「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

変身したJBLシステム

2014年06月27日 | オーディオ談義

去る6月19日(木)に福岡で「ウェスタン・サウンド」の 衝撃的な出会いをしてから1週間が経過した。

相手のいい面を取りれようとすぐに実行に移すのが自分のスタイルなので、この間に「アベノミクスの三本の矢」ならぬ、三つの対策を講じてみた。もちろん、「AXIOM80」システムについてはまったく介入の余地がないので、専らの対象はJBL3ウェイ・マルチ・システムである。

巷間、「出来の悪い子供ほど可愛い」と言われているが、オーディオにおいても同様で不完全なシステムほど手がかって愛着もひとしおだが、「ああでもない、こうでもない」と研究用としても大いに“いじり甲斐”があり、いつも試行錯誤の連続が続いているので「またか!」と言われそうだがブログのネタとしても貴重な存在になっているので悪しからず。

今回も正直言って目論みどおりにいくかどうかはやってみなければ分からず、それどころか逆に悪くなるケースだって考えられるが、
こればかりは「宝くじ」と同じでチャレンジしないと絶対に当たらないのとよく似ている(笑)。

以下、ややマニアックな話になるがそれぞれの対策を解説してみよう。

☆ ムンドルフのコイルを購入


福岡での試聴から帰ってすぐにネットでムンドルフ(ドイツ)のコイル(6.8mh)を〇〇無線に注文してこのほど到着した。周知のとおりコイルの役割について端的に言えば、周波数の帯域をハイカットすることにある。

たとえばウーファーの受け持ち範囲の周波数を20~300ヘルツとした場合、300ヘルツあたりでカット(6db/oct)するときに「クロスオーバーネットワーク早見表」によって、適正な数値を持ったコイルを選択して使う。その時の単位を「mh」(ミリヘンリー)という。

          

さて、これまで
焦点の定まらないモヤっとした印象を受けるのがこのJBLシステムの難点だったが、低音域のハイカットを現行の400ヘルツ付近から、この6.8mh(ミリヘンリー)のコイルを加えて一気に100ヘルツ付近まで落とし、もっと全体の姿をスッキリさせようという魂胆である。

この周波数帯域は積年の課題ともいうべきところで散々やり尽くしてきたものの、今回は思い切った粗削りのチャレンジとなる。

SPコードにはすでにウェスタン製の鉄心入りコイル(1.2+2.7)を挿入しているので、この6.8mhを加えると計算上では丁度100ヘルツほどの数値になる。

ちょっと低域方向へ落とし過ぎかもしれないが、使っているエンクロージャーが「ウェストミンスター」なので、あの独特のフロント・ホーンの形状を考えると、余分な響きが中高音域方向へ乗りやすいのであえて冒険してみたくなったのが本音。

作業は実に簡単なものでハンダ付けでコイルをSPコードに接着すればいいだけなので、ものの20分程度で終了。

☆ 中音域ユニット「375」用アンプの交替

これまで使っていたアンプは「刻印付き2A3」アンプで、中低音域辺りのグラマラスな響きに満足感を覚えていたが、透明感重視の方向で改善を図ることとし、新しい「ナス管」アンプを起用することにした。

このアンプはつい最近のブログでも記したとおり実際に375に接続して試聴したところだが、今回の低音域の新たなハイカットへの試みに伴い、状況が変化したので再度の起用となったもの。このアンプの透明感はなかなか捨てがたいところがあって、あのウェスタン・サウンドに似ているような気がする(笑)。

           

☆ 低域用アンプの交替


これまで低域用ユニット「D130」に使っていたアンプは「PX25シングル真空管アンプ」で、出力は6ワット前後と“並み”だが、このユニットは102dbと極めて高能率なのでよもやパワー不足ということはないはずと思っていたが、そういえば、先日のウェスタン・システムに使用されていたアンプはたかだか2ワット前後の真空管アンプ(ウェスタン205D真空管のプッシュプル)だったのを思い出した。

もちろんSPユニットの能率次第だが、たったあのくらいの出力であんなに凄い低音が出るのだから我が家の場合も、もしかして「オーバーパワー」かもしれないと思い立ち、これまで375ユニットに使っていた「チビちゃんアンプ」こと「刻印付き2A3」アンプ(出力3ワット前後)を思い切って使ってみることにした。

          
          

以上、三つの対策を施していよいよ注目の音出し。

すると、あれだけ違和感があった低音域がスッキリ爽やかとなったのには驚いた。全体的なバランスも非常によろしい。心配していた低音域の響きも重量感があってこれなら十分。

どうもこれまでの曖昧模糊とした低音域の一番の原因は(低域用アンプ)の「オーバーパワー」だったような気がするが、結局これで我が家のJBLシステムは低出力真空管アンプ3台のオンパレードとなってしまった。

改めて再掲すると、低音域用のユニット「D130」には出力3ワット前後の「刻印付き2A3」アンプ、中音域用のユニット「375」には出力1ワット前後の「ナス管アンプ」、高音域用ユニット「075」には出力0.5ワット前後の「71Aアンプ」というわけで、昔の高能率SPユニットを使うと自ずからこういう結果になる。

とかく出力不足に目が行きがちなパワーアンプだが、逆に過大な出力にもご用心という結果になってしまった。 

折しも、昨日(26日)の午後、オーディ仲間のMさん(大分市)がお見えになったので、さっそく試聴していただいてご意見を拝聴したところ、これまでとは打って変わって「JBLシステム」を絶賛された。

見違えるほどの変わり様だそうで、「オーディオを忘れて長時間音楽に浸れる音ですね。低音域の重量感も申し分ありません」。いつも歯に衣を着せないありのままの辛口が持ち味のMさんだからこれで勇気百倍!

また、上記の三つの対策もさることながら、低音域用のプリアンプ「テドラ」(GAS)の性能にも注目され、ご自宅にも同じGASのプリアンプを所有されているので、「マークレヴィンソンのプリアンプと入れ替えてオートグラフを鳴らしてみたくなりました」とのことだった。

このプリアンプはほんとうに偶然手に入れたのだが、今ではまったく我が家の救世主的な存在になっている。出力が2系統あるので「AXIOM80」にもつないでいるが、トーン・コントロールが付属しているので、弱点となっている薄味の中低音域の改善に非常に役立っている。
   

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