世の中、実にご親切な方がいるものである。5日前(6月5日)に見知らぬ方から次のようなメールが届いた。匿名なのでお許しを得ぬままだが紹介させていただこう。
タイトルは「6月2日のblogの記事について」
「初めまして、自作スピーカーでオーディオを楽しんでいる〇〇というものです。いつもblogを楽しみに見ています。今回はオーディオの話ではなくヤフオクにについてです。もう他の方から指摘が有ったかもしれませんがこれは典型的な詐欺で、ヤフオクの次点詐欺と呼ばれているものです。
試しに“何度かお話した所、悪意があったとは思えませんでしたから表面上は処理することに致しました。最終の入札額でお譲りできればと思っております。”の文面でgoogleで検索してみてください。
全く同じ文面がいっぱい出てきます。これはほぼ間違いなく出品者からではなく出品者を装った別人によるメールで2のケースと思われます。代引きを指定すれば被害は避けられると思いますがお気をつけください。
突然のメール失礼致しました。」
以上のとおりだが、事情に疎い方もいるかもしれないので改めて経緯を紹介しておこう。
去る6月2日付のブログ「意外な展開で終わったオークションの顛末」は、かいつまむと次のような内容だった。
稀少なSPユニット「AXIOM80」(1952年物)の中古が4本、オークションに出品されていたが、15万円で入札に参加したものの、あっさり弾かれてしまった。すると落札日の翌日になって、メールが届き「落札者が辞退したため、あなたの落札額(15万円)でお譲りします。」とのこと。
参考までにそのメールと関係部分を再掲すると、
「はじめまして、 グットマン スピーカー AXIOM80 を出品致しました〇〇〇と申します。
実は先ほど落札者様より連絡をいただいたのですが、ご本人様のご都合により、急きょキャンセルさせて欲しいとの事でした。何度かお話した所、悪意があったとは思えませんでしたから表面上は処理することに致しました。最終の入札額でお譲りできればと思っております。
無理な相談とは思いますが、もし宜しければ前向きにご検討お願いします。また失礼ながら他の入札者のかたにも連絡させて頂いておりますので今回は連絡が先にとれた方にお譲りしたいと思っております。連絡お待ちしております。」
そこで、喜び勇んで当方の住所氏名を報告したところ、それからウンともスンとも言ってこなくなった。
ヤレ、ヤレ、どうやら出品者の心変わりがあった模様だが考えられる理由は二つ。
1 色よい返事をしたものの、〇〇万円以上の価格で引き取り手が新たに現れたので、利益優先で鞍替えした。
2 落札後にときどきこういうメールが来ることがあって詐欺のケースがよくあるという。そこで警戒してこちらから「代引きで送付してください」と注文を付けたわけだが、そこで騙すのをあきらめた。
どうも1の理由が可能性が大きいように思うが、元々出品者は中古専門の洋服屋さんでオーディオ屋さんではなかったので、「AXIOM80」の相場がサッパリ分からなかったに違いない。こちらが変に値切ったばかりに何だか可哀想なことをしてしまった。
届いたメールに知らん顔をするのはさぞや心苦しかったことだろう。「罪を憎んで人を憎まず」(笑)。
以上のとおりだったが、結局、真相は2だったというわけ。
「振り込め詐欺」に引っかかるお年寄りなどのニュースをよくきくが「この人、バッカじゃなかろか」と、いつも思っていたものの、まさか自分に降りかかってくるとは夢想だにしなかった。
どうやら「代引き」送付の指定が利いたようで事なきを得たが、実はメールの内容を半分以上信じていたので危うく騙されるところだった。オークションをよく利用される方は、以上のようなケースがあるので、どうか同じような文面にご用心くださいね。
それにしても、どうして入札参加者の“メルアド”が第三者に分かったのだろう?パソコンのプロなら造作もないことなのだろうか。
もしかして、出品者が知り合いに入札者の“メルアド”を教えることだって無きにしも非ずだが、あらぬ詮索は無益なのでよしておこう。
いずれにしても、ご親切なメールを頂いた〇〇さんには真相が分かったので紙面(?)を借りて深く感謝です。自作スピーカーで楽しまれている方なので凄く話が合いそうですね~。要らん世話ですが、肝心の吸音材はミクロの穴が沢山空いている羽毛が一番ですよ(笑)。