先日のブログ「ドナルド・キーンさんのオペラへの熱情に打たれて」(2019・9・14)の末尾で話題にしたソプラノ歌手の「キルステン・フラグスタート」の件について。
主に1940年代に活躍した歌手だから記憶にある方は少ないと思うが、
その十八番(おはこ)となるとワーグナーの楽劇に焦点が絞られる。
さらにはR・シュトラウスの歌曲でも存分に実力を発揮しているとのことで、ぜひ彼女で「四つの最後の歌」を聴いてみたいという思いが募ってきた。
彼女の代表曲とされるワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」(フルトヴェングラー指揮)の豊かな声量と柔らかで押しの強い声質に魅了されたのも背中を強力に後押しした。
この「四つの最後の歌」はR・シュトラウスが死を目前にしたときに(84歳)、偶然、死について書かれた詩集を手にしてたいへんな感銘を受け作曲したソプラノ歌曲集である。
現在「シュワルツコップ」盤と「バーバラ・ボニー」盤を持っているが、以前のブログにも記載したように稀代のクラシック愛好家で作家の「百田尚樹」さんによると「ヨーロッパ音楽が最後に行き着いた至高の名曲」とのことで、「人生を変えた名曲ベスト10」の中で堂々と第1位に輝く作品である。
たしかに自分もそう思う。聴き込めば聴き込むほどに胸を打たれる名曲中の名曲である。この曲目に感銘を受けない人はクラシックを愛する資格なしと、つい断言したくなってしまうほどだ(笑)。
いつまで音楽に親しめるかわからないが、「今わの際」になっても聴きたいと思う大切な曲目なので、「フラグスタート」盤をネットでいろいろ調べてみると、1950年にフルトヴェングラーの指揮のもとに録音した該当のCDがあった。
思わず注文のclickをしかかったが、「待てよ~、たしか107枚のCDを網羅したフルトヴェングラー全集に入ってないかなあ」。
この全集は3年ほど前に購入したものの、モーツァルト関連を主に聴いており他のCDはほぼ未開地に等しい。
さっそく調べてみると、ちゃんとありました!
CD「47番」に見事に収録されていたのでどうやら無駄遣いをしなくて済んだようだ(笑)。
その代わりでもないが、定評のある「グンドゥラ・ヤノヴィッツ」盤(カラヤン指揮)をアマゾンで注文してほどなく到着。
これで「キルステン・フラグスタート」「グンドゥラ・ヤノヴィッツ」「エリザベート・シュワルツコップ」「バーバラ・ボニー」と四大歌手のそろい踏みだ。
さあ、いよいよ聴き比べといこう。
以下、続く。
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