「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

音楽談義~モーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ集」~

2012年05月15日 | 音楽談義

クラシック音楽専門番組「クラシカ・ジャパン」の視聴(無料期間16日)を始めてからおよそ1週間あまり。

物珍しさから次から次に、とりあえず目を引いたプログラムを録画しまくっている。万一、外れたときでも簡単に”消去すればいい”だけなので実に気楽で、この辺は期待して購入したCDが外れたときに返品が利かないのとは随分ワケが違う。

そして、そういう手当たり次第に録画した番組の中からついに宝物を発見。

             

それは、ギル・シャハム(ヴァイオリン)とオリ・シャハム(ピアノ)の兄妹によるモーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ集(全6曲)」。(録画:2012年5月8日、1時間45分、収録:2005年12月17日~19日)

18世紀初頭のバロック建築というウィーンのダウン=キンスキー宮殿の広間で収録された音質は音響空間にそこはかとなく漂う余韻が実に素晴らしくて、惚れ惚れウットリさせてくれる。それ以上に気に入ったのが二人の演奏。

ネットで調べてみると「シャハムは間違いなく21世紀を代表するヴァイオリニストになる」と、太鼓判が押されているが「まったく、そうだろうなあ」と素直に頷けた。イスラエル人の天体物理学者の父と遺伝学者の母の間に生まれたのが1971年だそうで、当年とって41歳(ニューヨーク在住)。まさに油の乗り切った年齢で愛器は1699年製のストラディヴァリ。

イスラエル人のヴァイオリニストと聞いて思い出すのは「イツァーク・パールマン」だが、パールマンに比べるとシャハムの方が線が太い演奏の印象を受ける。

ピアノだってヴァイオリンに負けてはいない。モーツァルトはヴァイオリンとピアノが対等に渡り合うスタイルでこのヴァイオリン・ソナタを作曲したが、オリ・シャハムの躍動感あふれる伸び伸びとした演奏が実に心地よくて、まったく(ヴァイオリンと)対等に渡り合っている。凄いピアニストの一言だが、兄妹の息もピッタリ合っている。それにしても「ベーゼンドルファー」の深々とした豊かな響きには心の底から参った!

毎日、毎日、病み付きみたいになって「凄い、すごい」と、つぶやきながら3度も4度も繰り返し視聴しているが聴けば聴くほどに「音楽とはこんなに素晴らしいものか」と、思う。

オペラやピアノ・ソナタ、ヴァイオリン協奏曲などのレパートリーを中心にこれまで「自分ほどモーツァルトが好きな人間はこの世におるまい」と自他ともに許してきたが、この歳になって「ヴァイオリン・ソナタ」にこんなに嵌るとはまったく盲点を突かれてしまった。これらは作曲されたのが1778年だからモーツァルトが22歳のときの作品。

モーツァルトの音楽は30歳のころから大衆にとって難しくなって支持を失っていくが、20代の時期の作品は天馬空を駆けるような独特の飛翔が感じられる。
とりわけ「K.306」の「アンダンテ・カンタービレ」には痺れまくった。まったく優雅の極みでこの世の中にこんなに美しいものはないと思うほどで筆舌に尽くしがたい。

こんなに豊かな「音楽の泉」に接することが出来るのだから「クラシカ・ジャパン」の毎月の契約料3000円なんて安い、安い。

さて、楽譜を読めず、何一つ楽器も弾けない人間が音楽藝術を心ゆくまで楽しむためになくてはならないものがオーディオ・システム。12日の土曜日は朝からスピーカーの入れ替え作業に没頭した。「Axiom80」には満足度100%だが、問題は第二システムの「Axiom301」。

1か月間の試聴期間を終えて「Axiom301」には、別途専用のふさわしいエンクロージャーを作ってあげることにしようと、この際一時休憩してもらうことにして、タンノイ・ウェストミンスターのボックスには再びJBLの「D-130」の復活。

この日のために、前もって「D-130」専用の補助バッフルをコツコツと作っていたので作業は実にスムーズに進んだ。なぜ補助バッフルかというと以前、D-130を直接エンクロージャーにねじ止めしたとき、ユニットの8か所のネジが均等に締まらず、「まあ、いいか」と放置していたらピアノの弱音のときに歪音が発生したのでこの反省から作っていたもの。補助バッフルにユニットをがっちりネジ止めしておけばそういう心配はしなくていい。

SPユニットはどんなに頑丈なフレームをしていても、エンクロージャーへの取り付けのネジが1か所でも緩んだり、斜めに入ったりすると歪音が発生するので細心の注意を要する。この辺は見かけによらずまるで精密機器並み。

脇目も振らず作業に耽って4時間ほどで完成。中域を受け持たせているLE-85ドライバーには以前使っていたウッド・ホーンを引退させて、「蜂の巣ホーン」を倉庫から引っ張り出して装着。

                            

聴いてみると、「ウッド・ホーン」と「蜂の巣ホーン」ではまったく音全体の印象が異なる。ウッド・ホーンは音が豊かに広がるものの、音像がちょっとピンぼけになるが、蜂の巣ホーンでは音像定位がピタリと決まる。

双方ともに一長一短でプラス、マイナスの世界だが、この部屋の広さからすると後者の方がプラス面が大きい気がするが、こればかりは1週間ほど聴いてみないと何とも言えない。

こんなことなら奈良のMさんがJBLの音も聴きたいと言っておられたので、別府におられる間に作業を済ませて聴いていただけばよかった。

その後、Mさんからメールが来て「広島ぐらいならいつでも駆けつけるのですが」と、あったが残念。
  

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