「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

可愛げのない人間の末路

2024年08月30日 | 独り言

先日のこと、NHK BSプレミアム「英雄たちの選択」という番組で「平将門」(たいらのまさかど)特集を放映していた。

「平将門」といえば周知のとおり関東地方で朝廷に対して謀反を起こし最後は討ち死にした武将である。

将門は若年の頃に同僚と一緒に朝廷に仕えたことがあり、同僚はうまく組織に馴染んだものの、将門は無骨そのものの武者だったので官僚組織に馴染めず厄介払いとなり故郷に戻されたという。

その辺のトラウマがどうやら後年の謀反につながったのではないかという解釈だった。

人間には組織にうまく馴染んで融け込めるタイプとそうでないタイプがあるようで、将門は後者のタイプだったのだろう。

関連して、
高校時代の同窓生から電話がかかってきたときの会話を思い出した。

「いつぞやのブログに書いてたけど谷沢永一の ”可愛げが一番” という話は実によくわかるんだよねえ。」

「へぇ~、どんな風に?」

「実は以前、自分が(ある会社の)部長をしていた時に他所(よそ)の部門から異動してきた部員がいてね、適齢期なのに課長になり損ねて回されてきたんだ。」

「ほぉ~」

「自分は元の部門の部長とは仲が良かったんだけど、 ”〇〇君を課長に出来なかったけど、お前のところでぜひ課長にしてやってくれよ” なんて虫のいいことを言うから、思わず”そんなことを言うくらいならなぜお前のときに強力に推さなかったんだ”と、言ってやったんだ。」

「ウン、ウン」

「すると、その時の弁がふるっていて”だって彼、可愛くないもんな~”だって。その〇〇君は学歴もいいし、真面目でそこそこ仕事もできるんだけど懐いてこないんだよねえ~、人間には可愛げが大切だって改めて思ったよ。」

「成る程、犬だって尻尾を振って懐いてくる犬は可愛いもんなあ~」

ちなみに、谷沢永一氏の「可愛げ云々」を参考のため再掲すると、

「才能も知恵も努力も業績も身持ちも忠誠も、すべてひっくるめたところでただ 可愛げ があるという奴には敵わない。」(「人間通」新潮選書)

以上の話、一定の組織に従属して働いた経験のある方なら体感的に納得されると思うが、どんなに「きれいごと」を言ってみても所詮、人間は「感情の動物」であることを物語っている。

「アイツがくると虫酸(むしず)が走る」という言葉もありますねえ(笑)。


出自が定かではなかった豊臣秀吉が登り詰めて「位人臣」を極めることができたのも、「人たらし」と呼ばれていたからこそで、きっと「可愛げのある」人間だったに相違ない。

さて、そこで問題は「可愛げ」ってものが先天的な資質なのか、あるいは後天的に身に付けられるものかどうかだが、谷沢氏の書きっぷりによると、どうやら先天的な資質の方に比重が置かれているようだ。

これをブログ主に置き換えてみるとまず典型的な「可愛げのない」タイプだと思う。もちろん気も利かないし、妻や娘からも「お父さんはコミュニケーション能力がちょっと・・」と苦笑されている始末。

しかも将門みたいに謀反(現代でいえば起業かな)を起こす元気もないし、たいした出世もできず、さらには「お金持ち」にもなれず・・、とうとう平々凡々たる人生に落ち着いてしまったのはまったく痛恨の極みと言わざるを得ない・・、ま、「音楽&オーディオ」を思う存分に楽しんだんだから良しとするかなあ~(笑)。



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