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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

6台の真空管アンプによる競演会

2018年04月07日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

オーディオ仲間のYさんから預かった「50」アンプだが、我が家のシステムにも思わぬ波紋が広がった。

それは3日(火)の午後のこと。「50アンプを預かっているそうですが、聴かせてください。」と、一騎当千の「うるさ型」のメンバー2名(大分市)が我が家に集結した。気候が良くなると人の動きが活発になるようだ(笑)。

もちろんお断りする理由は何もないので、「ハイ、どうぞ~」。

はじめに、イギリス、ドイツ、アメリカの混成旅団による「3ウェイシステム」で聴いていただいたところ、総じて「とてもきれいな音ですが一本調子のところがあるようですね。」と、自分と同じようなご意見だった。

そこで、もっとシビアな「AXIOM80」に取り換えたところ、アッと驚くほどの変わりよう。この「50」アンプから内面的な表現力が見事に醸し出されてきたのにはビックリした。

     

な~んだ、原因はアンプ側ではなくスピーカーにあったのか!

途端に「3ウェイシステム」が胡散臭いものに思えてきたから不思議(笑)。(即座に「お客さんがお戻りになったら2ウェイに戻そう」と決意した。)

さすがに「一家言」の持ち主のお二人さんも「AXIOM80」を前にすると口数が少なくなる(笑)。

こうして「50」が見事に息を吹き返したので、「せっかくの機会ですから持ち主のYさんにも来ていただきましょうか。」と、提案すると一同賛成~。

一つ返事で要請に応じてくれたYさんが15分後にはお見えになって、それからはとうとう6台ものアンプによる一大競演会となった。

言い出しっぺはYさんだった。「50アンプと比べてみたいので、ぜひWE300Bシングルを聴かせていただけませんか。」

新興勢力(近代管)から既存勢力(古典管)への大胆なる挑戦である。

よし、「降りかかる火の粉は払わねばいけない」ので、受けて立ちましょう(笑)。アンプとスピーカーの接続は
バナナプラグなので切り替えは簡単だ。

改めて試聴用のシステムを紹介しておくとCDトラポとDACは「dCS」のコンビ、プリアンプは「クリスキットのマークⅥ」、スピーカーは「AXIOM80」(最初期版)、試聴盤は大好きなモーツァルトの「ディヴェルトメント K136」(トン・コープマン指揮)。

    

それからは、20分おきくらいで次から次にアンプを切り替えていった。順番でいくと、

「WE300Bシングル」(出力管は1951年もの) → 「2A3シングル」(出力管はフランスのVISSEUX:刻印) → 「PX25シングル」(ナス管) → 「71Aプッシュプル」 → 「中国製300Bシングル」(モノ×2台) → そして最後に確認の意味で「50シングル」

     

スピーカーが何といっても繊細極まりない「AXIOM80」だから、アンプの個性の差を見事に白日の下にさらしてくれた。

どのアンプがいいとか悪いとか個別の話は抜きにして、個人的な意見としてはこの中でイギリス系の出力管を使ったアンプは「PX25」だけだったが、さすがにお国柄を発揮して明らかに音の傾向が違っており「クラシック音楽」を品良く聴かせてくれるという点では一頭地を抜いている印象を受けた。

その一方「オーディオ的な音」という言い方を許してもらえれば「WE300B」(1951年)が「トランスドライブの威力を存分に発揮してますね。」との評価があって好評だった。

ハイライトの「50」もけっして劣ることなく大健闘で、もし古典管に換えるとしたらどんな音になるか一同興味津々。

こうして6台のアンプを一気に聴き比べたのは初めてのことだったが、AXIOM80が見事に羅針盤の役割を果たしてくれて、繰り返すようだがそれぞれのアンプの個性の差をつまびらかにしてくれた。

もしクラシックファンが複数のスピーカーを持つのであれば一家に1ペアの「AXIOM80」は必須だが、うまく鳴らすのに少なくとも5年以上はかかるでしょう(笑)。

なお、こういう実験は一人だけでやっても面白くも何ともないが、4人だと何かしら多角的な視点からの意見もあったりでオーディオの醍醐味の一つが「交流」にあることを改めて思い知らされた。

 


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