「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

独り言~NHK・FM放送の受信~

2012年05月05日 | 独り言

2日がかりで降った雨がようやく上がり、3日(木)はカラッと晴れて絶好の掃除日和。

「来週、
お客さんがお見えになるんでしょう。そろそろ(オーディオ・ルームを)片付けた方がいいんじゃない」と、カミさん。

「そのくらい、言われんでも分かっとるわい」と、内心つぶやきながら敵に回すと怖い相手なので口では「そうだね~」。

とにかく、片付けるといっても部屋に置いてある機器類の行く先(置き場所)を見つけるのが先決。必然的にそれほど大きくもない倉庫の空きスペースを何とかして確保しなければならない。この際、これからもう使いそうにない機器類を廃品回収に出すことにした。

まず、やり玉に挙がったのが、次の3機種。

                           

一番上がCS音声デジタル放送専用のPCMチューナーの「APMー101」(オーセンティック)。真中が同じくNECのPCMチューナー、一番下がパナソニックのDATデッキ。

もう10年以上も前になるだろうか、いずれも当時はアナログからデジタル化への加速の中で高音質が謳われており、すぐに飛びついて購入したものだが、現在ではいずれも旧石器時代の遺物みたいになってしまった。

念のため、「CSーPCM放送」をググってみると2011年7月31日をもって放送が中止されたとある。

「な~んだ。もう無用の長物かあ」と潔く諦めがついたが、当時はこのデジタル・チューナーも結構な値段がしていて、NECのチューナーは出たばっかりの品物を購入したのでたしか20万円近くした覚えがある。

音質が不満だったので、「オーセンティック」を追加して購入したのだが、結局2台とも今ではまったく使い物にならなくなった。

一つの教訓だと思って聞いてほしいが、民間事業者だけで企画したシステムはこういうように採算が合わなくなるとあっさり撤退するのでうかつに乗れず、やはりNHKあたりが噛んでないと永続性は当てにならない。ずっと昔の4チャンネル騒動もそうだったが、「日進月歩のテクノロジーと時代の流れのせい」と言われればそれまでだが、あまりにも消費者不在の無責任というものではなかろうか。

さて、倉庫の片隅で「FMチューナー」(ケンウッド:KTー7020)を見つけた。もうFM放送を卒業(?)してから何年ぐらいになるんだろう。FMなら、たしかまだ廃止になっていないはず。

よし、久しぶりに「DAコンバーター」を通さない、つまりデジタル変換をしていないアナログ音を聴いてみようかと思い立った。こうなると片付けは一時中断~。まだ、日にちの余裕はある!

FMアンテナはずっと昔に早々と処分してしまったが、たしか細い銅線をビニールでカバーしているT字型の簡易アンテナで十分受信できた記憶がある。そこで今後使いそうにない銅製のコイル(ソロ社)を、引っ張り出して、適当にバラシテ自作してみた。床に置いて写真撮影。

                               


これを75オームのアンテナコードに半田付けで接続してみると、受信レベル(下の写真:オレンジ色)が上限まで振り切れるほどになってバッチリ。あとはコードのアース処理をして完全に雑音をシャットアウト。室内アンテナでこの有り様だから強電界地域に住んでいると助かる。

                    

いやあ、久しぶりに聴くFM放送だが、昔と比べると随分音が良くなっている。最低音域の伸びが今ひとつのような気がするが、高域方向への伸びは十分だし、SN比も完璧で無音時にスピーカーに耳をピッタリくっつけてもまったくノイズが気にならない。これなら音楽鑑賞には問題が無さそうだ。

現代のFM放送はカー・オーディオで聴く向きが多いので、それ向けにドンシャリ的な音に仕上げられており「ピュア・オーディオ」には程遠いという声があるが、民間放送ならともかく、NHK放送に限ってはそうでもないように思う。

ただし、音に目方があるとすれば日頃聴いている音よりもFMの方が少し軽い感じがする。いや、むしろ音に厚みというか立体感が足りないという表現の方が適切かもしれない。まだ2日しか経っていないので即断は禁物だが、放送される音楽ソースの録音状況によってもマチマチのようで、中にはBGM程度がふさわしいのもあるようだ。

なお、FMチューナーの性能によっても大きく音質が左右されることが知られているが、マランツやマッキンあたりの外国勢を別にして、現在でも国産の最高峰とされているのはケンウッドの「L-02T」。

正直言って欲しいのだが、ネットオークションでは現在7万円前後もする。発売当時はチューナーとしては破格の30万円。30年も前の製品なのにメンテナンスは部品切れは別として今でもケンウッドが熱心にやってくれるみたいなので、根気よく探してみようかな。

とにかく、これで貴重な音楽媒体が一つ増えたわけで、FM専用として第二システム(「Axiom301」フルレンジ)を充てているが、近年は積極的にCDを選分けて聴くという行為が何となく億劫になってきつつあるので、こうして相手(放送局)が勝手に選曲してくれるのを気ままに聴き流すのもなかなかいい。何しろ始めから身構えなくて済むので助かるし、現代の指揮者や演奏者と思いもかけぬ新鮮な出会いがありそうだ。

それに、CDを購入してまで聴こうとは思わない作曲家、たとえば4日(金)の14時半からグリンカの「幻想的なワルツ」をやってたが、シェーンベルクなどの馴染みのない作品に親しめるのも楽しみのひとつ。

これからは、CD、テレビ・デジタル放送、FM放送の3本柱になるが、音質ではCDが10点とすると、中が8点、後者が7点といったところだが、聴く時間となると逆になりそうだ。
 

PS(2012年5月5日9時35分)
国産FMチューナーの最高峰について、投稿後にネットで調べていたらアキュフェーズから「T-1100」というチューナーが発売されていた。国産唯一の「デジタルアウト端子」が付いている。これは凄そうだ!


 


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