前回のブログで投稿した「1枚800円のCD-R」の衝撃が冷めやらぬ間にオーディオ仲間のM崎さんがご来宅。(12月1日の火曜日)
ちょっと”しつこい”ようだが、さらに込み入った音質実験をすることになった。
なお、蛇足になるがこの種の実験は少しでも「いい音」で「音楽」を聴くことで、より一層深い感動に浸りたい趣旨のものであり、決して「音キチ」になる積もりは毛頭ないので念のため~。
さて、自分は現在、ウィンドウズのパソコンを使用しているが、M崎さんはマックを使用されている。ご存知のとおり「iTunes」と「iPod」、そして「マック」の本家本元は「アップル社」である。
したがって、「iTunes」がらみの音楽づくりは音質の良さも含めて「ウィンドウズ」よりも「マックに一日の長がある」とは巷間、流布されている話だがそれも併せて確認してみようというわけ。
実験に使う材料は次のとおり。
☆ 曲目は内田光子さんが弾くベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ31番の第一楽章」
☆ CDトランスポートは「ワディア270」、DAコンバーター「ワディア27ixVer3.0」
☆ 「iPod」と「ワディア170iトランスポート」(「吉田苑」の電源を使用)
CD-R盤は次のとおり。
1 マックの「iTunes」で8倍速でコピーした通常の音楽用CD-R
2 ウィンドウズの「iTunes」で4倍速でコピーした通常の音楽用CD-R
3 ウィンドウズの「iTunes」で4倍速でコピーした高性能の「SPMPT」のCD-R
4 原盤
最後に、4と比較するため
5 「iPod」と「ワディア170iトランスポート」による再生
特に4と5の比較は興味深い。110万円のCDトランスポートと6万円の「170iトランスポート」との対決。
まず、最初に基準となる4の原盤を10分ほど試聴して音質を耳に叩き込む。
次に3へ。「ほとんど4と変わらないな~」とM崎さん。「そうでしょう~」と自分。
次に2を試聴。「かなり落ちる」というのが共通した感想。
そして1を試聴。「3よりは落ちるものの2よりはいい」というのが結論。大方の予想どおり「ウィンドウズ」よりも「マック」の方がいいことを確認した。もっとも、断定は禁物で「この条件下のもとでは」という但し書きつき。
最後に、4と5の比較に移ったが両者互いに拮抗しているのに驚く。値段の差を考えれば驚異的である。強いて言えば5がやや音の重心が上がるようで、高域に華やかさがある代わりに落ち着きのない音になる。
最近「オンキョー」から出ている15,000円程度の同種のトランスポートのほうが「ワディア」よりも低域が充実しているとの話だが別付けの電源部が発売されるともっといいのだが。
いずれにしても、万一「ワディア270」が故障しても「170iトランスポート」で充分代用ができそうなのがうれしくなる。CD盤さえあれば「iTunes」に取り込んで「iPod」に同期させれば簡単に聴けるんだから。
以上の実験を通じて、今後の方向としては明らかにCDよりも「iPod」などを利用としたデジタル・オーディオへと歩みが速まることが予想される。将来「配信音楽がタダになる時代」がやって来るが、そうなればなおさらである。この辺は次の資料を使っていつぞやのブログで紹介したことがある。
「2008年7月29日号:エコノミスト誌」
したがって、いずれウィンドウズとは別に音楽専用のパソコンとして手ごろなマックを購入するのも一案という気がする。少なくともCDプレーヤー(トランスポート)を買い直すよりはずっと合理的。
「圧縮の少ない良質の配信音楽 → マック → USB端子と接続できるDAコンバーター」が主流となる時代がやってくるとなると、いつまでも「パソコン嫌い」を通すわけにもいかないか。
やれやれ・・・。