塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

絶滅危惧種ムサシトミヨ

2015年11月06日 | 旅行
  
 埼玉県熊谷市で、同県の県魚であるムサシトミヨが大量死するという「事件」がありました。ムサシトミヨは、熊谷周辺の清らかな小川にのみ生息する小魚で、絶滅危惧種に指定されています。今回大量死したのは、ムサシトミヨの保護育成を目的とした保護センターの人工繁殖用水槽で飼育されていたもので、約7千匹の飼育個体のうち400匹強に上るということです。原因は調査中で、事件性の有無などは明らかではありません。

 なぜこの話題を取り上げたかというと、ちょうど今年の5月にこのムサシトミヨの生息地を偶然通りがかっていました。その生息地は旧中山道の脇にあり、街道歩きの途中で見つけたものでした。そこは、江戸時代以前の荒川の本流であった元荒川の源流域で、清らか且つ水量もそこそこある小川に水草が繁茂してゆらゆらと揺れていました。

 

 場所は熊谷市街と久下という地区の間あたりで、熊谷駅からでも歩いて10分ほどで着ける所にあります。そこから久下地区へ向かって、細く涼やかな清流が続いていますが、やはりというか、絶滅危惧種が泳いでいる姿を目にすることはできませんでした。

 

 それもそのはずで、ムサシトミヨの生息には水草が十分に生えていることが条件で、彼らはこの水草の陰に隠れて暮らしているのだそうです。繁殖期には、彼らは水草を使って巣をつくり、卵を産み育てるのだそうです。トミヨ(富魚)の特徴は、ウロコがないことと、卵が孵るまで世話をするのがオスの役目であるというところだそうです。

 トミヨ(属)は世界で10種類程度しかなく、種自体がかなり貴重だということです。人工環境下では、かなりまとまった数の飼育ができているようですが、最終的には当然ながら自然での繁殖が望ましいはずです。そのためには、生息できるだけの清らかな自然環境の整備が必要なわけで、今回の悲しい大量死がそうした取り組みを周知させる機会となれば、せめて不幸中の幸いといえるのではないかと思ったりしました。

 
オマケの「あついぞ!熊谷」
5月下旬はまだちょうど過ごしやすい陽気でした(笑)


  



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