久々のこのコーナーですね。今回はヴュルツブルクを取り上げてみようと思います。ヴュルツブルクといえば、ロマンチック街道の起点の町として日本人にもよく知られた観光地です。主なみどころはマリエンベルク要塞と世界遺産レジデンツとフランケンワインですね。というわけで、この3つ以外で私が見つけたスポットをご紹介します。
と、その前にマリエンベルク要塞について1つだけ。小高い山の上にあるこの要塞へは、たいてい北側から登って同じく北側へ下りるルートが一般的です。ですが、私は帰りは南側から降りるルートをお勧めします。ちょっと分かりにくい道ではあるのですが、こちらのルートは南から西麓へと山裾のブドウ畑の中を抜ける爽やかな散策路となっています。
要塞をバックにブドウ畑を抜ける小路
この道の行きつく先は、マイン川沿いの聖ブルカート教会です。この教会は、要塞内にある聖マリア教会を除けば、市中でもっとも古い教会だそうです。そんないきさつを知ると、無骨で質素な教会にも何とも歴史を感じます。
聖ブルカート教会
続いてのオススメは、マリエンベルク要塞から谷を1つ挟んだ南側にあるケッペレ(Käppele)と呼ばれる教会です。ケッペレとは通称で、正式には聖母訪問巡礼教会(Wallfahrtkirche Mariä Heimsuchung)というのだそうです。ドイツを代表する建築家バルタザール・ノイマンが手掛けた教会で、ノイマンは何を隠そうレジデンツを設計した人物です。ケッペレへは、麓から延々と続く階段とテラスを越えていかなければなりません。
テラスとケッペレ
さっきのようなテラスをいくつも登って辿りつきます
ここからの眺望は、マリエンベルク要塞と違ってまた格別です。当の要塞についても、目線が同じくらいになるので、市街からは見られない真横からのアングルが楽しめます。この教会は、何といっても内部装飾が見事で、宗教施設にはそこまで関心のない私も、思わず目を奪われてしまいました。きらびやかというよりも、荘厳さを感じます。
ケッペレからマリエンベルク要塞を望む
ケッペレの内部
最後に、というかちょっとおまけ的な感じですが、もし時間に余裕があればレジデンツの東側、かつての町の城壁の外側を散策してみてはいかがかと思います。かつての城壁外側の堀跡が、市民の憩う自然公園となっています。
池や木立と城壁のコラボや、寄っても寄ってもなかなか逃げないカモなんかが見ていて楽しいのですが、この公園が他と異なって面白いのは、よく見るとあちらこちらに日本から輸入した樹が植えられていることです。ソメイヨシノに八重桜、そしてカツラなんかが説明付きで植えられています。一応、ヴュルツブルクは大津市と姉妹都市なのだそうです。
城壁とカツラの木
サクラはまだちょっと若い感じ
というわけで、日本人にもなじみの深い観光都市ヴュルツブルクについて、蛇足的なスポットをご紹介しました。ロマンチック街道の起点ということで、ここで1泊なさる方も多いと思います。せっかくですので、朝晩あたりはちょっとお決まりのコースから足を延ばしてみてはいかがでしょうか。そして、もちろん〆はフランケンワインですね(笑)。