○東京国立博物館 日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展『北京故宮博物院200選』(2012年1月2日~2012年2月19日)
これは備忘のために書いておくだけの記。「朝イチ」をねらうつもりで(早起きできず)10:30頃に来たら、もう『清明上河図』は230分待ちと言われた。入館待ちの間に「今日も9:40に開館いたしましたが、その時点で120分待ちでした」みたいな説明をしてくれた。いったい、どうなっているんだか。
その他の展示を見終えて、たぶん会場を出たのが13:00過ぎ。午前中は1階まで伸びていた特別公開『清明上河図』の待ち列は、少し短くなって、2階ロビーが最後尾になった。待ち時間は約120分だという。ふだんなら、馬鹿馬鹿しくて絶対あきらめるところだが、朝の230分に比べれば、まだ許容できるような気がして、しばらく迷った末に、列に並ぶことにした。
時計を見ていなかったので、正確には分からないが、係員の表示は最大所要時間で、実際には、もう少し短い待ち時間で済んだのではないかと思う。展示ケースの前に到達すると「立ち止まらずにお進みください」の声に促され、2~3分で観覧は終了してしまう。うーむ。まあ「ホンモノを見た」という自己満足は残るけど…。
感想としては、意外と小さい作品だった。縦幅24.8cm。調べたら『伴大納言絵巻』が31.5cm、『春日権現験記絵』が40.0~41.5cmだから、ひとまわり小さいという印象は間違っていないと思う。そこに800人近い人びとがごちゃごちゃと群れ集っているのだから、当然、細密描写になる。
『清明上河図』というと、虹橋(太鼓橋)もしくは楼門をくぐった街中の繁華な光景が、まず思い浮かぶのだが、前半は、のどかな農村風景で、これが意外と長い。藁ぶきや土壁の家が、木々の間にぽつぽつと見え隠れし、人の姿の多さが、街の近いことを感じさせる。このへんは、現代の中国を旅していて出会う光景と、あまり変わらない気がする。
突然、現れる運河の泊と大きな船。この船の描写に感嘆する。正直なところ、都市の街並みや大勢の人びとを描いたというだけなら、日本の絵巻や洛中洛外図に、同様に面白い作品はいくらでもあると思うのだ。しかし、こんなふうに巨大で、しかも精密に描かれた船は、日本の古い絵画にはないと思う(構造的に正しく描かれているのかどうかは、船舶工学の専門家に聞いてみたい)。あと、楼門とか商家の造りも精緻で、画家は、人間よりも、こういう構造物を描くことが好きなタイプではないかと思った。たとえていうと、ジブリのアニメみたいな。
人体表現には、わりと無頓着で、みんな角ばっていて(怒り肩でガタイがいい)動きが少ない。圧倒的に男性が多いが、髭面は少ない。…というのは、いま、図録を眺めながら感じていることで、現場では、ほとんど何も考える暇がなかった。原品を見て思ったのは、要所要所に意外と色彩が使われていること。それから、楼門を過ぎたあたりから、店の看板などに、ずいぶん文字が見えること。気になったのは、楼門の手前、驢馬に引かれて進む荷車が、風呂敷のような布で荷を覆っているが、この風呂敷一面に草書らしき文字が書かれていること。何が書いてあるのか、読み解けないのかな。
こういう作品こそ、有料でもいいから高精細のデジタル版をiPadやパソコン上で、心ゆくまで見せてくれないだろうか。時間を忘れるくらい楽しいだろうと思う。当面は特設サイト「北京故宮博物院200選」で遊ぶのみ。
最後にお土産は『皇帝ポストカードセット』(10枚、800円)を買ってみた。乾隆帝6枚+雍正帝4枚。皇帝としての人気(認知度)の反映かな。
これは備忘のために書いておくだけの記。「朝イチ」をねらうつもりで(早起きできず)10:30頃に来たら、もう『清明上河図』は230分待ちと言われた。入館待ちの間に「今日も9:40に開館いたしましたが、その時点で120分待ちでした」みたいな説明をしてくれた。いったい、どうなっているんだか。
その他の展示を見終えて、たぶん会場を出たのが13:00過ぎ。午前中は1階まで伸びていた特別公開『清明上河図』の待ち列は、少し短くなって、2階ロビーが最後尾になった。待ち時間は約120分だという。ふだんなら、馬鹿馬鹿しくて絶対あきらめるところだが、朝の230分に比べれば、まだ許容できるような気がして、しばらく迷った末に、列に並ぶことにした。
時計を見ていなかったので、正確には分からないが、係員の表示は最大所要時間で、実際には、もう少し短い待ち時間で済んだのではないかと思う。展示ケースの前に到達すると「立ち止まらずにお進みください」の声に促され、2~3分で観覧は終了してしまう。うーむ。まあ「ホンモノを見た」という自己満足は残るけど…。
感想としては、意外と小さい作品だった。縦幅24.8cm。調べたら『伴大納言絵巻』が31.5cm、『春日権現験記絵』が40.0~41.5cmだから、ひとまわり小さいという印象は間違っていないと思う。そこに800人近い人びとがごちゃごちゃと群れ集っているのだから、当然、細密描写になる。
『清明上河図』というと、虹橋(太鼓橋)もしくは楼門をくぐった街中の繁華な光景が、まず思い浮かぶのだが、前半は、のどかな農村風景で、これが意外と長い。藁ぶきや土壁の家が、木々の間にぽつぽつと見え隠れし、人の姿の多さが、街の近いことを感じさせる。このへんは、現代の中国を旅していて出会う光景と、あまり変わらない気がする。
突然、現れる運河の泊と大きな船。この船の描写に感嘆する。正直なところ、都市の街並みや大勢の人びとを描いたというだけなら、日本の絵巻や洛中洛外図に、同様に面白い作品はいくらでもあると思うのだ。しかし、こんなふうに巨大で、しかも精密に描かれた船は、日本の古い絵画にはないと思う(構造的に正しく描かれているのかどうかは、船舶工学の専門家に聞いてみたい)。あと、楼門とか商家の造りも精緻で、画家は、人間よりも、こういう構造物を描くことが好きなタイプではないかと思った。たとえていうと、ジブリのアニメみたいな。
人体表現には、わりと無頓着で、みんな角ばっていて(怒り肩でガタイがいい)動きが少ない。圧倒的に男性が多いが、髭面は少ない。…というのは、いま、図録を眺めながら感じていることで、現場では、ほとんど何も考える暇がなかった。原品を見て思ったのは、要所要所に意外と色彩が使われていること。それから、楼門を過ぎたあたりから、店の看板などに、ずいぶん文字が見えること。気になったのは、楼門の手前、驢馬に引かれて進む荷車が、風呂敷のような布で荷を覆っているが、この風呂敷一面に草書らしき文字が書かれていること。何が書いてあるのか、読み解けないのかな。
こういう作品こそ、有料でもいいから高精細のデジタル版をiPadやパソコン上で、心ゆくまで見せてくれないだろうか。時間を忘れるくらい楽しいだろうと思う。当面は特設サイト「北京故宮博物院200選」で遊ぶのみ。
最後にお土産は『皇帝ポストカードセット』(10枚、800円)を買ってみた。乾隆帝6枚+雍正帝4枚。皇帝としての人気(認知度)の反映かな。