見もの・読みもの日記

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射雕英雄伝(2008年版)視聴中+2003年版の思い出

2016-06-08 00:31:39 | 見たもの(Webサイト・TV)

『射雕英雄伝』(2008年、上海唐人電影)

 『隋唐演義』を見終わったあと、引き続き何か中華ドラマが見たくて探していたら、GYAO!ストアで『射雕英雄伝』(2008年版)の配信が始まっていた。とりあえず第1話を見ての感想は、あ~これダメかもしれない、というものだった。2003年版(李亜鵬版)が好きすぎるので、惜弱はもっと美人!とか、丘道士がチンピラすぎる!!とか、不満ばかりでイライラした。

 それでも、もう少し継続視聴してみることにし、いま第6話まで見た。郭靖は黄蓉に出会い、楊康は穆姑娘と出会ったところである。新版の胡歌(フーゴー)の郭靖は、李亜鵬に比べると線が細すぎる、と思っていたが、だいぶ慣れてきた。旧版より押しが強い感じがする袁弘(ユアンホン)の楊康はなかなかいい。今のところ、登場人物のキャラに大きな改変はないみたいなので、安心して見ている。

 全体にイケメン不足だな~と書こうとして、旧版も決してイケメン鑑賞ドラマではなかったことを思い出す。ただ、旧版は、おじさんキャラがカッコよくて、雰囲気のある渋い俳優さんが揃っていて、好きだったのだ。今後に期待。女性キャラについては、絶対に旧版のほうが美人揃いだった。中国のエンタメ界の需要が「美人」から「かわいい」に移っているのかもしれない。新版の脚本は、モノローグが多く、重要な場面では、登場人物が自分の考えを言葉(または内心の言葉)にしてくれる。第6話では、そもそもの物語の発端を、かなり時間をかけて繰り返していて、視聴者に対して親切設計だなあと思った。個人的には、ちょっとそこがタルい。

 実は、今日の記事を書き始めたのは、2003年版の『射雕英雄伝』の思い出を書き留めておこうと思ったためである。私は当時、スカパーを契約して、日本向けのCCTV(中国中央電視台)の衛星放送を見始めたばかりだった。最初は『康熙微服私訪記』などの(日本でいえば「水戸黄門」みたいな)娯楽時代劇を楽しむようになり、あるとき、何も知らずに『射雕英雄伝』に出会ってしまったのである。確か途中から見始めて、なんだ?これは?!と愕然とした。人が空を飛んだり、掌に気を集めて敵を吹き飛ばしたり、金庸も武侠ドラマも知らなかったから、かなりのカルチャーショックだった。しかし面白いので夢中になり、毎晩見逃さないよう、録画しながら視聴し、あとでVCD(DVDではない)を買って、全編を見直した。(※2004年には再放送も見ていた

 いま新版を見ながら「傻子(shaz)」「笨(ben)」(馬鹿、愚鈍)という中国語を覚えたのは、このドラマだったと懐かしく思い出している。主人公の男子を、ここまで愚鈍に設定して、でも魅力的に描いた作品はなかなかないだろうなあと思う。オープニングとエンディングは、やはり2003年版が忘れ難く、実は新版を見始めてから、何度も旧版の曲を聞いている。備忘録として、ここにYoutubeのリンクを貼っておこう。

03版 射雕英雄傳 片頭曲 - 天地都在我心中(https://www.youtube.com/watch?v=VUFl_MeTz1Q
03版 射雕英雄傳 片尾曲 - 真情真美(https://www.youtube.com/watch?v=lQsFB89Nkjk

※参考:中文版Wikipedia:射雕英雄傳
これまでに制作された電視劇(テレビドラマ)の配役一覧表があって便利。重なる俳優さんはいないのか、探してみたら、2003年版で哲別(ジェベ、モンゴルの弓の名手)を演じた俳優さんが2008年版でテムジンを演じている。

 なお、2008年版を「新版」と読んできたが、2016年3月開機(クランクイン)の最新作は2017年公開らしい。こんなふうに同じキャラクター、同じストーリーのドラマが何度もリメイクされるというのは、伝統芸能みたいでもある。

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