスマ不在の新日本プロレスしか観るしかないのかねー。ま、どうでもいい話。

観音巡礼の帰りに寄った温泉がこちらの浪岡の「花岡荘」。
国道7号線の浪岡駅付近で、国立青森病院へ向かう道があるのでそのまま真っ直ぐ進むと花岡公園がありその敷地内にある。
国民保養センターの施設で、大広間や小部屋もたくさんあります。
そのために大浴場までかなりの距離を歩かなければならない。

浴場は大きい浴槽が一つのシンプルなもの。カランは10コ。

お湯は薄茶褐色。甘めの塩味がする。
浴槽は12人ほどのサイズで、43度くらい。

浪岡といえば黒烏龍茶色だが、ここは薄めの烏龍茶色でした。
浴場のカランと浴槽の間がかなり広めなので、トド湯してた人が多かった。ここでは当たり前ってな状態でトドしてた。

湯口付近で直接加水しており、ちょうど適温で掛け流し。それにしても湯量が凄い。ズンドコ掛け流しで見ていて気持ちよかった。
料金も一応青森市なのに安くて嬉しかった。

オススメ度(温泉評価)・☆☆☆

泉質・ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温・44.8度(加水・塩素消毒あり)
効能・神経痛、筋肉痛、関節痛など

料金・250円
備品・無料ドライヤーあり
施設・大広間など

住所・青森市浪岡女鹿沢字野尻28-3
電話・0172-62-3023
営業時間・7:00~20:00
定休日・毎月第三水曜日

津軽観音巡礼第二十三番 夢宅寺

2009-02-24 00:47:52 | 神社・仏閣
津軽三十三観音霊場カジュアル巡礼第二十三番札所の夢宅寺に行く。

青森市中心街の正覚寺を後にし、浅虫へ向かう。
幼少の頃に浅虫を訪れたような記憶があるが、定かではない。実質初めてかも知れない浅虫へ到着。吹雪の中、国道4号線をそんなに速くもない速度で車を走らせるも、案外遠くない事がわかった。
左手には陸奥湾が広がる歴史ある大温泉地の浅虫温泉。旅館やホテルが無数存在し、多くの観光客を受け入れている。公衆浴場も二軒あり、日帰り客も気軽に入れる。
国道4号線を一本外れた浅虫温泉の主要道路から右折して線路を上に過ぎて少し走ると夢宅寺がある。

平安時代初期、恐山を巡拝した後、慈覚大師が辻堂を建立し、自作の薬師如来像と地蔵菩薩像を安置したのが始まり。本尊は薬師如来像で、薬師堂と称された。
1684年、津軽信政は悪性の眼病に悩んでおり、薬師堂で治癒を祈願した。居城の庭の夢を見、目覚めると眼病が治った為、「夢宅」と漆書きして奉納した。その由来から夢宅庵となり、津軽屋市左衛門が観音像をした。
大正時代初期、現在地に移転し、夢宅寺となる。

門をくぐり、境内へ。正面が本堂、右手が庫裏である。
中へ入ろうとするも開かない・・・。さすがに閉め切っているかと思いきや、ただ戸が凍結してただけであった。無理矢理こじ開けて堂内へ。
まず「びんずる像」なる見た目があまり良くない銅像が目に入る。よくは分からないがインドの神様らしい。像が持っている数珠を患部に当てると怪我や病気が治るとか。
そして正面には本尊の薬師如来像。右手に聖観世音菩薩像を中心に、三十三観音像が所狭しと安置されている。
左手には戦争で亡くなった英霊を祀っている。おそらく地元から出征して戦死された方々であろう。この英霊には感謝の意を願わなくてならない。観音様より大事に拝ませて頂いた。

帰りは温泉でゆっくり休んでから浅虫を後にする。観音巡礼も残り僅か。巡礼に訪れる人たちの多くはこの温泉で休んでいかれるのであろうか。

最後に夢宅寺のご詠歌
~月も日も 磯辺に浮かぶ 裸島 誓いも固き 石となるらん~

住所・青森市浅虫山下208
電話・017-752-3254

素晴らしき哉、人生!

2009-02-23 02:29:33 | 映画
映画100選。第17回。

46年作品。アメリカ映画。モノクロ作品。
原題「It's a Wonderful Life」

監督・制作・脚本・フランク・キャプラ
出演・ジェームズ・ステュアート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア

最近の映画は俄然勢いがなくなってしまって残念である。その為に映画を観たくなったら古い映画を観るしかなくなってしまっている状態の昨今、やはりクラシック映画の名作を観ておかなければならないと思い、今回は名作といわれる「素晴らしき哉、人生!」を観てみた。

