全国的にどうにか「下火」になりつつある「コロナ禍」だが、そろそろ図書館も開館してくれるかもしれないと電話してみた。
まず、地元の別府市の図書館だが「ハイ、今日(12日)から開館しています」。勢いを得て、隣町の図書館にも問い合わせたところ同じように「今日からです」。
さっそく、隣町から先に急行した。
入り口で「マスクの着用、手指の消毒、住所氏名電話番号の記載」を求められるなど、ものものしかったが、2か月近い休館だったので新刊書が溜まって”より取り見取り”だろうという当てが外れたのはご愛嬌(笑)。いつも通りの新刊書の量だった。
大好きなミステリー系が5冊で読み甲斐がありそうだ。
帰り際に地元の図書館へと足を伸ばした。
この中で興味深いのは「本屋を守れ」~読書とは国力~だ。
著者の「藤原正彦」氏は数学者(名誉教授)で過去に「国家の品格」というベストセラーがある。あの「新田次郎」氏と「藤原てい」氏(両者ともに作家)のご次男である。
表紙の裏に次のようなことが書いてあった。
「日本人の15歳の読解力はOECDの学習調達度調査で急落。月に1冊も本を読まない中高生や移動時間に新聞や文庫本を読まずスマホしか見ない大人たち。
町の本屋は減る一方。著者曰く、これらは国家全体に及ぶ”読書離れと教養の低下」にほかならない。めざすは”書店の復活”である。
”国語力なくして国力なし””町の書店がなぜ大切か””インターネットの情報で教養は身につかない””デジタルは記憶に残らない”
愛国の数学者が独自の直感と分析によって達した結論が日本人の常識になったとき、わが国は再び輝きを取り戻すだろう。」
以上、成る程と、つい釣られてざっと拾い読みしてみた。
まず、一番興味を惹かれた「デジタル本がなぜ記憶に残らないか」の要点だが、「本のタイトルが日常的に自然に目に入ってくるか否かの違い」が結論だった。
つまり、パソコンの内部に入れておくと、いちいち立ち上げるのが手間だし面倒くさいのでいつのまにか忘れてしまうというわけ。同感です(笑)。
これは音楽ソフトについて「レコードやCD」と「HDD」の関係に当てはまるかもですね。
次に、「英国紳士が絶対に使わない言葉」(122頁)が面白かった。
ちょっと長くなるが抜き書きしてみよう。
「アメリカと英国の両方で暮らした経験からいうと、英国人の目から見たトランプ氏はあたかも本を1冊も読みとおしたことがない人物のように映ります。アメリカ的なビジネスマンの典型で無教養な不動産成金。
第一の理由は彼のアメリカ的な言葉遣いにあります。たとえばアメリカ人は「得る」「手に入れる」というとき、何でも「get」を使いたがる。
しかし、英国紳士はできるだけこの言葉を避けようとします。なぜならエリート養成のパブリックスクールで「getは美しい英語ではない。君たちエリートが口にする言葉ではない」と厳しく教わったからです。代わりに「obtain」を使うようにといわれる。
ところがアメリカでは「obtain」という表現はすでに文語であり、現代会話ではほとんど使われていない。
同じ母国語として英語を使っても英米の間には大きな意識の差があります。
とくに英国紳士にとって不可欠なものは教養だからいくら大富豪になっても教養がないものは紳士階級に入れないという伝統があります。」
以上のとおりだが、これから新たなオーディオ機器を手に入れたときは「ゲット」という言葉を使わないようにしようと固く誓った次第(笑)。
言葉づかいもさることながら、「音楽サウンド」にしても英米の違いはとても大きい気がするが皆様はいかが思われますか?
最後に我が家の「薔薇の花」が満開になりました。
道すがら通りがかった方たちから「深紅の色艶といい、大きさといい見事な薔薇ですねえ」との声がよくかかるが、「ハイ、9年前に94歳で亡くなった母が植えていたものです。満開になるといつも在りし日を想い出します」と、ついしんみり。
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