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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2014年11月@西日本:竹林寺(高知)ご開帳

2014-11-25 22:37:15 | 行ったもの(美術館・見仏)
○四国霊場第三十一番札所 五台山竹林寺(高知県高知市)

 見て来た順序が前後するが、昨日(11/24)行ってきた竹林寺の「平成のご開帳」の報告をまず。竹林寺は神亀年間、行基菩薩の開創と伝えるが、実際の創建年代は不詳。本尊は50年に一度のご開帳と定められた秘仏・文殊菩薩像で、文殊の聖地・五台山を山号とする。今年はその「50年に一度」にあたり、春期(4/25~5/25)と秋期(10/25~11/25)のご開帳が行われた。

 先週、竹林寺を拝観した友人から、朝早い時間に行くことを勧められていたので、高知駅前を朝8:00に出る周遊観光バス「MY遊バス」の始発に乗車。8:30頃、竹林寺に到着した。石段の上の三門には「五台山」の額。



 本堂(文殊堂)の手前左寄りに拝観券売り場ができている。拝観券を購入すると、後ろのテントの中に50~60人分のパイプ椅子が並べられていて、ここでお坊さんの解説を聞いたのち、本堂に進めるシステムになっている。拝観は8:30からと聞いていたが、マイカーなどで訪れた人たちで既に満席。しばらく待って、第一陣が堂内に去ってから、着席した。



 私よりだいぶ若いと思われるお坊さんのお話では、前回のご開帳は1964年、東京オリンピックの年。ご自身も本尊の文殊菩薩を拝観するのは、今年が初めてだという。竹林寺の文殊菩薩には、2体の獅子像が付属している。春期のご開帳でお乗りになっていたのは、巻き毛もりりしい、獅子らしい獅子(※画像)。三百年ほど前の江戸時代に作られたもので、前回(1964年)のご開帳も、この獅子に騎乗した姿で行われた。

 同寺には、もう1体、ご本尊造顕当時の古い獅子像も伝わっており、秋期のご開帳では、なんと三百年ぶりに、当初の獅子にご本尊が騎乗されている(※画像)。この獅子が、あまりにも脱力的で無邪気で「わんこ」っぽくて、かわいい。「獅子に…見えないですよね」と言いながら、お坊さんもうれしそう。

 靴を脱いで堂内に入ると、一列になって、お厨子の前に進む。内陣の左側には、三百年ぶりにご本尊を下ろした巻き毛の獅子が、くつろいだ表情で休んでいた。さて、いくぶん手狭なお厨子の中には、細い四本脚をぴんとつっぱり、大きく口を開けて、満面の笑みの「わんこ」(にしか見えない)。背中の文殊菩薩は、右手に剣、左手には蓮華、その上に巻物が載っている。文武両道をあらわすのだろうが、尊大さが微塵もなくて、優しいお姿だ。まわりを取り囲む四人の従者は、唐時代の文官俑を思わせる簡素な服装。これも珍しい。誰も急かさないので、ついゆっくり見てしまったが、後に並んでいる人たちのことを思い出し、慌てて、先に進む。内陣の右側で、さきほどのお坊さんから「宝印加持」をいただいたあと、しばらくお厨子の正面に座って、お姿を拝見させていただいた。あまり「見仏」にこだわるタイプのお客さんはいなくて、みなさん結縁を済ますと、満足そうにお堂の外へ捌けていく。



 本堂を出たところに、4人の従者を描いた「ご参拝ありがとうございました」の立て看板があり、善財童子が無邪気に「また会おうね!」と言ってくれるのは嬉しいが、50年後のご開帳に立ち会うのはムリだろうなあ、と苦笑してしまった。しかし、このあと、宝物館を参観したら、4人の従者と獅子の台座が残っているではないか。案内の方にお聞きしたら、4人の従者と古いほうの獅子像は、ふだんこの宝物館に展示されており、お願いすれば開けてもらえるのだそうだ。それなら、ご本尊はムリでも、彼らとは「また会う」ことができるかもしれない。

 最後に客殿で、庭園と襖絵を鑑賞。堂本印象の抽象的な襖絵「太平洋」「瀬戸内海」「風神」「雷神」はかなり面白かった。庭園は中国の廬山と鄱陽湖(はようこ)を模していたのか。よく分からなかったけど。最後に、石段を下りて来た正面のお茶屋さんで、恥ずかしそうに扉の影に半分隠れていたわんこ。騎乗するご主人を待っているかのように。



※みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライブ!@竹林寺(11月11日)
http://www.youtube.com/watch?v=goJWA8oN1fo
https://www.youtube.com/watch?v=2dGsjdTwrMQ
参拝のとき、お見かけした竹林寺の方々が映っていて、懐かしい。
まだ第2部の途中までのようですが、早く続きが見たい。
コメント
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