~あらすじ~
アメリカのとある田舎町に住むジョージは、町の人々に住宅ローンを低金利で貸し付ける住宅金融会社を経営する父の仕事に不満を抱きながら、苦学で大学を卒業出来た。
大いなる夢を抱え、世界旅行へ出発しようとした最中、父が他界。父の遺した住宅金融会社を潰したくない為に会社を受け継ぐ。
建築家になる夢を諦めず、弟が大学を卒業したら会社を譲ろうとするも、弟は工場会社の娘と結婚し、婿入りした為、そのまま会社で働く事となった。
その後友人の妹のメアリーと結婚し、新婚旅行に出発する直前、銀行が破綻するとの噂が飛び交い、ジョージの会社の存亡も危惧され、町の人々は貸付金を返す様に要求。噂に惑わされぬように説得するも信じない為に、新婚旅行の旅費を少しずつ町の人に払い戻し、混乱は避けたが新婚旅行はお流れになった。
決して儲けているとも言えない会社だが、ジョージの会社のおかげで町の人々の多くは持ち家を建てることが出来、家では妻と子ども4人とささやかな生活を送っていた。
クリスマスの日、戦争で弟が活躍し、大統領から勲章を受け喜んでいたのも束の間、会社の資金8000ドルが紛失し、会社の存続どころか横領容疑さえ掛けられ、自暴自棄になったジョージは自殺を図ろうとする。その時、天から使命を受けた二級天使のクラレンスが現れ・・・、そして奇跡が起こる。

ちょっとしたファンタジーもありつつのヒューマンドラマである。でもファンタジーの部分はとても少なく、始まりの一部と後半のほんの一部のみ。実際はジョージの幼年から成長する姿を追っている。
彼の人生はそんなに不幸でもないが、人生の幸福期に限って事件が起き、進みたい方向には迎えない不運が起こる。それでもそれを受け止めて一生懸命に生きる。ほんの努力の積み重ねが町の人々を救い、結局は彼自身を救う。

ずばりアメリカ映画といったベタなストーリーだけれど、最後の最後は感動して泣いてしまった・・・。やっぱり何だかんだでハッピーエンドが好きである。でもこの日の体調で泣いてしまった感も否めないが、それでも感動のラストである事には違いない。

監督のフランク・キャプラは過去三度もアカデミー監督賞を受賞している名監督。しかし、この作品はアカデミー5部門にノミネートされるも無冠に終わり、興行的にも散々たる結果になってしまっている。
しかしながら、後にその評価は確実に認められ、今ではアメリカではクリスマスの夜のゴールデンタイムにこの映画を放映するのが伝統とさえなっている。

実際映画を観て思い出したのが、低金利の住宅金融といえばサブプライムローンであり、世界恐慌の発端となったが、ハッピーエンドの映画とやっぱり現実は違うのかと少し愕然とした・・・。

アメリカ映画協会のランキングでは歴代11位に選ばれ、「元気が出るアメリカ映画」部門では堂々1位を獲得している。
勧善懲悪的な構図とハッピーエンド。更に美人女優の起用という古き良きアメリカ映画がここにある。

オススメ度(映画評価)・☆☆☆

浅虫温泉 ゆ~さ浅虫 はだか湯

2009-02-22 22:30:06 | 温泉(青森市)
金曜日の夜の嵐は凄かったですね。冬に台風が来たという印象であった。
その嵐の夜に、姉が姪と甥を連れて帰省。どうやら旦那と喧嘩したらしい・・・。
でも二日も経たないうちに帰宅したので、嵐は意外と早く過ぎ去った様である。結婚生活も楽しい事ばかりではないだろうね。って独身の分際が言えた義理ではない。ま、どうでもいい話。

観音巡礼で青森市へ。そして浅虫にも霊場があるので行ってからその帰りに温泉へ。念願の浅虫温泉に入るのである。
浅虫は子どもの頃に水族館に来たようなないような、花火大会を見たような見てないような、曖昧な記憶で少なくとも大人になってから行った事なかった。
温泉好きの自分としては是非とも訪れたかったが、やはり遠いイメージがあったので倦厭してたが、実際行ってみると案外近いんだね。

ここは道の駅のビル内にある温泉です。道の駅のビルの五階に公衆浴場の「はだか湯」があります。若いので(?)頑張って階段で上がっていく。

浴場内は残念ながら塩素の匂いがする。というわけで循環してます。
ぬるめのメイン浴槽と、適温の小さい浴槽があります。カランは8コと少な過ぎである!

