「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

世にオーディオの種は尽きまじ

2020年06月30日 | オーディオ談義

前々回に投稿した「オークション情報~WE618B昇圧トランス~」については、なかなかアクセス数が多くて久しぶりの快ヒットとなった。読者の反響がいいとついうれしくなる。



これは日頃からなるべくマンネリ化にならないように、あれこれ話題を散りばめているので、きっとその成果に違いない。誰も褒めてくれないので「自画自賛」しておこう(笑)。

さて、この「618B」の性能については凄いという方もあれば、お値段の割にはどうなんだろうかと懐疑的な方もいるようで、それぞれのオーディオ環境も感性も違うので一概に決めつけられないのは当然のこと。

そこで、実際に使っている方の話を伺えれば一番「現実感」が出てくると思っていたところ、ありがたいことに関東地方の「S」さんという方からメールが飛び込んできた


「このメールをそのまま転載していいでしょうか」とお伺いを立てたところ、「匿名ならいいですよ」と、ご了解をいただいたので以下のとおり紹介させていただこう。

「618Bのお話が出ておられましたので、私見を申し上げます。世のWEマニアという輩がその世界の入り口というか罠にはまるきっかけというも 
のが往々に618Bであるようです。

ちなみにそういう私もその一人です。


大してWEに興味も無く期待もせず偶々自宅の装置につないで聞いてみたら、それ 
まで既に20年ぐらいいろいろ取っかえ引っかえしても、たいした変化も無く既に 機器に対する大きな期待は薄れておりました。

つないだ618Bからは私の装置というより眼前に音楽が水平線を見るように奥へ広 がっていました。機器の存在は無いかのようでした。だから当然、618Bを買うしかないと。

後で聞きましたが618Bを聞いてしまうと戻れなくなり、深みにはまるとい うことでした。

本物であれば当たり外れは一切ありません。

特に出品されていたものは超貴重品のシルバータイプで現在の市価は170~200万 ぐらいです。

当時私はマランツ7とマッキン275、ガラード301、SME3012、SPU-AE、 パートリッジトランスでした。

マランツ、マッキンはいろいろ聞きました。ステップアップも同様です。

現在の私はほとんどWEとなってしまいました。

お近くであれば618Bをお聞かせできるのですが、こちらは関東ですので残念 です。」

以上のとおりだが、Sさん宅はどうやら全国的な「ウェスタン詣で」の一角を占められているようで、遠い関東地方というのが非常に残念。

しかし、改めて「WE恐るべし」の感がありますね。

「オーディオの深い闇」がまるで底なし沼のようにパックリと口を開けている。無暗に嵌らないようにしなくては、用心、用心・・(笑)。

続いて、メールをいただいたのはメル友の「I」さん(東海地方)からだった。

「レコードを聴いているクラシックファンは年季の入った方たちでしょうね。オーディオマニアは少ないかもしれません。演奏の解る人たちですね。

WEの昇圧トランスを使う人は、まず第1に「WEマニア」であるのでしょうが、〇〇様のお見込みのとおり、聴いてる音楽はクラシックではないかも知れません。ジャズ・ロック・ポップス・映画音楽etc・・・

何故そう思うのかといいますと、クラシックファンは圧倒的にデジタルに向かうと、私は確信しているからです。

なぜデジタルか? 物理特性が段違いにデジタルの方が上ということだと思います。特に重要な特性(と私が考える)であるノイズレベルとセパレーションレベルがデジタルの圧勝です。

オーディオは生と比較すべきではないとい考え方もあるようですが、意識のうちには当然”生”があってもいい訳で、その”生”に対抗するのがデジタル技術です。名手の演奏を特等席で聴けるなんて「生ではまず無理」で、デジタルオーディオは総合的に”生”をも越えるものだと思います。

レコードを聴いている人の横綱がWE618Bだとすると、序の口がオンキョーP309(私)でしょうか。

私は一度アナログプレイヤーを手放しましたが、今は回帰しています。ジャズを聴くのは99%レコードです。反対に、クラシックは99%デジタルです。CDとFMとBSですが。

ジャズにはアナログレコードが有効に作用していると思います。 音の質、音質でなく・・・音の出方というか、ノイズも音の一部(演奏とノイズに音の質的な親和性がある)という聴き方ですね。針が飛ぶような傷ノイズや演奏がマスキングしきれない(親和性のない)ようなノイズは論外です。

ところで、ジャズオーディオは”生”を越えられるか? 越えてます! 今、ドルフィーの”生”が聴けますか? これは理論のすり替えです(笑)

比較すべき”生”がないのがジャズオーディオです。暴論ですねえ・・

そういえば、グレン・グールドは何十年も昔に、「生より録音媒体の方が優位」と感じて、コンサート・ドロップ・アウトしてましたね。」

以上のとおりです。

ご両人とも随分参考になるご意見をいただき、たいへんありがとうございました。

ものごとにこれほどまでに集中できる熱意と努力に対して敬服の至りです。

最後に「浜の真砂は 尽きるとも 世にオーディオの種は 尽きまじ」で終わりとしましょうかね(笑)。

以上の内容に共感された方は積極的にクリックを →    

 

 

 



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