社会はかわるし、かえられる!

格差社会の縮小めざして、誰もが安心できる社会をめざして!
 

「共謀罪」への根深い執着

2017-06-13 06:42:29 | 日記

昨日は「税」における「共謀罪」の恐ろし
さを書いたが、内心の自由、人の心を取り
締まる恐ろしさは戦前にさんざん経験して
きたのではなかったか。

治安維持法と特高警察を再現させてはなら
ない。

しかし、権力の中枢には特高警察の流れが
居座っているのでは。

この本を読むと公職追放された特高警察の
ほとんどが復活し、国家の中心を占めてき
たことがよくわかる。

柳河瀬 精 著、2005年

治安維持法で逮捕され拷問で虐殺されたり
獄死した人が194人、獄中で病死した人が
1503人、逮捕投獄された人は数十万人。
宗教者も数多く投獄された。

こうした犯罪を行った特高官僚が、戦後に
続々と復活し、警察の中心に居座り続けた。
新しい憲法、新しい警察法のもとで、脈々
と「思想警察」の流れを持ち続け、次の警
察官僚の世代に引き継いできたのではない
か。戦後の「民主警察」が大きく歪められ
てきた原因ではないか。

安倍首相は、個人情報をはじめ、あらゆる
情報が集中するこうした警察出身官僚を側
近に置いており、保身に使っている。

マスコミに情報をリークしたり、犯罪を公
然と握りつぶしたのではないか、という批
判がまきおこっている。
(官邸のアイヒマンなどとも呼ばれている)

公正、公平であるべきものを「私物化」し
ているという批判がわき起こっている。
政治の「私物化」は、まさに「腐敗」その
ものだ。
それを力で抑えようとするのが「共謀罪」
法案である。

何百万人の命を失った戦争から、勝ち取っ
た日本国憲法。内心の自由をはじめとした
人間の自由を奪わせてはならない。

「共謀罪」法案を廃案に!


行為と「共謀」

2017-06-12 07:47:26 | 日記

昨日は社長さんをはじめとした方々の集ま
りのごあいさつで「共謀罪」の危険性を訴
えた。

いま国会にかけられている「共謀罪」法案
の対象にしている277の法律のなかに、法
人税法、所得税法、消費税法が入っている。
この罰則に、「偽りその他不正の行為によ
り・・・10年以下の懲役」という規定があ
る。いわゆる脱税のことだ。
要するに「行為」に対して犯罪としている。

しかし、「共謀罪」法案はこの「行為」だ
けではなく、「計画」段階で逮捕できると
いうことになる。

「計画」のなかに、「相談」も入っている。
国会審議のなかでは「目くばせ」だけでも
「共謀」になると判断されている。
さらに「異議」をとなえなかったので「共
謀」に加担したと判断されかねない。

日本の刑法の基本は、「実行行為」に対し
て適用される。
この大原則が崩されてしまう。

社長さんが「税金が大変なんだよ」と声を
かけたら「共謀罪」の対象になる恐れがあ
る。
そして「密告」すれば、刑を免除できる。

もっとすごいことは、団体にスパイを送り
込み、密告したスパイは刑の免除を受ける。
まさに映画の世界だ

277の法律には、多くの国民の生活に関わ
っているものばかりだ。森林法はキノコ、
著作権法はネットが危ない。

桜の花見でビールと弁当を持っていたら一
般人だなどというデタラメな金田法務大臣
の答弁だけではない。

すべての国民の会話に耳をすます。これは
盗聴社会、監視社会であり、「警察国家」
の到来である。スマホのラインの対象だ。

小説「1984年」は架空の国であったが、
いま日本社会が、そうなろうとしている。

国会で答弁もデタラメ、法務大臣が説明で
きない。こんな法案は廃案しかない。

自民・公明が、「自由と民主主義」を破壊
するトリガー(引き金)を引こうとしてい
る。

いよいよ今週が最大の山場だ。


資本論150年

2017-06-10 06:17:37 | 日記

雑誌「経済」5月号に資本論第Ⅰ巻150年の
特集が組まれている。

私が読み始めたのは70年代であった。
多くの人が指摘するように、やはり最初の壁
は高い。とりわけ「価値」、「使用価値」、
「交換価値」のところでこんがらかってくる。
経済における抽象的思考に慣れていなかった
せいであろうと今になって思う。

