「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ・ケーブルについて 一考

2024年05月07日 | オーディオ談義

「T」さん(静岡県)が「音の館」を4月末からオープンされるというので、「このブログで良ければ一役買わせてください・・」と、宣伝の片棒を担がせてもらってから3週間余りが経った。

ところが、どうも目立った効果がなかったみたいで、たいへん申し訳なし~(笑)。

しかし、思わぬ収穫もあったみたいで(ブログの)文中で紹介した「ケーブル」の注文があったという・・。

そこで、追い討ちをかけるみたいだが3年ほど前に製作してもらった「T」さんの「RCAケーブル」(素材はLANケーブル)を改めてご紹介しよう。



ほかにも、4.5mのSPケーブルを作ってもらったわけだが、 こんな細い線材で大丈夫? と当初は半信半疑だったが、実際に使ってみると「ハイスピード サウンド」へと変身を遂げたのだから常識にとらわれないって大切ですね~(笑)。

さっそく、当時 次のように「T」さんあて打電したことだった。

素材の味をそっくりそのまま生かすというのでしょうか、楽器の音色が実に素直に聴こえますし、音の収束が早いため(音が)徒に被ることなく余韻が綺麗にそして漂うように出てきます。おそらく使用されたプラグと線材のマッチングもいいのでしょう。大いに気に入りました。」

たかがケーブルごときでサウンドが大きく変わるのだからやっぱりオーディオって「八岐大蛇」(やまたのおろち)みたいで正体不明だね・・。

それにしても、ケーブルに関する理論は諸説あるのだが、折角の機会なので、とあるメーカーの説を紹介させてもらおう。もちろん、信じる、信じないは貴方の自由なので念のため~。

そもそも、読書にしろブログにしろ 作者と読者の「同意」と「不同意」の繰り返しによる対話 を通じて進んでいくものですからね。

☆ ケーブルについての基本的なポリシー

当社はおそらくどのメーカーよりもケーブルに対して醒めた目を持っている。オーディオシステムに置かれたケーブルは必要悪以外の何物でもなく、その存在を小さくする努力にしか進化を認めらない。当社にとってケーブルの進化とは「消滅へのプロセス」であり、(当社が製作した)〇〇〇〇は自らの存在を極限まで矮小化したケーブルシステムだ。

☆ ケーブル自重

ケーブル自重は当社にとって重要なファクターだ。ケーブルは自重によって自らを振動体(床、壁)に押しつけ、重いケーブルほど芯線が受け止める振動の衝撃は大きくなる。

芯線を振動からアイソレートするべきダンピング材がケーブル自重の増加に一役買うので、意図したほどのダンピング効果が得られないばかりか、ダンピング材に蓄えられた振動エネルギーの解放を、これまたダンピング材が妨げるため、音楽のダイナミクスの変化がケーブルに吸収され、リズムが立たない。この悪循環を断ち切るにはケーブル自重を軽くする意外に有効な手立てはない。


☆ 芯線直径

「太い芯線は重低音が出る」というのは本当だ。ただし、その重低音がソース(CDやレコード)に含まれるものかどうかは疑わしい。太いケーブルを使って重低音が出たとしても、その先にはウーファー(低域用ユニット)の“か細い”ボイスコイルが繋がっている。したがって、その重低音がソースに含まれるものであれば、ボイスコイルと同じ線径のケーブルを使っても再生されるはずだ。つまり、ケーブルによる低音の差とは固有振動数の異なるケーブルの音色の差でしかない。

太い芯線は振動エネルギーの蓄積が大きく、エネルギーの解放が遅れるため、音楽のダイナミクスの細かな変化に追従できない。いったん振動すると止まりにくく、振動(鳴き)を止めるために芯線を締め上げると逆にストレスがかかる。それは音の伸びを妨げ、周波数レンジを狭める。同様に重いケーブル自重や、きつい撚り合わせも芯線にストレスを与える。ケーブルに限らず、あらゆるコンポーネンツに与えられる「ストレス」と「ダンピング」は音楽の躍動感を殺す2大ファクターだ。

もう一度ウーファーのボイスコイルの太さに戻って考えて欲しい。質の良い低音をケーブルの太さに求めるのは本筋ではない。もっと別のところ、つまり電気の通り道の太さにではなく、振動の通り道の明快さに求めるべきだ。

☆ その他(特記事項)

・ ケーブルをひもやビニタイで縛らないこと。どうしても必要な場合はゆるゆるの状態に。また、シールド線は被せないこと。効果がないばかりか、逆にアンテナとして働く場合の方が多い。

・ +側と-側のケーブルはツィストしても、しなくてもよい。前者では音像型になり、ハムに対しても若干強くなる。後者ではレンジの広い音場型になる。当社はこちらを好む。なお、ツィストする場合はけっしてきつく撚りあわせないこと。芯線にストレスがかかり、レンジが狭く歪っぽい音になる。したがって、1ターンあたり3cm以上の緩いツィストにすること。とにかく「ケーブルにストレスをかけない」これがもっとも重要なキーワードだ。

というわけで、「T」さん製作のケーブルは、この理論にピッタリ当てはまるんですよねえ・・、今でも重宝してま~す(笑)。



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