○東京藝術大学大学美術館 陳列館『張愛紅・シルクロード・亀茲(キジル)石窟壁画模写展覧会』(2010年3月16日~3月28日)
東京藝術大学と中国・新疆藝術学院の大学間交流協定を記念する展覧会。懐かしい!! 友人に誘われて、2週間を要する新疆シルクロードツアーに参加したのは、1996年のことではないかと思う。今でこそ「キジル」でネット検索をかければ、石窟の外観から非公開の壁画の数々まで、簡単に閲覧できるが、そんな情報収集も考え及ばなかった時代のこと、全く白紙の状態で現地に行ってしまって、初めて接する「西域美術」の蠱惑的な魅力に、日々呆然としていた。
東アジア的な静謐さとも、西洋的な調和とも異なる、大胆な人体デフォルメ。リズミカルで音楽的な官能性は、三角形の繰り返しで表現された「山水」や、供養人の群像によく表れていると思う。青・緑・茶を基調とする、あまりにも独特な色彩は、本来のものではなくて、褪色によってこうなったらしい(緑色→本来、赤だった?)が、見慣れてくると、脳内補完をせずとも、そのままで美しく感じられてくる。
この展覧会は、1985年から2001年まで亀茲石窟研究所において張愛紅氏が制作した模写40点を展示、ということになっているが、クムトラ石窟の山水図などの創作作品も含まれ、模写作品はもう少し少なかったように思う。キジル千仏洞に現存せず、海外の美術館に流出したものの模写も含まれる。
いずれにしても、日本人には、あまりなじみのない西域美術。この機会に、魅力の一端に触れてくれる人が多いといいなあと思う。入場無料。
東京藝術大学と中国・新疆藝術学院の大学間交流協定を記念する展覧会。懐かしい!! 友人に誘われて、2週間を要する新疆シルクロードツアーに参加したのは、1996年のことではないかと思う。今でこそ「キジル」でネット検索をかければ、石窟の外観から非公開の壁画の数々まで、簡単に閲覧できるが、そんな情報収集も考え及ばなかった時代のこと、全く白紙の状態で現地に行ってしまって、初めて接する「西域美術」の蠱惑的な魅力に、日々呆然としていた。
東アジア的な静謐さとも、西洋的な調和とも異なる、大胆な人体デフォルメ。リズミカルで音楽的な官能性は、三角形の繰り返しで表現された「山水」や、供養人の群像によく表れていると思う。青・緑・茶を基調とする、あまりにも独特な色彩は、本来のものではなくて、褪色によってこうなったらしい(緑色→本来、赤だった?)が、見慣れてくると、脳内補完をせずとも、そのままで美しく感じられてくる。
この展覧会は、1985年から2001年まで亀茲石窟研究所において張愛紅氏が制作した模写40点を展示、ということになっているが、クムトラ石窟の山水図などの創作作品も含まれ、模写作品はもう少し少なかったように思う。キジル千仏洞に現存せず、海外の美術館に流出したものの模写も含まれる。
いずれにしても、日本人には、あまりなじみのない西域美術。この機会に、魅力の一端に触れてくれる人が多いといいなあと思う。入場無料。