お湯は無色透明無味無臭。強スベスベ感あり。
メイン浴槽は40度で12人サイズ。隣は43度で4人サイズ。

お湯ははっきり行って大した事ない。何せ循環してるから。でもこの温泉は眺望が素晴らしい!!陸奥湾の絶景が拝める。でもこの日は吹雪で決していい景色ではなかったが・・・。でも晴れの日はとてもいい眺めだと思われた。

それにしてもカランが少な過ぎ!!浴場にはずっと10人以上いて、カランが使えなかった。ようやく一つ空いても間隔が狭すぎて隣の人に気を遣わないといけない。洗いづらかった事この上なかった。
カラン増設を望みながら、帰りはくじら餅を買って帰った。

オススメ度(温泉評価)・☆

泉質・カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温・59.8度(加水・加温・循環・濾過・塩素消毒あり)
効能・神経痛・筋肉痛、関節痛など

料金・350円
備品・無料ロッカー・無料ドライヤーあり

住所・青森市浅虫字蛍谷341-19 道の駅5F
電話・017-737-5151
時間・7:00~21:00

津軽観音巡礼第二十二番 正覚寺

2009-02-20 02:22:45 | 神社・仏閣
津軽三十三霊場カジュアル巡礼第二十二番札所の正覚寺に行く。

ニ月の下旬にもなるのに大雪です。弘前とは違い、青森はやっぱり雪が多い。国道7号線は道路凍結もあってトロトロ運転になっていた。青森までいつもの1.5倍近い時間がかかった。
正覚寺は青森の中心街にあるので、迷わずすんなり辿り着いた。

これ寺?と首を傾げるほど巨大な建物である。豪華な日本的なスポーツ施設の様な見た目である。
社務所と書かれた入り口があり、中へ入って観音様巡拝を請うて上がらせて頂いた。
一階は位牌堂になっており、本堂は二階なので、二階へ上がって襖を開けるとだだっ広い本堂になる。

正覚寺は1628年、良故竜呑上人によって開基。本尊は阿弥陀如来像。
1645年、近くの毘沙門天堂に正観世音菩薩像を本尊として観音堂が建立される。
その後「青森観音堂」と呼ばれ親しまれるも、境内地争いで現在の広田神社に移転。
1766年、大地震で観音堂は全壊。正覚寺に観音堂を建立し、本尊を移遷。
昭和20年の戦火で正覚寺と観音堂は焼失したが、本尊は無事であった。

本堂内陣の中央には阿弥陀如来像が、右手には聖観世音菩薩像が安置されている。どちらも慈覚大師作とされている。
聖観世音菩薩像は金と白のコントラストが美しく、青銅製となっている。
他にも二体の観世音菩薩像、毘沙門天像があり、内陣左手には鬼神母子像と、竜呑上人像がある。

その後ろには、祭壇があり、故人の写真が・・・。多分この日は通夜があるのだと思う。そういえば礼服の人が何人かいたもんな・・・。適切なタイミングではなかったが、拝めてよかったです。

近くには同じ様な巨大な寺が他に3箇所もある。何でこんな中心街にあるのだろうと思ったが、もともとこの辺りは森であって、森の中に寺が密集していて、それが戦火で森ごと焼け爛れ、再興した時には寺も辺りも真新しくなってしまったんだね。
それにしてもドデカ過ぎる寺である。こういう風情もへったくれもない寺は好きじゃないが、戦火を逃れた有り難い観音様を拝めるので善しとしようか。

最後に正覚寺のご詠歌
~浪の音 松の響きも 御法にて 風をも弥陀の 正覚寺かな~

住所・青森市本町1-1-12
電話・017-776-3454

中華そば 田むら

2009-02-19 21:11:23 | ラーメン屋(青森市)
中川氏辞任に残念がってるのは自分くらいなのかね?
酒の力借りないと表出れないってのは人間臭くていいと思うし、政治家は聖人君子なわけないし、一番に面白過ぎるから続けて欲しかった。日本の恥とか言ってるコメンテーターとか一般人に、あの会見でお前らに損があったか?と聞きたい。何勝手に日本代表になってんだか。ま、どうでもいい話。

観音巡礼で青森へ。朝バナナして腹減ったまま、しかも二日酔いでまだ酒が抜けきれない中、ずっと行ってみたかったこちらの「中華そば田むら」へ行くことに。
以前夜に行って、昼間営業しかしていないことを知らなかったもんで、場所だけはなんとなく憶えてたのだけれど、さすがにチョット迷ったけどなんとなくの記憶でなんとか辿り着いた。

店内はかなり広めで家族連れも気を遣わなくて良さそうだ。
まず食券機で買うシステムです。今回は気になってた「鬼煮干し(680円)」を大盛りで注文した。大盛りはなんと50円増しと嬉しい価格です。
メニューは基本の「煮干中華」、「塩中華」、「煮干味噌」など。珍しいところで「イカトン中華」なるものもあって興味深いが、自分の目には「鬼煮干し」しか映らなかったのだ。
チャライ若者が使う「超」とかの意味で「鬼」とか言ってますが、鬼のように最強という意味で「鬼煮干し」と名付けたんでしょうかね。
結構すぐ運ばれてきました。さて食べるとしましょう。

名前の通り、超強烈煮干臭がお出迎え。これが良い香りなんだよね。スープの色はドロドロの焦げ茶色です。味は煮干味そのものでけど、あっさり系の煮干とは違う、ちょっとエグ味のあるスープです。煮干の頭とかハラワタとかもそのまま入れてるんだと思う。煮干のみではなく、鶏と豚骨の旨みもあって抜群に美味いです。
麺は縮れ麺。そんなに太くもなく、細くもない。個人的にはもう少し太くてもいいと思ったが、それでもちょうどいい太さであった。
具はチャーシュー、メンマ、ネギ、そしてかつお節が乗ってる。かつお節は少ししか乗ってないけど、意外と合ってた。チャーシューは丼の半分以上を占めるかなり大きめで嬉しい限り。

本棚には「ラーメン発見伝」があり、読みながら食べました。最高のラーメンを食べる時間には最高の本です。

大満足でした。また来たいが、16時迄の営業だからまた来れるか微妙なのが残念。
でも来年か再来年また行きます。

オススメ度(ラーメン評価)・☆☆☆☆

住所・青森市緑3-4-12
電話・017-722-8667
営業時間11:00~16:00
定休日・水曜日

chatmonchy has come/チャットモンチ-

2009-02-18 01:55:07 | ロック
2009年3月に3rdアルバム「告白」発売を控えて、今一度チャットモンチ-のデビュー版ミニアルバム「chatmonchy has come」の素晴らしさを振り返ってみたいと思う。

2005年11月にミニアルバムという形で鮮烈なデビューを飾ったチャットモンチ-。大袈裟な言い方だが、一部の音楽メディアからロックファンにはそう感じられていた事だろう。
「ロッキンオン」誌に於いては「ポップの奇跡」という最高の形容さえ受けた。
チャットモンチ-は純粋なロックバンドであるが、ポップスも平気で歌う二面性があるが、そのキャッチ-なメロディを作るポップセンスを十二分に感じられる作品がこのデビューミニアルバムの「chatmonchy has come」である。

1.「ハナノユメ」
文句なしのチャットモンチ-の代表曲。このアルバムのリードトラックである。ポップセンス光る抜群のメロディと女の子と思えぬハードなプレイ。そしてキュートなボーカル。ロックシーンに一石を投じた意欲作。作詞はクミコ。チャットファンはみんな大好き。

2.「DEMO、恋はサーカス」
これまたポップでノリノリなナンバー。作詞はえっチャンとアッコの全作品唯一の競作。(「夢心地」という番外編もあるけどね)
ライブ感溢れるコーダ部もいいです。

3.「ツマサキ」
恋愛至上主義的少女趣味チューン。アッコ作詞の超ムネキュンな可愛い過ぎるラブソングだが、ここまで行ききってると気持ち良くて大好きな曲です。

4.「惚たる蛍」
えっチャン作詞で後半部はトラディショナルソングの引用というある意味実験的な作品だし、独特な詞の世界観とラウドなサウンドのギャップが良く、夏の夜に聴きたくなる曲だ。

5.「夕日哀愁列車」
これもえっチャン作詞。オーバーダブ多用でオルタナ感を出しつつも、キュートなボーカルとコーラスがズバリ、ガールズロックそのものと直感できるポップロックナンバーである。

6.「サラバ青春」
もはや卒業アンセムとなりつつある青春エレジー。作詞はクミコ。
学生時代のチャットモンチ-のメンバーの勝手なイメージだけど、えっチャンはロック一筋。アッコは恋愛一筋。クミコは友達一筋であったと推測される。クミコはあんな性格だから、友達も多く誰からも慕われていたであろう。高校の卒業といえば、友達という宝物に別れを告げねばならない、しかも否が応でも大人に成らねばならない非常な瞬間、そんな卒業を嘆いた美しい詞はクミコにしか書けない。
そんな詞と絶妙なポップメロディを纏った最強のサヨナラソングがあるからこそチャットモンチ-は最強なのである。

今やギターのオーバーダブをしなくなったチャットだが、この時点では自然の流れで結構重ねている。
演奏やコーラスなど荒っぽい場面が多く、そこはチャットモンチ-の実力の低さ、そして初めてプロデューサーになったいしわたり淳治のプロデュース能力の低さなのだが、そこはお互いのデビュー盤であって、そこからハイスピードで成長していくので温かく見守ることが出来る。

今でもライブの定番となる曲が多数収録されているこのミニアルバムはチャットモンチ-のポップ面が存分に体感出来、ノイズギター唸るオルタナロック面のチャットモンチ-が好きな自分も愛してしまう可愛いミニアルバムです。

ロックの救世主の輝かしい歩み・・・、全てはここから始まった!

オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆

はたけのゆっこ

2009-02-16 03:03:05 | 温泉(南津軽群)
弘前交響楽団見たが、風邪悪化した!!
市民会館は暖房能力低過ぎる。一昨年も軽い風邪引いてた時に市民会館に行って寒過ぎて風邪が悪化したが、今回も同様。咳してた客の多かった事!!増して人ゴミだから悪化して当然。市民会館の空調改装希望。ま、どうでもいい話。

それ見てから藤崎に新しく出来た温泉へ向かった。
その名も「はたけのゆっこ」。国道339合線沿いの周りにりんご畑しかない所に出来たからそういう名前なんだろうかね。
この温泉は昨年末にオープン予定だったが、工事トラブルで延期を重ね、やっとこさ今月の初旬にオープンした。
場所も近くて、22時までやってるとのことで、21時過ぎに入る。

玄関からいきなり新築の木のいい匂い。入ってすぐ右手に食堂があった。でもさすがに終わってたけど。

浴場だが、そんなに広くない。メイン浴槽、熱め浴槽、サウナ、水風呂といったシンプルな構成だ。新らしい施設にしては珍しい。カランは19コとこちらも少な目だと思う。
壁には富士山の絵が書かれてます。岩木山じゃないのね・・・。ま、風呂といったら富士山かもね。

まず熱め浴槽へ。6人サイズで44度ほど。ちょっと深め。湯口は一つで、隣のメイン浴槽へは浴槽下の通湯口から流れ出る。
メイン浴槽は43度ほどで、10人ほどのサイズ。左側にジャグジーもあり。

お湯は茶褐色。烏龍茶っぽい色だ。甘めの味で、油臭が感じられる。若干のツルツル感もある。
なかなかいいお湯だ。板柳に近いだけあり、ふんわりと鼻につく油臭が心地良いね。

サウナは95度の6人サイズでテレビつき。ここも狭め。

あまりに良いお湯だったからペース配分間違えてのぼせた・・・(風邪引いてたのもあるだろうが)。浴後はなかなか汗引かなかった。

このご時世に温泉掘り当ててオープンすると、大抵大型施設になり、大型の浴槽と数多くの家族風呂を造って、湯量に賄えない為に循環しているが、ここは中規模の施設に留まって、掛け流しに拘っている所が偉い!!
温泉も商売だから、出来るだけ儲けようとするのは理解するが、純粋にお湯を楽しんでもらおうとする姿勢が感じられるこちらの温泉は素晴らしい。
ここは新しく出来ただけに当分混むだろう。ちょい遅くまでやってるので時間帯をずらして行きたいところだ。
そんなに遠くない所にお気に入りの温泉が出来て嬉しいです。

オススメ度(温泉評価)・☆☆☆

泉質・ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温・48.9度
効能・神経痛、筋肉痛、関節痛など

料金・350円(6:00~8:00は250円)
備品・有料ドライヤー
施設・食事処

住所・藤崎町藤崎字向根子橋21-2
電話・0172-75-6988
時間・6:00~22:00

弘前交響楽団第21回定期演奏会

2009-02-15 20:55:42 | 音楽鑑賞
弘前交響楽団の定期公演に初めて行った。
去年は相馬村と岩木町と弘前市の合併記念公演でベートーベンの第九番を演目で公演したが、まさかのチケットソールドアウトで見れなかったという苦い経験から今年は早めに前売り券を買っておいて、去年のリベンジを図りたかった。

普通に開演3分前に弘前市民会館に到着。客席は8割くらい埋まってた。前の方がガラガラだったので、前の方で見ることにした。前の席は音が聴こえづらいし、手前の弦楽隊しか見えないから視覚的にもつまらない。真ん中あたりのいい席に行けばいいのだが、隣の人に気を遣いたくなかったからとの理由から前の方に座った。
去年の様に満席とはいかない。いろいろ理由はあるだろうが、一番の理由はプログラムである。ほとんどマイナー(短調という意味ではなく)な曲ばっかりだ・・・。ま、順を追って進めましょう。

1.「後宮からの誘拐」~序曲/モーツァルト
モーツァルトのオペラといえば「魔笛」であり「フィガロの結婚」が有名どころ。「コシ・ファン・トゥッテ」や「ドン・ジョバンニ」もまあまあ知られたところ。
でも「後宮からの誘拐」って・・・。聴いた事もないです。今でもどっかの歌劇場がやってるのかしら?ま、初めて聴きます。
華やかな明るい出だしはモーツァルトそのものだなと感じるが、途中から打楽器が派手に展開してくるのがモーツァルトにしては珍しい。トライアングルが連発してリズムを取るのも面白い。序曲としてはかなりいい曲であった。

2.「キプロス島の女王ロザムンデ」~バレエ音楽第1番、間奏曲第3番、間奏曲第4番、バレエ音楽第2番/シューベルト
同名戯曲の劇付随音楽からいろいろ掻い摘まんでお送りする。
これもまたマイナーな選曲である。間奏曲第3番は、弦楽四重奏曲「ロザムンデ」の第二楽章の主題に転用している。この弦楽四重奏版のCDは持ってるが、そんなにピンと来ない曲だなと思っていた。全体的にゆったりとした曲ばっかりで、そんなにでもなかった。

