塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

北陸新幹線、小浜ルート仮決定についての雑感

2016年12月17日 | 雑感
  
北陸新幹線の敦賀~京都間のルートについて、いわゆる「小浜ルート」でほぼ決定したというニュースがありました。計画段階で紛糾していたこの区間については、小浜ルートのほかに、京都府舞鶴を経由するルート、米原で東海道新幹線と合流するルート、そして早い段階で脱落したらしい琵琶湖の西岸を走る湖西ルートの4つが候補に挙がっていました。

私はこの中ではもともと小浜ルートがもっとも合理的かなと考えていたので、今回の決定は少々意外でした。というのも、東北新幹線が青森まで延伸した際には弘前を経由するルートを、北海道新幹線では室蘭・苫小牧を回る経路を想定していて、いずれも見事にハズしていますので(笑)

小浜ルート推しの理由はいくつかありますが、ひとまず米原ルートと舞鶴ルートは、私のなかでは論外と思っています。まず舞鶴ルートについては、単純に遠回り過ぎます。北陸と大都市圏を結ぶのが目的なのに、わざわざ舞鶴1つのために北陸を遠くしてしまうのは、費用対効果に見合わないでしょう。もし舞鶴が高速鉄道をどうしても欲するのであれば、むしろ山陰新幹線を誘致すべきでしょう(実現はかなり困難でしょうが)。

米原ルートについては、建設費がかなり浮くというメリットはあるのでしょうが、ただでさえ超過密な東海道新幹線に北陸新幹線をさらに滑り込ませるなど、ちょっと無謀というものでしょう。首都圏のほかに仙台しか百万都市のない東北新幹線だからこそ、上越に山形に秋田に、そして長野・北陸と滑り込ませることが可能なわけです。

残るのは湖西ルートと小浜ルートというわけですが、後者が前者よりベターだと思うのは、途中駅の関係です。湖西ルートであれば1駅、小浜ルートであれば小浜~京都間にもう1駅つくることになると思われます。

湖西ルートの場合、おそらく高島市内に「新高島」駅なりなんなり設けることになるのでしょう。高島市は水清く風光明媚なところで見どころも多く、個人的には観光にもおすすめのエリアなのですが、実際のところ京都から在来のJR湖西線に揺られていってもそれほど時間はかかりません。駅ができたからといって、新幹線で高島(湖西)に出かける人がどれだけ増えるかというと、ちょっと疑問です。

それに対して、小浜~京都間には茅葺の集落が残る里山観光地として名高い南丹市美山町があります。「日本の農村の原風景」と謳っているだけあって山深いところにあり、現在のところ鉄道からも高速からも、いささか離れた場所にあります。ですが、小浜ルートは経路上この美山町を貫通することになるので、ここに新駅を設ければ、競合するもののない唯一無二のアクセス手段となることができます。

舞鶴ルートは主に地元自治体のほかに京都府が求めていたといわれています。ですが、上述の通り小浜ルートでも、京都府はじゅうぶん恩恵を被ることができるはずです。滋賀県には、私が「バケモノ電車」と呼んでいるJR在来線の「新快速」があるので、それほど新幹線が必要とも思われません。

以上の理由から、今回の北陸新幹線小浜ルートの仮決定は、妥当なのではないかなと思う次第なのです。




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