「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

マイルストーン

2013年07月11日 | オーディオ談義

現在、新千歳空港から高速バスで、ひたすら原野と小高い山の間を縫って、北海道の中央付近にある「トマム」というリゾートホテルに滞在中。

気温は日中で21度、朝晩は長袖が要るほどの涼しさ。ホテル内は韓国語と中国語のオンパレードで何だか外国に来ているような不思議な気分になる。これも円安効果の影響だろう。

幸い、ホテルでパソコン環境に恵まれたので、書き溜めていた記事をUPしてみた。

次のとおりです。

先日、オーディオ仲間のAさんとMAさん(太宰府市)からそれぞれ同じ情報提供があった。

「うきは市(福岡県)のKIさん宅で、AXIOM80がいい音で鳴っているそうですよ。是非試聴されたらいかがですか。」

「エッ」、と驚いた!

KIさん宅には忘れもしない昨年の10月に訪問して、ウェスタンの555+16Aホーンの音を聴かせてもらい度胆を抜かれたが、今度は「AXIOM80」(以下、「80」)にまで手を広げられたのだろうか?

まったく系統的に双方とも毛色が違ったシステムだし、想像もつかないままに、とにかく「80」がいい音で鳴っていると聞けば、全国津々浦々、一刻も早く駆け付けたくなる(笑)。

さっそく同じ「80」愛好家のKOさん(福岡)に、一緒に試聴に行きませんかとお誘いすると一つ返事でOK。どうせならと情報提供していただいたAさんもご一緒してもらうことにした。

KIさんのご都合をお伺いした結果、7月4日(木)の午後に決定。

当日は丁度梅雨の間只中で豪雨にならないことを祈りながら10時ごろに出発。3名とも別々の出発地点なのでいったん「道の駅うきは」で落ち合うことにした。

別府からずっと1本道なので、一般道で行くことにして、早めに家を出たが丁度2時間きっかりで目的地に到着。3名とも滞りなく集合してKIさん宅に到着したのが13時過ぎ。

「いやあ、どうもお久しぶりです。今日はお邪魔します。」

KIさんは昨年10月のブログでも紹介したが大きなお寺のご住職さんである。

「住職は宗教家であると同時に深い知識を持つ学者でもある。また、国と繋がりのある公務員としての一面や、慈善事業家としての一面も持ち、さらに芸術家としても優れており、“十職”と呼ばれていた時代もあった。」と、本に書いてあった。

まさしく、KIさんに接しているといつも何か啓発されるような清々しい気分に包まれる。さっそく2階のオーディオルームへ。

         

巨大な16Aホーンの前に鎮座しているスリムなスピーカーが我らが「AXIOM80」。ヒノオーディオ製のエンクロージャーだそうで、実に品のいい姿かたち。上に載っているのはカンノ製のツィーター。

駆動しているアンプは真空管DA30(イギリス)のパラレルプッシュプル方式。最近完成したばかりで、大宰府のMAさんの入魂の作品である。

            

この音響空間とシステムのラインアップを見ただけで、もう聴かなくてもどういう音が出るかはおよそ想像がついてしまう(笑)。

KIさんにお伺いしてみると、3年ほど前に「80」を手に入れられたそうで、他のアンプで鳴らすとキンキン、キャンキャンと甲高い音がしてどうしてもうまく鳴らない。

仕方なく、あきらめて蔵の中に直し込むところだったが、念のため最近導入したDA30のパラレルプッシュプルで聴いたところようやく鳴ってくれたとのこと。ここ2か月ばかり、16Aホーンはご無沙汰で、「80」ばかり愛用されている由。

そうなんですよねえ。「80」はことのほか神経質なので駆動してくれるアンプをメチャ選ぶ傾向にある。

うまく鳴らない代表的な事例が前述したようにキャンキャンと中高域が暴れてしまうことで、先日も名古屋のYさんからメールが来て、WE300Bを交流点火したアンプでその点を見事に解決したとあったし、今回同好したKOさんによると古典管の「45」(ST管)をトランスドライブしたアンプが手持ちの7台の中ではベストとのこと。(「80」の開発は「45」アンプで進められたのでこれも頷ける話。)

ほかにも、吸音材を含めてエンクロージャーの“つくり”も音質に多大な影響力を持っているし、これほど気難しいユニットをほかに知らないが、ツボに嵌ったときの凄さは筆舌に尽くしがたい。とにかく、汲めども汲めども尽きない泉のようなユニット。

それにしても堂々たる16Aホーンに伍して、小粒ながら立派に存在感を際立たせる「80」に改めて感心した。

3時間ほどCDからSPレコードまでいろんなソースを次から次に聴かせていただきながら音楽を堪能させていただいた。

「80」は百人百様の鳴り方をする個性的なスピーカーなので、未来永劫にベストの鳴りっぷりには出会えない気がしているが、さすがにこの「80」は十分「マイルストーン」に値する響きを持っていた。


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