goo blog サービス終了のお知らせ 

見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

大人の童話/LOVERS

2004-09-12 18:16:53 | 見たもの(Webサイト・TV)
○映画「LOVERS」

http://movie.goo.ne.jp/special/lovers/index.html

 久しぶりに映画を見た。

 張芸謀の日本公開作品は、このところ「初恋のきた道」「あの子を探して」「活きる」「至福のとき」と見てきたのだけど、昨年の「HERO」は、話題性が大きかったので、かえって見逃してしまった。

 ちなみに上記に並べた作品は、涙腺の弱い私の場合、必ず1箇所くらい、うるっとさせられた記憶がある。しかし、この「LOVERS」は泣かなかった。私がたまに映画を見にいくときは、泣くことのカタルシスを期待している面もあるので、最後まで泣けなかったこの映画には、ちょっと不満である。

 映像は噂にたがわず、きれいだった。物語のほとんどは森や草原を舞台に展開するのだが、自然の美しさをうまく使っている。ただし、竹林の場面を除いては、あまり中国っぽくない。むき出しの黄土の荒々しさがなくて、カナダとか北欧のようだ(あ、でも古代の中原は森林地帯だったらしいから、あれでいいのかあ)。

 あと服飾も。ちょっとキレイすぎる感じもする。まあ、舞台が唐代となると、そうそう正確な時代考証はできないから、イマジネーションで補わざるを得ない。自分の国(民族)の歴史に自信を持ちなおしている(らしい)最近の中国人が作れば、限りなく華麗に、豪華になるのは当然だろう。

 しかも登場人物はほとんど主役の3人のみ(だから、ずっと美男と美女だけを見続けることができる)。また、3人とも名前らしい名前がない。ストーリーは、二転三転するように見せて、実は極めてシンプルである。要するに、男2人が女1人をめぐって対立する古典的な(むしろ神話的な)三角関係の物語に尽きる。

 まあ、何もかも美しい大画面に繰り広げられる大人の童話を楽しめばいいというところか。

 でも、実際、金城武は大画面映えする顔立ちだし。恋の敗者となるアンディ・ラウは、カッコよさの中に、ちょっと中年の悲哀が感じられて一段とよかった。チャン・ツィーは、東洋美人としては背がデカすぎないか。顔立ちも田舎くさくて、あまり美人だとは思わないんだが、そのリアリティがチャン・イーモーの好みなのだろうか。

 開演待ちのとき、後ろの女性(中国系らしかった)が連れの日本人の男の子に、「チャン・ツィーってコン・リーにそっくりなのよね。写真を並べると、チャン・イーモーの好きなタイプがよく分かるの。あと、チャン・ツィーよりさらに若い、最近のお気に入りの子がいて、それもそっくり」と説明していた。なるほど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする