週に2~3回は図書館巡り(3か所)をして面白そうな本を物色しているが、かなり頻繁に借りたり返却したりを繰り返していると、どうしても手違いが起こる。
3か所の図書館とも会員番号を登録して「ネット」で借りた本の題名、返却期限などをいつもチェックしているが、このほど返却しているはずなのに借りた状態になっている本が1冊見つかった。県立図書館だった。
「おかしいですよ、確実に返却しているはずですが」と電話で問い合わせてみたところ、「職員が3人手分けして探してみましたがご指摘の本がどうしても見つかりません。もう一度ご自宅とか心当たりを探してくれませんか」と図書館側。
「いや、もう何回も探しました。クルマの中にも落ちていませんでしたし、間違って他の図書館に返した可能性もありますので問い合わせてみましたが該当なしでした。おたくの図書館は以前にもミスがあって未返却の本が実際には館内にあったという経験をしていますよ」
と、食い下がったが結局「水掛け論」に終わった。
「一度、館内の中央カウンターにお越しいただいてご相談させてください」と、どうやら「事故扱い」になって本代を弁償ということらしい。
県外の娘に(ついでのときの電話で)こぼすと、「お父さん、これから返却するときは返す本をまとめてスマホできちんと写真を撮っておくといいよ、日付が入っているからね」
図書館には年から年中お世話になっているので、たまには1冊分のお金くらい弁償してもいいかなと思っている。オーディオ機器に比べればたいしたことはないし~(笑)。
さて、このほど面白い本に出くわした。
裏表紙の解説にこうある。
「都内の解体中のビルで男の首吊り死体が発見された。男は元警察官の岡田亮介。強制ワイセツ致傷罪で服役し、出所したばかりだったという。
現場の状況から自殺の線で終わらせようとする方針に対し、荻窪東署の刑事・椎名真帆は他殺を疑い操作を開始する。
一方、警視庁副総監に呼び出された捜査一課の芦川は、ある人物を内偵照査することを命じられるが・・・。椎名と芦川の捜査が交錯する時、事件は思わぬ方向へ展開していく。」
以上のとおりだが、ミステリーと名がつくものはすべて目が無いのでいつもダボハゼみたいに飛びつくが、面白い本の打率となると2割ぐらいでなかなか確率が悪いが、本書は合格点の出来栄えだった。
初めて読む作家で「山邑 圭」(やまむら けい)さん。蛇足だが「邑」という字の読み方が分からなかったので知識が一つ増えた。
ミステリーの楽しみは、もちろん「参った!」と思わせるようなあっと驚く予想外の展開と快刀乱麻の解決にあるが、もう一つ「お気に入りの新しい作家」を発見することにもある。
上から目線の物言いになるが、この山邑さんは「才能あり」とお見受けした。
ただし本格的な重量級ではなく、「ライトミステリー」という感じだが、ほかの作品にも手を伸ばしてみようかと思わせる魅力がある。何よりも人物描写が巧い。
以下、ネットから応援「レヴュー」を引用させてもらおう。
「登場人物一人一人が、性格や背景など、丁寧に描かれていて、ストーリーの面白さはもちろんですが、人物描写が巧みな作家だと思います。
今日も事件の捜査をし、賢明に生きているように感じます。
人間観察の鋭さが、刑事物というカテゴリーだけで終わらない、深みのある味わいを感じます。毎シーン、動画の映像が浮かびます。小説の中から飛び出した実写版を、ぜひ見せてほしいものです。 」
もし機会があれば読んでみても損はしない本だと思いますよ。
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