しかし「資本主義的搾取」の仕組みにたどり
着くと感動を覚えた。「搾取」というと詐欺
やゴマカシ、ぼったくりなど、不正な利益と
いうイメージがあったが、正義・不正義の価
値観はまったく入り込む余地はなかった。
「等価交換」のなかで生まれる。(えっ

奴隷制や封建制の経済では、「搾取」は目に
見える。しかし資本主義となると、まったく
見えない。8時間働いて8時間分の給料をもら
う。そのどこに「搾取」があるのか?
そこには「現象と本質」を見抜く力、抽象的
な力が必要とされる。

カギは労働と労働力の価値である。

人は意識するしないに関わらず、生きていく
ために目の前の経済的諸関係に入っていく。
生活のため、利益のために好むと好まざると
に関わらず。
資本という「運動と発展」のなかで、多くの
人間の活動のなかで、そのベクトルの方向が
決まっていく。

この時の「資本」とは、貸借対照表のお金や
生産設備という狭い意味ではない。ここがポ
イント。この概念から抜け出すこと。

5月号の140ページに資本論と「中小企業研
究の視点」の小さな一文がある。
マルクスの時代の19世紀の資本主義と違い
今は巨大な資本、グローバルな資本の時代で
ある。そのなかで資本の運動法則が、中小企
業問題を発生させていく。

平均利潤率の傾向的低下の法則のなか、利潤
率が階層化し、独占利潤が生まれる。
しかし、資本主義の長い歴史を持つ欧米と比
べて、国家主導の産業革命により一気に独占
体に突き進んだ日本の特殊性から、深刻な中
小企業問題のあり方を提示している。

先日、国会でセーフティネット保証の改悪が、
行なわれた。自民党が資本側の代表ではなく、
巨大企業の代表に変化し、地域の中小企業問
題に面と向かわなくなっていることを書いた。
( 6月8日付の『保守とは?』を参照)

中小企業問題に真正面から取り組んでいるの
が共産党となっている。
  →共産党の中小企業政策の一部→

資本主義の次にくる経済構造をマルクスは具
体的に描かなかった。描けば「観念論」に陥
ってしまうからだ。
資本の運動法則により、どう発展していくか、
それは未来の世代=今の私たちの世代に託し
ている。
いまだに跋扈(ばっこ)している新自由主義
の害悪とたたかう私たちに。


腹心の友に最大の便宜

2017-06-09 07:29:36 | 日記

加計学園問題=腹心の友に最大の便宜
これを「政治の私物化」と言わずしてなん
と呼ぶのか。

岩盤規制の破壊、特区制度などといいなが
ら、目的は加計学園に獣医学部を設置させ
ること。疑惑はふくらむ一方だ。

文科省をはじめ、状況証拠が次から次へと
出てきた。
国会では、証拠を示さず「関係ない」の繰
り返し。野党の質問に答えず「印象操作」
だとして逆に非難し、時間稼ぎばかり。
委員長から再三にわたって「答えるように」
と注意されるありさまだ。
さらに席にすわれば、野党議員にヤジを飛
ばす。
これほどデタラメで不誠実な首相は過去に
いただろうか。
傲慢(ごうまん)、驕り(おごり)の言葉
がマスコミに登場してきている。

設置される今治市の財政問題が「第2の夕
張か?」と報道されている。千葉県の銚子
市も大学設置の借金が財政を圧迫し、ごみ
袋など市民負担の倍増と商店街のシャッタ
ー通りが放送されていた。

政治の私物化は地方財政まで食いつぶそう
としているのではないか。

「共謀罪」法案も、安倍首相の不誠実さが
きわだっている。

十も二十も「不安」が出されても、いっさ
い答えない。
国連からもプライバシー権への「懸念」が
表明されても、無視したまま。

これほど審議に耐えられない法案に対して、
自民・公明の国会議員からも「声」が聞こ
えてこない。イエスマンぶりがすごい。

今朝の道新に「節税相談も脱税相談に」の
記事が。以前から商売や社長さんから「税
金の支払いが大変だ」と相談したら「脱税」
の「共謀罪」にされかねないと話題になっ
ていた。

もう「廃案」しかない。
四度目の廃案に!

