見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

白洲正子のように/近江観音の道(淡海文化を育てる会)

2011-05-18 22:57:45 | 読んだもの(書籍)
○淡海文化を育てる会編『近江観音の道:湖南観音の道・湖北観音の道』(近江歴史回廊) サンライズ出版 (発売) 1999.12

 『近江の祈りと美』に続き、サンライズ出版さんの本を取り上げるのは2冊目である。これは、世田谷美術館の『白洲正子』展に行ったとき、ミュージアムショップで買ったもの。どこから読んでもいいガイドブックなので、眠くなるまで布団の中で眺めたり、トイレに持ち込んだり(笑)している。

 大きくは二部構成で、「湖南観音の道」と「湖北観音の道」を紹介する。私はどちらも好きだが、どちらも十分には回り尽くしていない。「湖南」で行ったことのあるお寺は、岩間寺・石山寺・園城寺・常楽寺・長寿寺・善水寺・櫟野寺。「湖北」は、宝厳寺・向源寺・赤後寺・石道寺・鶏足寺など。他県の人間としては、回っているほうだと思うが、まだまだ。本書を読みながら、未踏の観音霊場に想像を広げている。

 一般の観光ガイドに載らないようなお寺も、最近はネットで、いろいろ情報収集ができるようになった。しかし、あまりにも完璧に情報を得て訪ねるのはつまらない。行ってみて初めて、え、こんなところだったのか!という驚きを味わいたい。しかし、何も手がかりがないのでは、そもそも「行ってみたい」という気も起らない。というわけで、こういうガイドブックは、やっぱりありがたいと思う。奥付を見ると、滋賀県内の博物館や市史編纂室におつとめの方々が著者に名前を連ねている。当然、歴史文化財についての情報は正確で詳しいが、専門的になり過ぎず、文章は平易で読みやすかった。

 本書を眺めながら「行ってみたい」気持ちが刺激されたのは、まず、安養寺(立木観音)。関東人には縁が薄くて、よく知らなかったが、今も生きた信仰を集めるお寺のようだ。芦浦観音寺は、これまで興味のなかったお寺だが、本書を読んでいて行きたくなった。しかし、検索してみたら「本寺の拝観は予約制にさせていただいております」と書かれたホームページに当たって、ガッカリ。聖衆来迎寺は8月16日の六道絵虫干しをねらって行きたい。私は古建築も好きなので、寺庄(甲南町)の六角堂も見てみたい。

 湖北の浄信寺(木之本地蔵院)の地蔵縁日の写真にも惹かれた。近江といえば観音の里、と反射的に思い浮かぶが、地蔵信仰も盛んだったように思う。いつか白洲正子のように、近江の古寺社を隅々まで訪ね歩くのが私の願い。とか言いつつ、5月の連休関西旅行も、滋賀はMIHOミュージアムしか行かれなかった…。

※上記画像は、サンライズ出版のサイトから借りてます。
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