3.交響曲第五番/ショスタコーヴィチ
今回のメインはショスタコーヴィチ。さすがに聴いた事も無かったから中古で探して買った。ショスタコーヴィチ自体そんなに聴こうとも思わなかった。近代作曲家だから自然と後回しになってしまうのは致し方ない。
調べてみると、ショスタコーヴィチはシンフォニーを15曲も書いている。それもすごいが、ベートーベンの9番のジンクスを簡単に破りさっている。中でも五番は評価が高い。「革命」の副題を付けていたりする場合もある。ソ連の社会主義体制で当局の反感を買わないような姿勢を保つ事はとても大変であったと推測されている。その姿勢が音楽に出ているとかいないとか、評論家は言ったりしてます。
で、予習バッチリしたらこの第五番は一応有名とのこともあるだけに、なかなかいい曲であった。さて、市民レベルのフィルでどこまで聴かせてくれるのだろうか?
第一楽章は悲壮的な始まりで、ダークな世界観を醸し出す。中間部のマーチの昂揚感の出し方がとてもいい。ハープやグロッケンの音も印象強い。そしてまた静かに消え行く様に終わっていく。
第二楽章のスケルツォの主題のリフレインは耳につく、楽しげだが荘厳な曲。短めですっきりとする。
第三楽章だが、ラルゴはシンフォニーに必須だが、やっぱりちょっとダルイ。ここも一層悲壮的であり、いい意味で眠くなります。
第四楽章。管楽器とティンパニが巨大な音を甲高く鳴らし、躍進的な堂々たる展開。中間部にも全体的に感じられた悲壮的な旋律もあるが、コーダでは重厚な弦楽奏を下敷きに、未来への希望が感じられる壮大な幕切れ。

指揮は去年に続いて新通英洋氏。いい指揮だった。アマオケでこれだけ振れるのだからプロだともっとすごいのだろう。
アマオケと見くびったのが大間違いで結構感動出来た。バイオリンに小学生がいたり、足の不自由な老人がいたりとアマオケならではの構成もすごい。
来年の定期公演も絶対行くだろう。でももう少しメジャー(長調という意味ではなく)どころの曲目がいいな。
ともあれ、弘前交響楽団に今後も期待しつつ応援していく。

クアハウス一ッ谷温泉 (廃業)

2009-02-13 00:46:15 | 温泉(五所川原市)
ロック雑誌「bridge」にチャットモンチ-と姉弟子の9mmParabelumBalletの対談が掲載しててかなり面白い内容です。ま、どうでもいい話。

久し振りに温泉へ。つけ麺屋に行くのが目的で五所川原へ。ラーメンはあんまり美味しくなかったのでいいとして、温泉は初めて行く所だから場所が定かでないが、なんとなくの情報で辿り着いた。
五所川原駅の裏手にあり、中央公民館の矢印に沿って行き、陸橋の真下あたりに建っているのがこちらのクアハウス一ッ谷温泉。
玄関が二つあり、左側が温泉の玄関。右側が寺田整骨院の玄関。寺田整骨院が掘り当てた温泉なので真隣にあります。

浴場はメインの熱め浴槽、ジャグジー浴槽、水風呂、水寝湯、水座湯。サウナとスチームサウナは故障中でした。
カランは21コ。カランからも温泉が出ます。

お湯は緑茶色。かなりの塩気です。匂いもあったようだが、この時鼻血出てて血の匂いしか感じられず・・・。ジンジン染みる感じがする。

メインの浴槽は45度とかなり熱め。8人ほどのサイズ。ジャグジー浴槽は5人ほどサイズ。

そして水風呂が以上に多く、普通の水風呂、水風呂の寝湯3人用、水風呂の座湯1人用とある。よく見ると薄茶色がしてて、温泉っぽいが、井戸水らしい。一応冷鉱泉になるのかどうかはよくわからん。
メイン浴槽が熱めだから、水風呂も重宝しそうだけど、冬にはちょっと辛い冷たい温度で入るの無理だった。他の客も誰一人入ってなかったし。

浴後は汗が引かなく、ベタベタ感が残った。

五所川原の中心地にこれだけの温泉があるのは素晴らしい事である。
でも水風呂が多いのは利点でもないし、出来れば温泉張って欲しかった。サウナもどっちも直りそうもない感じで残念だった。ちょっと勿体無い温泉であった。

オススメ度(温泉評価)・☆☆☆

泉質・ナトリウム-塩化物泉
泉温・54.5度
効能・慢性皮膚病、慢性婦人病、慢性便秘など

料金・350円
備品・無料ロッカー・有料ドライヤーあり

住所・五所川原市一ッ谷505-2
電話・0173-34-2688
時間・9:00~21:00

弘前城雪灯籠まつり

2009-02-12 01:33:15 | お祭り
今年も弘前城雪灯籠まつりに参戦した。
みちのく五大雪祭りの一つに数えられている弘前城雪灯籠祭りであるが、札幌とかのに比べたら雪灯籠祭りなど足元にも及ばないから、他のみちのく五大祭りも大した事無いのかも・・・(その他の地域の人たちすいません)

