「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「点音源」の魅力

2021年04月17日 | オーディオ談義

我が家の4つのスピーカーの中で一番出番が少ないJBLの「LE8T」(初期版16Ω:口径20センチ)。



悪くは無いんだけど、ややタイトな音なのでもう少し「ゆったり感」が欲しいと常日頃思っていたのだが、先日のブログでも触れたとおり、思い切ってエンクロージャーを代えてみることにした。

徒労に終わる可能性が非常に高いが、何ごともやってみなくちゃ分からん(笑)。

思い立ったが吉日で、大分市郊外の大型「DIY」店までクルマを50分ほど滑らせて、大きな1枚板(厚さ12mm)を4枚カット(内2枚は予備)してもらった。バッフル作りである。

寸法は「縦51.5cm、横41cm」、代金はカット代を含めて「1580円」也(笑)。

さっそく持ち帰って、ジグソーで穴を開けてLE8Tを取り付けた。箱に取り付けるときのネジ穴の調整が厄介で、これに一番時間がかかった。

完成後の姿がこれ。



見映えがパッとしないが、どうせサランネットを付けるのでバッフルにペンキは塗らないことにした。

低音域(350ヘルツ以下)専用として鳴らしてもいいし、フルレンジで鳴らしてもいいし、MLBで大活躍している大谷選手のような二刀流だよ~(笑)。

はじめに「低音域専用」で音出ししてみた。200ヘルツ以上はこの箱に載っている「AXIOM80」(復刻版)だ。

駆動するアンプは「LE8T」が「PX25シングル」、「AXIOM80」が「WE300Bシングル」。

どういう音が出るか、固唾を呑んで耳を澄ますと想像以上の豊かな低音が出てきたことに驚いた。

凄いッ、これが口径20センチの低音なんて信じられない!

これも重量級の強力マグネットのおかげだろうか。

何しろ入れ換えたときの「トライアクショム」(グッドマン)よりも図体は小さいのに重さの方は同等かそれ以上だったのだから十分頷ける。

「AXIOM80」との相性も良く、口径20㎝だけあってさすがにスピード感では見劣りしないし、懸念した音色の違いもまったく問題にならない。

2時間ほどいろんなソースを聴き込んだが、ボーカルでは歌手の口元が小振りになって引き締まり見事に等身大の大きさになるのが非常に好ましい。

口径の大きなユニットを使ったシステムでは、カバのように大きな口元になるのを何度も聴いてきたのでとても気になるし、他の音楽ソースでも個別に楽器の姿がくっきり浮き出てくるというか、実在感があるので聴いていて楽しくなる。

それに、クラシックからジャズ、ポピュラー、演歌まで何でもござれの万能システムで、「AXIOM80」の相方としてはこのユニットで決まり~。

「LE8T」の実力を心の底から見直した。

ただし「LE8T」をグッドマン指定の「ARU」(背圧調整器)付きの箱で鳴らすなんて奇想天外だと思うが「無理を通せば道理が引っ込む」の典型的な例だね、これは~(笑)。

そういえば、以前、他県からお見えになったオーディオ愛好家に、「LE8Tを聴いてみませんか」とお誘いしたところ「いや、もうどういう音か分かってますので結構です」と、断られたことがあったが、その時は「さもありなん」と思ったが、こうして
別の大きめの箱に容れてやるとまったく印象が変わる。

改めて、この小振りのユニットは見かけとは大違いでエンクロージャー次第で豹変することを心に深く刻み込んだ。

次にフルレンジで聴いてみた。スピーカーのプラス線に挿入したムンドルフのコイル「6.8mh(ミリヘンリー)」を外すだけだから簡単そのもの。数秒あれば事足りる。



はじめに「PX25シングル」アンプで聴いてみた。前段管次第で音がくるくる変わるアンプだが今回はμが「30前後」とひときわ高い「AC/HL」(英国マツダ:初期版)だ。

フルレンジ特有の音像定位に優れた音で、低音もしっかり出る、それも小気味よくカツン、カツンと弾んできて気持ちがいいし、音の抜けもいいし、中高音域の表現力も不足ない。スピーカーの存在を意識させない自然な響きに満足の一言。

次に「WE300B」アンプで聴いてみたが、中高音域にかけてレンジが広がり音の重心がやや上がったが、音のコクとなるとPX25の方が一枚上かな。こればかりは好き好きだが自分なら「PX25」を選ぶ。

それに、つい最近のブログ「マダム・ピリンスカとショパンの秘密」にあったように、池の水にポチャンと落ちた穀物の種子から周囲へ波紋が広がっていく描写のように、これが「点音源」の良さの極致だろうと思わせる鳴りっぷり。何といっても音は空気の波紋なんだから~。


こういう音を聴くと「釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉を思い出す。

「フナ釣り」というのはシンプルな釣りの象徴という意味合いだが、これに倣って「オーディオはフルレンジに始まってフルレンジに終わる」とも言えそうで、こういう音を聴かされると「いったい自分は何年オーディオをやって回り道してきたんだろう」とさえ思う。

近々、我が家にご訪問予定のFさん(福岡県)にぜひとも聴いていただいて、歓談するのが楽しみになってきた。

「LE8T」騒動から派生して絶好のテーマが「棚から牡丹餅」のように降って湧いてきた
ことになりますねえ(笑)。



この内容に共感された方は励ましのクリックを →      

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする