「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「チューブ・チェッカー」~

2012年05月25日 | オーディオ談義

「大切にしているPX25真空管の新品ですが、アンプのソケットに挿した途端に”オシャカ”になったことがこれまでに2回あります。何とかうまくエージングする方法はありませんかね~」と、知人のMさんに相談したのが”すべて”の始まりだった。

現在第二システムのJBL・3ウェイシステムの中高域用に使用しているPX25真空管が、通算時間からするとそろそろ寿命がきてもいいくらいの時期になっている。どんな真空管でも所詮は消耗品なので、今のところスペアを持っているものの、当たりはずれがあるのでもし挿しかえた途端に真っ赤になって”あの世行き”になったらどうしようかと今から心配の的。

今頃はそれほどでもないが、当時は何せ2本で15万円で購入した真空管だったので1本でもオシャカになると一瞬の間に7万5千円がパーになるのだからこの気持ち、どなたにも分かってもらえるはず。それに信頼のおける店から購入したので安心して保管したまま、2年ぐらい経ってからの出来事だったので保証期間外だったのも大いに悔やまれる。

「真空管は購入したときにすぐにテストしておくべきだ」とは、この時の貴重な教訓。

話がちょっと脇に逸れるが、これまで三極管の双璧とされる「WE300B」(アメリカ)と「PX25」(イギリス)を散々使用してきたが、音色は両者ともに遜色ないと思うものの後者は前者に比べて耐久性がイマイチなのが弱点。双方とも過去に軍用管の歴史を持っているが、両国の軍事力の差がそのまま出ている印象。

さて、上記の相談に対してMさんのご回答は次のとおり。

「真空管を購入するときは十分にエージングし、チェックしている販売店、オークション相手から求めることが肝心です。とにかく”初期不良については交換OK”のところを探すしかないと思います。 

故障した2本は、はじめから初期不良因子を有していたはずなので多分、なにをやってもダメになってしまう不運な真空管だったと思います。
私は、エージングのときに整流管を抜いたり、電圧を徐々に上げていけば、などなどには賛同しない方に手を上げます。

(翌日のメールでは)とはいえ、これは余りにも勇断な回答かもしれませんね。とりあえず高価な実器でのいきなりの動作を避けて先ずはチューブ・チェッカーTC-3)でエージングしては、いかがでしょう?」

と、あり「TC-3」の関連記事として販売店のホームページと次の本が照会してあった。いつものことながら、Mさんの情報収集能力はもの凄い!

管球王国 2006 spring No.40」 管球アンプ・キットを「組む」愉しみ

SDサウンド チューブ・チェッカー TC2解説=高津 修氏
組立てから完成後の試聴まで、キットの魅力を伝える企画。今回は異色のキット、SDサウンドのチューブ・チェッカーTC2を製作します。TC2はペアチューブ選別のほか、「エージングマシン」としても使用できる便利なアイテムです。ユーザーの知識レベルやテクニックによって、応用範囲が広がる真空管チェッカー。キットの作成から、実際の使いこなしポイントまで、丁寧に解説します。

エ~ッ、懐かしい!まさか今頃になって「管球王国」の出番がやってくるなんて夢にも思わなかった~。

この本はオーディオ専門誌「ステレオ・サウンド」の別冊として年に4回(季刊誌)発行されていた真空管愛好家のための専門誌で、羽振りのいい(?)頃に、発売日を待ちきれないように熱心に読んでいた本だが、懐が淋しくなったのでもう購入しなくなって数年になる。

倉庫に行って調べてみると初刊から50冊ほど山積みしてあったので、ほぼ12年間にわたって愛読したことになるが、「No.40」はすぐに見つかった。

                           

188頁~199頁に亘って該当の詳細なキット製作記事が記載されているが、ソフト派(?)の自分では、分からないことだらけなので、そっくりコピーしてMさんに送付し、内容を検討してもらって、「チューブ・チェッカー」の信頼性や使い勝手を判断してもらうことにした。

と、ここまではよかったのだが、この本をついでにざっと目を通してみるとほかにも興味ある記事が記載されていた。

それは「パッシブ型アッテネーターの試聴」。

ピン(42万円)からキリ(3万5千円)まで、幅広い価格帯のもとで11モデルの試聴結果が3名のオーディオ評論家によりコメントされている。

数年前のこととはいえ、大方の内容は覚えていたが改めて読んでみて考えさせられるところが多々あった。

それは「プリアンプ」と「アッテネーター」の役割と音質の違い。

この課題はいまさら取り上げるのはおかしいぐらいで、レコードからCD時代の到来に伴ってアッテネーターの出番がやってきて、「古くて新しいテーマ」として、今もって明快な結論が出されているわけでもないが、本書ではアッテネーターの使い方が詳細に述べられている。

たとえば、

 ボリュームのインピーダンスが高いと高域が減衰するから低ければ低いほどよいが、一番バランスがいいのは10KΩ程度

 ボックスからむやみにケーブルを延ばさないこと

 使っている素材や他の機器との相性次第で音質が大きく変貌しやすい

と、いった具合で、どうやらツボから外れたときにダメージが大きそうだ。たしかに自分の経験でもケーブル次第で音がガラッと変わるのでゆめゆめ油断できない。

まあ、いろいろ言ってみても自分が使っているオーディオ環境の中で結論を出せばいいだけの話でどれを使うかは個々の裁量に任されているわけだが、かなり前のブログに「プリアンプはもういらない」と題して登載したことがあるものの、「いらない」と一概に断定するのはどうやら早計のような気もしてきた。

現在でも「Axiom80」にアッテネーターを使用していて、これはこれで十分満足しているものの、これを「プリアンプに替えるといったいどういう音がするんだろう?」と、実験してみたい気がムクムクと湧いてきた。

Mさんに相談した、ほんの”ひょんな”ことから実に波乱含みの展開になってしまった。まったく、もう~!?
 
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