何だかんだで自分が生まれる前から開催してるので、歴史的にも古いのか新しいのかどうかはわからんが、規模は小さいものです。
雪で造った灯籠にねぷた絵を張ったものを道傍に構えて楽しむという、何とも娯楽性の低い祭りであり、広場には歴史的建築物を氷雪で形作ったものや、キャラクターの雪像、巨大というには過言の滑り台など、みどころも少ない。
結構ボロクソに言っているが、私個人は大好きな祭りである。毎年行ってます。

今年の祭り期間中は毎日夜の仕事があって、行けないかもと思ってたが、先日ほんの少し仕事が早く終わったので、友人を誘って急いで向かった。

公園到着は20時48分。夜間照明は消え、出店は閉まってしまうのが21時。とりあえず出店に向かう。もう店仕舞いの準備してる中、おでんとフランクフルトを購入。それから本丸へ向かう。
本丸からは100基のミニかまくらが望める筈だが・・・、時すでに遅し。全部の灯り消されてました・・・。時計は21時9分。どんだけ急いで消したんだよ!!役所仕事のマニュアル馬鹿さ加減にうんざりしながら歩く。

今年は例年に見ない暖冬で、雪灯籠まつりは雪不足だった。どこかから雪掻き集めてきたのんだろうか?
ま、雪が少なくて毎日さっぱりした生活できて嬉しかったんだけど、公園には雪灯篭が例年より少ない気がした。歩道は土が見えていた。

この日は結構暖かく、満月も見えて心地よい中、二の丸の屋根附き休憩場で友人と軽く飲んだ。これも毎年恒例。
城を眺めながら飲む酒は美味い。毎年凍えながら酒を飲んでいるが、そんなに寒くも無く、余裕こいてビール飲んでたらさすがに夜も更けるとまだ冬だった!!いい感じになったし、寒いから撤退した。
というわけで祭り自体はほぼ体感出来なかった。でも飲めたからいいとする。

休日前の為か、家族連れがいっぱいいた。雪灯籠は市民が作っているだけあり、自作の雪灯籠を家族や関係者が観に行くというのもなかかな素晴らしい事ではないか。
今後も小規模ながらひっそりと盛り上がる祭りであって欲しい。

余談だが、市民会館の駐車場に駐車してたのだけれど、ここは22時で施錠してしまい、閉じ込められた・・・。なんとか違法的に脱出したのであった。

津軽観音巡礼第二十一番 鬼泊巌屋観音堂

2009-02-10 01:25:22 | 神社・仏閣
津軽三十三霊場カジュアル巡礼第二十一番札所の鬼泊巌屋観音堂へ行く。

前回も二十一番では?カブってるのでは?とお思いだろうが、ご名答で、二十一番札所はカブってます。

津軽三十三霊場巡礼は藩政時代から始まっているが、その当時の巡礼箇所と現在の巡礼箇所は結構違い、順番もかなり違う。寛延時代に再編されて現在の形が完成されたとされているが、そのために過去の巡礼だった寺社も今尚存在しているわけであり、三十三番から取り消された巡礼地も重要な場所である場合は訪れた方がいいとされ、それは各々の受け止め方次第である。
そんな複雑な理由によって重複した観音巡礼の最たる場所がこの鬼泊巌屋観音である。

1647年、海中の洞窟に観音堂を建て、聖観世音菩薩を安置されたのが始まりとされる。
1716~36年頃には場所柄、堂宇は損壊してしまい、貞伝和尚が本覚寺に仮移遷した。
明治の大悪法・神仏分離令によって鬼泊巌屋観音堂は消滅した。
明治20年代に海雲堂釈迦堂に本尊だった聖観世音菩薩が安置された。
昭和30年代に現在の場所に観音堂が再建したが、本尊は戻ることはなかった。

海雲堂釈迦堂から国道280号を東へ。海岸線の眺めは大変美しく、陸奥湾には遥か北海道の地まで見渡せる。
6kmほど走ると案内標識がある。見落とすと確実に通り過ぎ去って探せなかったかもしれない。
辺りには集落も無く、目印になるものも無い。ただそこに観音堂があるのみだ。
車を路上駐車し、海岸近くに行くと鳥居がある。鳥居を幾つか潜ると、小さな堂があらわれる。もちろん本尊は無い。
目の前には波しぶきがあがり、潮の香りとさざなみの音を聞きながら拝んだ。

この場所は袰月観音堂と呼ばれていたが、現在の袰月村にある釈迦堂が袰月観音堂となってしまった。
しかし元来はこの地が袰月観音堂である事を知った巡礼者たちは、海雲堂釈迦堂と鬼泊巌屋観音堂のどちらも巡礼し、現在ではそれが定番となったようだ。

