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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

読書コーナー~ジョン・ボルトン回顧録ほか~

2021年08月21日 | 読書コーナー

別に読みたいと思っていたわけではないが図書館の「新刊コーナー」でたまたま目に入ったのが「ジョン・ボルトン回顧録」(以下「回顧録」)と「バイデンの光と影」。



まず回顧録の方から先に読みだしたのだが、これが予想外にも面白い。

何しろ細かい字で上下2段組、600頁ほどの長編なので「貸出期間の2週間」ではとても読み切れないと思って2週間延長し都合4週間かかってようやく読み終えた。

まずはボルトンという人物の記憶力、観察力の並外れた鋭さに驚嘆させられた。

さすがにアメリカの名門「イェール大学」を首席クラスで卒業し、大学院(法学科)まで進んで弁護士資格を取得し、国務省などで要職(国連大使など)を重ねてきた逸材だけのことはある。

最終的には「国家安全保障大統領補佐官」として奮闘するも気紛れなトランプ大統領とソリが合わず、解任させられるまでの「453日間の記録」だが、微に入り細に亘り当事者たちの息遣いまで聞こえてくるようなトランプ政権内部の様子が細かい案件ごとに容赦なく暴かれている。

日本に対する言及もあって、安倍首相の「北朝鮮に関する的確な判断」など全体的に好意的な見方のように感じられた。その一方、韓国の大統領に対しては辛辣な表現で「なりふり構わず南北統一に邁進する」姿が浮き彫りにされている。

結局、トランプ政権の混沌とした4年間はいったい何だったのか、功罪を含めて後世の史家が判断することになるのだろう。

個人的な意見を言わせてもらうと、8年間に亘ってオバマ政権が中国を甘やかしてきた「ツケ」がトランプ政権になってもろに跳ね返ってきた、とみている。

最後に「アメリカ政府の仕事」は国際的な分析と対応が多岐にわたり、関係国家の調整がとても複雑でさすがに「世界に君臨する国家」の印象を深く抱いた。

興味のある方は一読しても時間の無駄にはならない本です。

その一方、「バイデンの光と影」はこれまでの関係記事の寄せ集めの編集で、さっぱり内容に統一性が無かった。

これは完全に時間の無駄になる本ですね。

✰ ミステリー「斜め屋敷の犯罪」



大のミステリーファンを自認している割には、迂闊にもその存在を知らなかった「斜め屋敷の犯罪」(島田荘司)。

メル友さんから情報が入って、現在世界のミステリー界をリードしているあの「アンソニー・ホロヴィッツ」(英国)がこの本を読んでいるそうで、それほどならと図書館内のパソコンを検索してようやく「文庫本」を見つけた。裏表紙に次のような解説があった。

「北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館~通称「斜め屋敷」。

雪降る聖夜にこの奇妙な館でパーティが開かれたが翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。人々が恐慌を来たす中。さらに続く惨劇。

探偵「御手洗 潔」は謎をどう解くのか!?

日本ミステリー界を変えた傑作が大幅加筆の改訂完全版となって登場!」

以上のとおりだが、一言でいってたいへん趣向を凝らした「本格的なミステリー」ですね。

ただし、犯行の動機が弱い気もするが、こういう密室ものの作品に対しては仕方がない。

それよりも、なぜ一風変わった「斜め屋敷」が建てられたのか、そこには常人が及びもつかないような殺人のトリックが秘められており真相がわかると同時に思わず身震いするほどの興奮を覚えた。

ミステリーファンは一度読んでおいても損はしないでしょう。

「アンソニー・ホロヴィッツ」が愛読している理由もよくわかりました。


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