見もの・読みもの日記

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名品揃いすぎ/桃山(東京国立博物館)

2020-10-25 21:10:11 | 行ったもの(美術館・見仏)

東京国立博物館 特別展『桃山-天下人の100年』(2020年10月16日~11月29日)

 政治史における安土桃山時代(1573-1603)を中心に、室町時代末期から江戸時代初期(16世紀半ば~17世紀半ば)の100年間、美術史上「桃山時代」として語られる美術の特質を約230件の優品によって紹介する。本展は新型コロナ対策として混雑を避けるため、事前予約制(日時予約券)が導入されている。入場者数が少なくなると見積もったせいか、チケット料金が異常に割高だ。一般2,400円。これではさらにお客さんがそっぽを向くのではないか。まあ私はプレミアムパスがあるので実質1,250円で入ったけど。

 確かに優品揃いではあったが、既知の作品が多いため、あまり印象に残らない展覧会だった。2010年の名古屋市美術館『変革のとき 桃山』は(当時の感想には、いまいち消化不良と書いている)今でも思い出すが、ああいう衝撃はなかった。

 見ることのできた優品としては、洛中洛外図屏風の歴博甲本と上杉家本。『聚楽第図屏風』は、それこそ『変革のとき 桃山』で見たもので懐かしかった。等伯『松林図屏風』と永徳『檜図屏風』も見ることができた。京博の式部輝忠『巌樹遊猿図屏風』(テナガザルがいっぱい)や神戸市博の『泰西王侯騎馬図屏風』を東京で見ることができるのは、お得感がある。徳川美術館の岩佐又兵衛『豊国祭礼図屏風』(10/25まで)は、やっぱりこれが見たくて今週末に出かけてきた。来週からの『洛中洛外図屏風(舟木本)』も捨てがたいところだったが。妙心寺・天球院の狩野山雪『竹林虎図襖』と『籬に草花図襖』は裏側も鑑賞できる展示になっている。風俗図は『観楓図屏風』に加え『花下遊楽図屏風』も。

 これだけ一度に見ることができて何が不満かと言われると申し訳ないのだが、名画全集をめくっているみたいで、あまり面白くないのである。あと、東博や京博の所蔵品が多いので、美術館通いをしていると、何度も見ている作品だというのもテンションがあがらない理由のひとつ。むしろ関心が動くのは、所蔵者の注記されていない初見の『日本図・世界図屏風』(個人蔵か?)や、足利義晴像紙形(去年、九博の『室町将軍』展で見た、死の直前の肖像画スケッチ)のような歴史資料だ。

 韃靼人狩猟図がミニ特集になっていたのは、ちょっと面白かった。室町から桃山にかけて好まれた画題だという。式部輝忠『韃靼人狩猟図屏風』、狩野山楽『狩猟図』、狩野山雪『韃靼人狩猟・打毬図』の3点を見比べて楽しむことができた。あと、ずっと見たいと思っていた『関ヶ原合戦図屏風』(大阪歴史博物館)が、前期は右隻だけだったのは残念だった。後期展示の左隻のほうが見どころが多そう。

 絵画のほか、茶道具、きもの、甲冑、刀剣、刀の拵えなどもたくさん出ていた。変わり冑の派手な甲冑を見ていると、桃山文化って人目を驚かすことに価値を見出すヤンキー文化だなあ、と思う。「かぶき者」に似合いの朱鞘の刀がいくつか出ていたのも興味深かった。


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