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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

京都レポート(4):拾遺編~拓本、古裂、祇園祭の懸装品

2006-07-07 23:56:11 | 行ったもの(美術館・見仏)
○大谷大学博物館 夏季企画展『仏教の歴史とアジアの文化V-石窟の仏』 

http://www.otani.ac.jp/kyo_kikan/museum/

 インドのアジャンタ石窟、中国の敦煌・雲岡・龍門・天龍山石窟の仏教美術を紹介するもの。多くは拓本だが、敦煌の莫高窟から出土した『護諸童子女神像(護符)』の模写本は、獣や鳥の頭で大きな乳房を持つ異形の女神を描いたもので、漢字の隣に、ぐちゃぐちゃした和田(ホータン)文字が書かれていた。参考として、これらの拓本や模写が大谷大学に入った当時の「大谷大学新聞」(大正13年、昭和3年)が広げてあるのも興味深いと思った。

○細見美術館 特別展『藤井永観文庫の優品-生涯を古美術蒐集に捧げた精華-』展

http://www.emuseum.or.jp/

 藤井孝昭氏(1913-1983)は、立命館大学文学部出身。高校教師のかたわら、美術に親しみ、美術工芸品の蒐集につとめた。コレクションはおよそ420点、古筆・絵画・歴史資料・染織などの分野にわたり、重要文化財5点、重要美術品2点を含む。

 気に入ったのは、まず、上柿芳龍(うえがきほうりゅう)の『羽根つき図』。羽子板を握り、力いっぱい反り返った遊女の姿態が斬新である。『石曳図』も珍しい。同氏は「染織」に興味があったらしく、書画の表具に古裂を用いたり、古裂そのものを表具して、鑑賞の対象としているのも面白く眺めた。

○京都文化博物館 『祇園祭懸装品展-風流の美』

http://www.bunpaku.or.jp/

 京都文化博物館のある三条通かいわいには久しぶりに行った。古い町並みを生かした再開発が進み、若者向けのショッピングモールもできて、いつの間にか、オシャレなスポットになっていた。京都文化博物館の別館、日本銀行京都支店の建物(辰野金吾とその弟子・長野宇平治の設計)を見学し、本館に移動する。

 祇園祭には、7、8年前に1度だけ来たことがある。とにかくすごいお祭りで、興奮して、全ての山鉾を見てまわった。そのときはよく分からなかったが、いま、あらためて、いくつかの懸装品を見てみると、浄妙山の胴懸が長谷川等伯の『柳橋図』をもとにしているとか、黒主山の前懸は、町内に保存されていた中国官服の図柄をもとにしている、という説明に、いちいちうなずけるものがある。そのほか、インド更紗あり、トルキスタンの絨毯あり、ギリシャ神話のモチーフあり、どことなく朝鮮ふうの虎図あり。とにかく謎が深くて、面白いと思う。

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