橋本徹大阪府知事が、関西電力の節電要請を拒否したそうですね。関東・東北が25%目標を掲げて、それでも厳しいというのに、15%削減すら一蹴するとはどういうつもりなのでしょうか。関西電力がデータを見せないからという理由をつけていますが、要は東電と同様に関西電力も悪者にして正義の府知事様を演出したいということなのでしょう。それが証拠に、後になって自然エネルギーやリサイクルエネルギーに転換すると表明するなら協力すると、全然異なる理由を足してきました。この人にとっても、震災はパフォーマンスの道具に過ぎないということなのでしょうか。腹立たしい限りです。
さて、話は突然変わってスポーツの話題ですが、野球に詳しくない私からみても今年の楽天は惨憺たる有様ですね。また、サッカーに詳しくない私でも、ベガルタ仙台の頑張りには感動を覚えます。どちらも仙台をホームとし、東北の被災者の篤い期待を寄せています(サッカーの場合は他にもモンテディオ山形がありますが)。ところが現在のところ、その結果たるやまさに天と地といったところです。
ベガルタ仙台といえば、発足からつい最近まではその他大勢の1つの弱小チームで、失礼ながらとてもJ1に昇格できるとは思っていませんでした(2001~02までJ1にいたようですが)。それが、長い辛酸を舐める時期を乗り越え、昨年再びJ1に返り咲きました。そして東日本大震災後の今節、現在のところ負けなしという頑張りを見せてくれています。順位でも2位にあるということで、被災地を大いに励ましているといえるでしょう。
それに引き替え、楽天の体たらくにがっかりしている人は多いのではないでしょうか。ただ、前年からすでに不振は続いていたので、勝てないことそれ自体には眉をひそめることもないかとも思います。むしろ私が解せないのは、星野監督の態度です。選手に対して愚痴ったりぼやいたりは前々監督にもありましたが、人前で公然とブチ切れるのはいかがなものかと思います。とくに楽天は被災地の希望を背負っているわけですから、とりわけ忍耐強く振る舞うべきではないでしょうか。人命や家や町や職を失って、それでも必死に耐えて再起に向かって努力する被災地の人々を前に、選手のミスの1つ1つにいちいち怒号を浴びせるとは、恥ずかしいというか情けないとは思わないのでしょうか。
さらに昨日は、「星野さん、あんまり怒らないでくださいよ」と話しかけたファンに対して「やかましいわ!この野郎!」と罵声を浴びせたといいます。ここまでくると、監督としていうか、人としての態度に疑問を呈さざるを得ません。場所も、アウェイならともかく、よりにもよって仙台・Kスタ宮城でした。監督が怒鳴りつけた相手は、もしかしたら親戚・知人を震災で失っているかもしれないのです。そうでなくても、仙台の人々は大きかれ小さかれ罹災者です。そんな仙台のファンを前に怒鳴りつけることができるなんて、人間性でいえば菅総理と同レベルだと私は思います。
こうした、楽天とベガルタの差は、やはりこれまで両者が歩んできた道のりによるものなのかな、と感じています。方や、仙台市の運営法人からスタートし、苦しい道のりを市民と一緒に地道にここまでやってきたベガルタ。方や、ライブドアのお膳立てに割って入る形でスタートし、金にかまけて地元そっちのけでここまで突っ走ってきた楽天。戦国武将前田利家の言葉に「不遇の時こそ、本当の友が分かる」という趣旨のものがあります(私の好きな言葉の1つです)。楽天とベガルタに限らず、今回の震災を機に、地元への愛情が本物であったかうわべだけであったか、露わとなってしまった例は少なくないのではないでしょうか。
ちなみに、楽天の選手たちは頑張ってくれているのだと信じています。震災直後に、上の勧告に反してまっさきに街頭に立ったときの姿を忘れはしません。最近ミスが目立つのも、きっと気負いが過ぎるせいだろうと勝手に解釈しています。
コメントありがとうございます!
私は野球には詳しくないので、「お前は何もわかってない」と抗議をいただくのではないかと内心怯えていました(笑)。楽天ファンの方も同様に感じていらっしゃったと知って安堵しました。
それにしても、地元のチームを応援しようにもできないというのは、つらいものです。