今回の小旅行から帰ってきてもう4日が経ち、記憶の方も薄れるばかりだが最後の力を振り絞って記録を残しておこう。
今回は久しぶりに田舎の日常空間を離れて都会の喧騒に接したわけだがいろいろ思うことがあった。
プラス、マイナス面のうちまずプラス面からいくと、
☆ ショッピングの豊かさ
お店の数が多いし品数も豊富でとにかく便利がいい。地元ではどうしても手に入らなかった台所用品の小物がすぐに見つかったのには家内が感激していた。
また福岡市の中心部、天神界隈のCDの中古ショップには大量の在庫があって、しかも安い。
6枚セットのモーツァルトのCDを見かけて1枚280円と格安なので購入した。うち1枚には大好きなエディト・マチス(ソプラノ)の歌曲があったのでこれを見逃す手はない。
マチスといえば「フィガロの結婚」のスザンナ役で一世を風靡したが、歌が巧いばかりじゃなくたいへんな美人である。
ソプラノ歌手の中ではベストといってもいいくらいで、今ではすっかり「おばあちゃん」になったが若い頃はそれはもう・・。
☆ ICカード
地方に住んでいるとどこに行くのもマイカーなので乗り物などに使う「ICカード」なんてまったく縁遠かったが、今回の旅行では福岡市内で地下鉄やバス、電車などを頻繁に乗り回すので娘が事前に「ICカード」を準備してくれた。
一定の金額をチャージする方法も学んだが、改札のときに所定のスポットにカードを押し当てるだけで自由に出入できるので物忘れしたように便利がいい。
いちいち行き先までの料金を確認し小銭を出して切符を買うわずらわしさから解放されるので都会ではもう必需品ですね。
今さら、こんなことを書くともう「田舎者」丸出しですけどね(笑)。
近年、高齢者による交通事故が喧しいが、都会では早めに免許を手放してもちっとも不便を感じないに違いない。
その他もろもろの便利の良さから考え合わせると、高齢者こそ都会に住むべきなのかもしれないと思った。まあ、招かれざる客としてお荷物になるのは必然だが(笑)。
次にマイナス面から述べてみよう。
☆ 混雑ぶり
至るところに行列ができているのには驚いた。たとえば有名な飲食店、お菓子屋さんなど。それほどまでにして並ぶ時間があったら、もっと有意義なことに使えばいいのにとは田舎に住む人間の率直な感想である。
帰りの博多駅の混雑ぶりにも目を丸くした。なにしろトイレにまで行列ができるのだからねえ。
☆ 住環境の貧弱さ
至るところマンションやアパートだらけである。これでは「音楽&オーディオ」をたっぷりと楽しめそうにない。緑も少ないし豊かな自然環境にはほど遠いので住むのには相当割り切る必要がある。
以上、こうしてプラス、マイナス面の総合的な観点からすると理想的な住環境なんて存在しないことがわかるし、やはり個人個人の事情による選択になりますね。
なお、娘が最近話題の「ボエミアン・ラプソディ」のブルーレイを持っていたので強奪してきた。
自宅のシステムで半分ほどまで観賞したが少し味気ない気がした。こればかりは、やはり映画館の大きな音響空間でこそ本領が発揮されるように思えた。
最後に、行き帰りの片道2時間の電車の中で一心不乱に読み耽ったのがミステリー「カササギ殺人事件」(上下巻)だった。
今年の正月に娘が持ち帰ってきたものだが、返却期限の有る図書館の本にずっと追いまくられて読むチャンスがなかったのだが、今回絶好の機会とばかりに読破したが、英国ミステリーの王道を踏まえながらとても凝った構成といい、犯人の意外性といい、「巻を措く能わず」という表現がピッタリ。
「21世紀に入って最高のミステリー」との書評があったが、「Yの悲劇」(エラリー・クィーン)以来の衝撃を受けたので、「その通り」と太鼓判を押しておこう。