国道280号線は今別から青森市の油川まで続く、陸奥湾の外ヶ浜をずっと眺め続けていける最高のドライビングコースであった。
陸奥湾はとても穏やかで、静かな海であった。日本海しか知らない自分には結構驚きであった。
家々も波打ち際ギリギリに建てられており、もちろん道路もそうである。海が荒れたらどうなるのか心配するも、湾なので大丈夫なのであろうか。津波もそんなに被害なさそうだし、穏やかな海だからこその立地状態なのだろう。
しかしながら、海岸線には神社が数多くあった。稲荷神社も幾つか見受けられ(中には何故か岩木山神社もあった・・・。見間違えか?)、漁で成り立つ村には、海難を防ぐ為に多くの神社を建立したのだろうと推測される。
それにしても天気の良い外ヶ浜は美しかった。夏場になったら訪れてみたいものである。

最後に鬼泊巌屋観音のご詠歌
~いにしえの 鬼の岩屋に 神立ちて 悪魔はあらず 外ケ浜にも~

津軽観音巡礼第二十一番 海雲堂釈迦堂

2009-02-09 23:37:27 | 神社・仏閣
津軽三十三霊場カジュアル巡礼第二十一番札所の海雲堂釈迦堂へ行く。

高野山観音堂から国道280号線で10kmほど進むと袰月という集落があり、海雲堂釈迦堂へはきちんと案内標識もあり、道路沿いにあるのでわかりやすく辿り着けた。

海雲堂釈迦堂は滝見観音とも言われ、その理由は観音堂のすぐ後ろに小さな滝が流れているからである。冷え込む冬ながら、ささやかな流れを続けていた。滝から流れ出た水はそのまま陸奥湾に流れ込む。
ここら辺りの浜は舎利浜といい、小豆ほどの大きさの白い光沢のある舎利石が取れるところで知られる。

釈迦堂の草創は824~833年くらいで、舎利浜から現われたとされる釈迦如来像を本尊として草創された。1615~1624年に再建。
明治20年代には、ここから6kmほどにある鬼泊巌屋観音堂にもともとあった聖観世音菩薩像を譲り受け、滝見観音海雲堂となった。

観音堂は小さく、すぐ隣には民家があり、こじんまりとしとしている。
中へ入ると座敷にも関わらず、ベンチが置いてある。ここは近所の寄り合いの場所としても使われているらしく、脚の悪い年寄りの為にベンチがあると思われる。
中央には釈迦如来像が安置されており、メインの聖観世音菩薩像はその隣にある。ここは今なお釈迦堂であり、本尊はあくまで釈迦如来像である。
聖観世音菩薩は鬼泊巌屋観音にあったものであり、移遷したものだが、旧来の悪地によって致し方なく移ったものだ。
ちなみに訪れた時にはどれが何の像なのかさっぱりわからなかった・・・。勉強してから訪れるのが一番である。

そしてこの聖観世音菩薩像がもともとあった鬼泊巌屋観音へ向かう。ただしそこも二十一番札所なのであるが・・・。

最後に海雲堂釈迦堂のご詠歌
~鷲の山 誓いも重き 袰月の 影を浮世に 残す舎利浜~

住所・今別町袰月袰村本98-1

※無人仏堂です

津軽観音巡礼第二十番 高野山観音堂

2009-02-08 02:02:25 | 神社・仏閣
津軽三十三霊場カジュアル巡礼第二十番札所の高野山観音堂へ行く。

義経寺から旧道の国道280号線を今別町方面へ進む。道路は海沿いにあり気持ち良い。
高野山観音堂は今別町役場の近くにあり、役場の案内板に向かって進むと観音堂の看板が見える。でも線路があって観音堂の境内まで車で行けない。線路の手前に駐車し(空き地があったから駐車したが、多分そこは民家の駐車場なのかもしれない)

線路を跨ぐと観音堂の境内に入る。右手に観音堂、奥に三十三観音石像、左手に元保育園がある。

高野山観音堂は824~34年頃に草創。その後観音堂は荒廃してしまい、1791年に本尊を本覚寺へ仮移遷する。1793年、観音堂を新築し本尊を安置する。その後円通寺になる。
昭和30年の今別大火で、観音堂を含め建物は全て焼失。この地にあった大仏さえ焼失したが、本尊は無事であった。

観音堂は施錠されておらず中へ入れた。しかも本尊が堂内にきちんと安置されており、義経寺同様に観音様を拝む事が出来た。
本尊は十一面観世音菩薩像で、慈覚大師の作である。金色眩い美しいものである。津軽の海をいつまでも守って頂きたい。

観音堂を出て、林の中へ向かうと、銅製の慈母観音像があり、続いて三十三観音石像が続く。林を抜けると広場のような空き地になっており、先には小学校のグランドさえ見える。
もともとこの空き地に観音堂があった。おそらく大仏もここにあったのであろう。

納経所は今別の名刹の本覚寺である。この場所からすぐ近くにある。自分は納経してないので訪れていないが、高野山観音堂と本覚寺は古くから深い関係にあるので訪れなかった事が悔やまれるが、いずれ別の機会で訪れたいところ。

最後に高野山観音堂のご詠歌
~高野山 誓いをここに 今別の 石の光も 弥陀の舎利浜~

住所・今別町今別149-3

※無人仏堂です