「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

音楽談義~「新版 クラシックCDの名盤」~

2009年12月27日 | 音楽談義

好評「クラシックCDの名盤」から九年。個性あふれる三者の、魂の丁々発止再び。近年の人気曲も大幅追加したCDガイドの決定版と、解説にあったのが次の本。

「新版 クラシックCDの名盤」(2009.11.20、文藝春秋社)   

著者は、宇野功芳(音楽評論家)、中野 雄(音楽プロデューサー)、福島章恭(音楽評論家)の三氏。

それぞれコメントつきで指揮者、アーチストごとに代表的なCD盤を2~3点づつ紹介してある。

宇野氏については、常套の「歯が浮くような美辞麗句」に”へきへき”する向きもあるようだがまあ、音楽鑑賞にかけては当代一流の方たちと言っても過言ではなかろう。

しかし、何せ「好みの曲目」なんて各人ごとに千差万別なのが実状。一致するのはなかなか珍しいので、評価を真に受けて購入しても自分の気に入るかどうかはあまり当てに出来ないのが音楽という感性の世界。

そこで、この三者のうち二者以上の推薦が一致した比較的確率の高そうな名盤(?)をまずピック・アップし、そのうち、筆者の好みを優先したものを”ご参考”までに挙げてみた。

 指揮者

 ブルーノ・ワルター ベートーヴェン「田園」ハイドン「交響曲100番」

 オットー・クレンペラー  ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」

 ウィルヘルム・フルトヴェングラー  ベートーヴェン「交響曲第九番」

○ ハンス・クナッパーツブッシュ 
ワーグナー「舞台神聖祝典劇パルジファル」

○ シャルル・ミンシュ  ブラームス交響曲第一番、ベルリオーズ「幻想交響曲」

○ カール・ベーム  ベートーヴェン「田園」

○ エフゲニー・ムラヴィンスキー チャイコフスキー「交響曲5番」 ショスタ・コーヴィッチ「交響曲5番」

 セルジュ・チェリビダッケ  ブラームス「交響曲第4番」

○ レナードバーンスタイン マーラー「交響曲第九番」

 
カール・リヒター バッハ「マタイ受難曲」

○ ニコラス・アーノンクール ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲集四季」

○ カルロス・クライバー  ワーグナー楽劇「トリスタンとイゾルデ」

 ピアニスト

○ エミール・ギレリス ベートーヴェン「ピアノソナタ集」

○ 内田光子  シューベルト「ピアノソナタ集」

○ アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ  ラフマニノフ「ピアノ協奏曲4番」

 チェリスト

 
パブロ・カザルス  バッハ「無伴奏チェロ組曲」

○ ピエール・フルニエ  バッハ「無伴奏チェロ組曲」

 ヴァイオリニスト

 ヤッシャ・ハイフェッツ  ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」

 ジョコンダ・デ・ヴィート  ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」

 ヴィオラ

○ 今井信子    (ヴィオラ版)バッハ「無伴奏チェロ組曲」

以上、各アーチストの代表的なCD盤ともなるとやはり比較的ポピュラーな曲目に落ち着いてしまう。因みには自分が所持している盤でごくわずか。

ところで、上記3名の方のうち「中野 雄」氏の解説が自分と波長が合うというか一番ピッタリきた。以前、ケンウッドの代表取締役をされていた方。

その中野さんが「ベタ褒め」をされていたのがポーランドの若手ピアニスト「ラファウ・ブレハッチ」(2005ショパンコンクール優勝:1985~ )。

なにせ、モーツァルトなどのピアノ・ソナタ集、ショパンのピアノ協奏曲などが軒並み「演奏、録音ともに5点満点」。「24の前奏曲集」はコルトー以来の名演とまで。これは是非購入せねばなるまいという気になる。

次に、本書の中からちょっと気になった興味事項を挙げてみよう。

 419頁

~21世紀初頭という時点で”超一流の音楽家”として無条件で世界に通用している日本生まれの国際的音楽家は四人。
「小澤征爾」「内田光子」「今井信子」「五嶋みどり」
だと私は思う。~中略~。だが「五嶋みどり」にはヒットしたCDがない。巧いのに何故だろう。~(中野 雄氏)

今井信子さんは初耳でこれまで自分の認識不足、五嶋みどりさんは国際的な格付け(?)に困っていたところ。

 180頁

~デュトワ(指揮者)は美人演奏家殺しである。アルゲリッチ、チョン・キョンファをものにし、噂では諏訪内晶子にも子を産ませ、それが彼女のDVの原因になったとか。~(宇野功芳氏)

フ~ン、「火の無いところに煙は立たない」というが・・・・。

          


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