「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

先入観は「罪」、固定観念は「悪」

2019年03月24日 | オーディオ談義

どうも解(げ)せないなあ・・・。

このところ頭から離れないのが我が家の「PX25」アンプのことである。

     

前回のブログ「困ったときは・・」で述べたように、ジャズの再生では我が家のアンプの中で「171Aプッシュプルアンプ」に一日の長があったわけだが、その際に試聴した「PX25」アンプの高音域の鮮度がイマイチだったことがすごく気になっている。

このアンプのセールスポイントは何といっても「高音域の艶」にあるので、これではまるで「牙を抜かれたライオン」と同じだ。

優秀なジャズ録音のソフトはシステムを根底から揺さぶってくるが、それにしても
なぜこんなことに?

そこで、本領を発揮させるために「なりふり構わず」もがいてみることにした(笑)。

鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス

結果的には3段構えの対応となったがまず第一段としては、

☆ 「075」ツィーターのコンデンサーを交換

アンプとスピーカーは運命共同体なので初めにスピーカーをいじってみた。

075ツィーターを「300B」アンプで鳴らしていたときはローカット用のコンデンサーを「0.39μF」にして控えめの鳴らし方だったが、「PX25」ではおとなしすぎるので「1.0μF」にしてレンジを下げてみた。

すると音の輝きが増して明らかに一歩前進。

ツィーター用のコンデンサーも使用するアンプ次第で臨機応変に代えないとダメですね。

   

次の対策はいよいよアンプ本体へ、

☆ 前段管の交換

前段管というのは出力管の前に配置する「電圧増幅管」のことだが、何しろこれ次第でアンプの音色はコロッと変わるからゆめゆめ油断できないポイントである。

このアンプの特徴として前段管は直熱管も傍熱管も挿せるし、アメリカ系の4ピンもヨーロッパ系の5ピンも挿せるというマルチ方式なので大助かり。

しかも「μ(ミュー)=増幅率」に応じて3段切り替えスイッチまで付いている。

「こういうアンプは私が知る限りこれだけですよ」とは、このアンプを改造していただいた「北国の真空管博士」のコメントである。

それでは試した球を紹介しよう。

   

上段は直熱管、下段は傍熱管となる。個別に紹介すると、上段左からSTCのμ(増幅率)が低い順から「3A/109B」「3A/107B」「3A/110B」そして「SGX-112」(トリタンフィラメント)

次に下段左からGECの「LS-7」、英国マツダの「AC/HL」(最初期版)、マルコーニの「MH4」(メッシュプレート)となる。

自分で言うのも何ですがいずれも簡単に手に入らない希少管ですよ!

さて、この7種類の球を1ペアづつこまめに差し換えながら試聴するのだからもう大変!しかし、クラシックと違ってジャズともなると明確な差が出るので実に楽しかった。

それぞれに長所と短所があって、想像した通り「帯に短し、たすきに長し」だったが、総じて元気のいい音を出すのが「傍熱管」であり、その一方、鮮度や艶の領域になると「直熱管」に一日の長があった。

今回の目的は「鮮度や艶」の増強なので「直熱管」に絞った挙句、比較的「μ(増幅率)」の高い「3A/110B」(英国:STC)に決定した。素性からいくと「SGX-112」が一番だが惜しいことにちょっとμが低い。

これでやっと2歩前進(笑)。

☆ プリアンプを外す

最後の三段目は窮余の一策だった。上記の二段構えの対策でもどうもしっくりこないので思い切ってプリアンプを外してDAコンバーターから直結でPX25を繋いでみた。

何と、これが一番効果があった!

ベールが一枚も二枚も取れた感じでスッキリ爽やかなサウンドが出現。

このところプリアンプはずっと「使用肯定派」に属していたが、やっぱり相性があるようでまさにケースバイケース、しばらくこれで聴いてみることにした。

以上のとおり、今回の実験を振り返ってみると教訓として先入観や固定観念に縛られないことが如実に浮き出てきたことになる。

まったく「先入観は罪、固定観念は悪」という言葉がピッタリでしたね(笑)。

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