見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2013年3月の展覧会@東京

2013-03-31 01:08:41 | 行ったもの(美術館・見仏)
諸事情あって、新年度から北海道で仕事をすることになった。3月中にあわただしく東京で見た展覧会を覚え書き程度に。

東京都写真美術館 『夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 北海道・東北編』(2013年3月5日~5月6日)

 2007年の「関東編」に始まったこのシリーズも、これで最後だろうか。古写真は、なんといっても人物写真が多いのだが、意外と風景や建物写真が多くて面白かった。明治期天災記録写真のコーナーには、言葉が出なくなるような凄まじい光景の写真もあった。入館者(先着)に、洋装の土方歳三の肖像写真をポストカードでプレゼントというのは、ちょっと反則。

山種美術館 特別展『琳派から日本画へ-和歌のこころ・絵のこころ-』(2013年2月9日~3月31日)

 平安の和歌色紙、琳派の絵画、近代の日本画と、いろいろなものが一気に楽しめる展覧会。平安和歌は、料紙の美しさに注目を促しているのだが、個人的には「書」に見とれてしまう。石山切(貫之集)の定信の筆跡が見られて嬉しかった。近代の作品は、伊勢物語など和歌を主題にした作品、および歌人の肖像を描いた作品が選ばれている。日本文化の背骨みたいな伝統が感じられて、面白かった。

東京国立博物館・総合文化展(常設展示)

 本館・11室(彫刻)は、法隆寺献納宝物唯一の木彫像(飛鳥時代)など、いつもより古い仏像が多いように感じた。奈良時代の伎楽面「酔胡従」は、三井高大氏寄贈というのに驚いた(三井記念美術館ではおなじみの名前)。そして「文殊菩薩騎獅像および侍者立像」は何度見てもいいなあ。私も4月から海を越えるので、心の中でよく拝んできた。13室(金工)の「鏡像と懸仏」も面白かった。和歌山の那智山出土品と奈良の吉野山出土品が主。「懸仏」と言っているけど、神仏の境界が定かでない。

 東洋館・8室(中国の絵画)では、『呂紀「四季花鳥図」と花鳥画の精華』(2013年2月26日~4月7日)を開催中。いつも『中国書画精華』の宋元絵画ばかり狙ってきていたが、明清の花鳥画もなかなかいいではないか。でも、江戸の花鳥図(応挙とか若冲とか)に比べると、おおらかというか、意外と造形が雑だなあ、とも感じた。

 ところで、私は東博ポスタープレゼントで、井浦新さんの「博物館に初もうで」「東洋館リニューアルオープン」の2枚のポスターを当ててしまった! 1枚でも当たるといいなあと思って、自分の名前と母の名前で葉書を出したら、まさかの2枚当選。しかもポスターの種類は選べなかったのに、ちゃんと2種類をGET。おそろしい幸運。大事にします。(日に焼けないよう)押入れの内側に張ってある慈尊院の秘仏・弥勒仏坐像のポスターと同じくらいに。
コメント (1)
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