「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ミステリーを読む

2014年09月12日 | 読書コーナー

福岡市内の病院に入院している親族のお見舞いを兼ねて1泊2日(9月6~7日)の小旅行に行ってきた。

昔は博多まで片道3時間半かかっていたのが、今ではおよそ2時間(JR特急)と随分便利になったが、それでも車中は退屈なので、図書館から借りてきたミステリーを読み耽って、ちょうど往復の4時間で読了。

                             

作者の「翔田 寛」(しょうだ かん)さんは「誘拐児」で推理作家の登竜門とされる「江戸川乱歩賞」(賞金1千万円)を受賞されている。

乱歩賞受賞作といっても、自分に言わせればピンからキリまであって中にはとても読むに堪えないお粗末なのもあるが、この「誘拐児」はAクラスといっても過言ではない作品だったので爾来「翔田 寛」さんには注目して、すべての著作を見逃すことなく読破してきた。

今回の「探偵工女」も期待にたがわぬ快作だった。あらすじをかいつまむと、

「日本の近代化を推進する原動力として、明治新政府が総力を挙げて建設した富岡製糸場。開業翌年の明治5年、この大規模器械式製糸場内で、若き工女が惨殺死体となって発見された。密室殺人の裏に隠された意外な真相に、被害者の傍輩である工女が迫る。」

明治維新後まもなく、不平士族の反乱など騒然とする世情の中で警視庁から派遣されてきた敏腕刑事と15歳の工女が事件の解決に当たるというもので、読了してしまうと「仕掛けは他愛ない」の一言だが、なかなか息も継がせぬ展開ぶりはさすがだった。

久しぶりにミステリーの面白さに触れて、娘の所に泊まった折に書棚から2冊ほど失敬してきた。

          

出す本が次々にベストセラーとなる東野圭吾さんも過去に「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞している。当時は正直言って大した才能ではないと思ったが、随分と成長がめざましいようだ(笑)。

ミステリーといってもトリックばかりではなくて登場人物の造型がしっかりしていないと「駄作」に堕ちてしまうが、「容疑者Xの献身」(直木賞受賞)では犯人像の見事な設定と人物描写に思わず唸ってしまった。今や押しも押されもせぬ日本を代表するミステリー作家と言っていいだろう。

ちなみに、最近「ひかりテレビ」で映画「容疑者Xの献身」を観たが、犯人の「堤 真一」の存在感があまりにも強くて主役の「福山 雅治」(探偵役)の方がすっかり陰が薄かった。二枚目といっても形(かた)無しで、映画に出演する俳優同士ってのは、演技を通じてお互いに「喰うか、食われるか」の強力なライバルなんだなとつくづく思った。

ずっと以前に観た洋画「ギルバート・グレイプ」でも生まれつきの痴呆役を演じた「ディカップリオ」が凄い演技で、お兄さん役の「ジョニー・デップ」をすっかり喰ってたことを憶いだした。

さて、「麒麟の翼」も期待にたがわぬ佳作だった。トリック、意外な犯人、しっかりした人物像などまったく言うことなし!

「新参者」もこれから楽しく読ませてもらうことにしよう。ところで、宮部みゆきの話題作「ソロモンの偽証」がようやく文庫本となってこのほど2冊刊行された。3か月おきに順次2冊づつ刊行されていくという。

娘が既にこの2冊を購入しているので「お父さんが先に読んであげる」と、言って持って帰ろうとしたところ「ダメ~ッ」。

全巻そろってからゆっくり読むのを楽しみにしているという。「いいじゃないか、先に読んだからといって活字が薄くなるわけでもあるまいし~」と言うのだが、頑としてきかない。まあ、いっか(笑)。

最後に、親族が入院している病院は福岡市の郊外にあるのだが、JRの駅の近くに見上げるような高層マンションが建築中で、その前の立札には「完売」の文字が躍っていた。

こんな大きなマンションでも建築中に「完売」になるんだから、田舎者には驚くばかり。福岡でこれだから、東京、大阪、名古屋となるとこれ以上なんだろうなあ。

連想して、おそらく都会に住んでるオーディオマニアの大半はマンション暮らしなのだろうと思った。騒音に配慮し、上下の階と両隣に気がねしながら音楽を聴くのはたいへんかもねえ。

近年、小音量でも音像がぼやけず、あくまでもクリヤーな音質が求められるのも一つにはこういう理由があるのかもしれない。

となれば、けっして大きな音量を求めない「AXIOM80」(以下、「80」)の人気も“むべなるかな”(笑)。

昨日(11日)の午後、近くの公園をウォーキング中に「夢の途中」(携帯のテーマ音楽)が鳴り響いた。「80」愛好家のKさんからだった。

「耳よりのニュースです。AXIOM80の未使用の最初期のユニットがオークションに出品されてますよ。」「オッ、そうですか。いくらで出品されてますか?」

「それが~、何と即決60万円ですよ。」

ウ~ン、これはまったく狂気の沙汰だ!(笑)


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