〇角川武蔵野ミュージアム 企画展『荒俣宏の妖怪伏魔殿2020』(2020年11月06日〜2021年03月31日)
武蔵野線の東所沢に、KADOKAWAがプロデュースした「アート・博物・本の複合文化ミュージアム」ができたという。しかも荒俣さんの妖怪資料展をやっていると聞いて行ってみた。特に個性のない(失礼)駅前の住宅街を抜けていくと、元埼玉県民には懐かしいスーパー「ヤオコー」の先に、不思議な空間が広がる。
左側の千木の乗った三角屋根は、武蔵野坐令和神社(むさしのにます うるわしき やまとのみやしろ)。天照大御神と素戔嗚命を祭るのだそうだ。
そびえたつ岩山のようなこの建物がミュージアム。
企画展のチケットをネットで購入していたので、入口でそれを見せたら階下のギャラリーに案内された。同館のアドバイザリー荒俣宏氏や小説家・京極夏彦氏のコレクション、イラスト、写真、古書、博物、民俗資料、オブジェなど、多角的に妖怪を楽しめる。荒俣さんの資料は、京都国際マンガミュージアムのときと同様、段ボール箱に収めて、折り返し部分にマジックで直筆の解説が書かれている。
博物(?)資料がなかなかの珍品揃い。これは件(くだん)のミイラ。小説家・放送作家の木原浩勝氏所蔵。
妖怪は大好きなので、日本地図にマッピングされた妖怪の名前と生態を眺めているだけでも幸せになる。東北の村を練り歩く藁人形の神様(道祖神)の映像資料も面白かった。
しかし、ミュージアムのほかの部屋、見どころと言われている「本棚劇場」とか、松岡正剛氏の監修で、むかしOAZOの丸善にあった松丸本舗を思わせる「エディットタウン」などを見るには、別のチケットが必要と分かって、ちょっと興醒めしてしまった。企画展を含め、ほぼ全部が見られる1DAYチケットは3,000円。うーん…どういう客層を狙っているのだろう。