見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

上野→練馬へ/世紀の日本画(東京都美術館)+野口哲哉展(練馬区立美術館)

2014-03-07 23:25:33 | 行ったもの(美術館・見仏)
東京都美術館 日本美術院再興100年 特別展『世紀の日本画』(2014年1月25日~4月1日)

 平成26年(2014)が日本美術院の再興から100年にあたることを記念し、前史としての東京美術学校設立から現在に至るおよそ130年の活動を振り返る。正月に横浜で見た『下村観山展』も、東京美術学校→日本美術院設立→再興の歴史を扱っていたので、記憶に新しかった。

 3月に見に来ようと思っていたのだが、前期(1/25~2/25)と後期(3/1~4/1)で全ての作品が入れ替わると知って、慌てて計画変更。東博や近美で何度も見ているなじみの作品、教科書等で知っている作品もあれば、地方の美術館の所蔵品で、初めて見る作品もあった。たとえば羽石光志の『飛鳥の太子』は後者で、栃木県立美術館から。小林古径の画巻『竹取物語』は京都近美にあるのか。蓮を掲げ、袖をなびかせて、かぐや姫に付き従う、空飛ぶ天女たちが愛らしかった。彫刻では、平櫛田中の『酔吟行』が絶妙。呉市立美術館から。

 後期にも見たい作品があるので、3月にもまた来る。

練馬区立美術館 『野口哲哉展展-野口哲哉の武者分類図鑑-』(2014年2月16日~4月6日)

 もうひとつ、どうしても見ておきたい美術展があって、西武池袋線の中村橋に移動。サイトの紹介によると「野口哲哉は、樹脂やプラスチックなど、現代的な素材を駆使して古びた姿の鎧武者を造形し、それらの織りなす嘘とも現実ともつかない魅力的な世界観を構築する美術家」である。品のない言葉でいえば「でっちあげ」の世界なのだが、「でっちあげ」だというメッセージを、分かりやすく発信している作品もあれば、しゃあしゃあと頬かむりした趣きの作品もある。おまけにその「原点」というべき戦国の世界には、ウソのような装飾過多の甲冑がまかりとおっていたりするので、ややこしい。本展には、野口哲哉の「でっちあげ」作品と、本物の甲冑や合戦図屏風が渾然一体と並んでいて、混乱した感覚を楽しめ、愉快である。
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