釧路市でも「共謀罪」廃案への緊急行動!
11日(日)13時~ 釧路駅前行動
12日(月)17:30 デモ行進、新橋大通
13日(火)17:30 デモ行進、新橋大通
14日(水)18時~ 釧路駅前行動


保守とは?

2017-06-08 07:30:16 | 日記

昨日の道新の夕刊に「職人の一念」という
コラムが掲載された。
先月亡くなられた自民党の与謝野馨氏につ
いて、印象に残った一言として「結局、自
民党の伝統的な考えは共産党と通じる部分
がある」を取りあげていた。

要旨は、本来の自民党は、地方の、地域の
要求を大事にしてきた理念があった。その
ようなことを与謝野氏に関連付けていた。

先日国会で、セーフティネット保証制度の
5号の保証割合を100%から80%へさげる
法案の可決がされた。共産党は反対の論陣
をはった。

5号保証は、業況の悪化している業種への
融資を積極的に行うものであったが、80%
保証となれば、信用保証協会の審査も厳し
くなり、当然貸し渋りもでてくる。

中小企業にとっては死活問題になる。
実態はどうであれ、本来、こうした中小企
業を守ってきたと自負してきた自民党のや
ることであろうか。

TPP法案の強行可決しかり、賭博合法化の
カジノ法案しかり。

自民党議員の目線が、安倍首相になびき、
地方の、地域の、声を聞こうとしなくなっ
ている。
声が届かなくなっている。

私も地方議会の一員として、住民のさまざ
まな要望を聞き、議会に、行政に反映して
きたつもりだ。議会のなかで、時々「自民
党より、共産党の私が保守ではないか」
と錯覚する時があった。それほど、彼らは
変わってきているし、上ばかりを見ている。

だからこそ、与謝野氏の「結局、自民党の
伝統的な考えは共産党と通じる部分がある」
に目がとまった。

ウルトラ右翼政権の安倍首相は、本来の保
守と違うという発言も出てきている。

とりわけ地方にいる私として、北海道や釧
根地方の疲弊ともいえる経済の状況は、伝
統的な保守さえ踏みつぶしていっているの
ではないか、という思いをもっている。


来年も、生活保護費削減か?

2017-06-07 07:21:17 | 日記

医療・介護・障害の報酬単価の同時改定の
作業が進められているが、生活保護費も
5年に1回の改定作業に入った。
 →6月6日厚労省のHPより→

生活保護費は2003年、04年と連続して引き
下げられ、2013年度から3年かけて6.5%
もの大幅な削減が強行された。
とりわけ母子世帯と多人数世帯の額が激減
した。

その調査が報告されている。
母子世帯で1ヶ月の削減額が、
 1万円超2万円未満ー4万4千世帯
 2万円を超えた世帯ー250世帯

このとき家賃も見直され、大きな都市では、
限度額を下げられたため2万世帯が引っ越し
を余儀なくされている。家賃に関しては、
釧路市はそれほど影響を受けていない。
しかし、入居できる安いアパートを探すの
は大変であり、釧路では古い物件がほとん
どだ。そして寒い!

安倍首相と自民党・公明党はひどいことを
したものだ。とりわけ「福祉の公明党」の
カンバンはとっくにはがれ落ちている。

これからの改定作業も「削減」の方向がみ
えている。調査対象の変更だ。
さすがに委員から懸念が出されている。
山田篤裕氏(慶應義塾大学経済学部)は当日
配布資料として、前回は60歳以上の調査だ
ったが、今回65歳以上とすると、今回の年
金削減が大きく影響するという意見だ。
     (山田委員提出資料を参照)

格差拡大路線の「アベノミクス」は、いっ
そうの弊害を及ぼそうとしている。それも
統計調査という公平性の名のもとに、いっ
そうの引き下げがねらわれている。

もっと声を上げていかなければ!


400兆円のため息~

2017-06-06 07:32:29 | 日記

資本金10億円以上の大企業の内部留保が
400兆円を突破した。1年間で7%増。

最近の選挙では「内部留保300兆円の活用
を」と訴えていた。

大企業のボロ儲けに対して、労働者の賃金
はほとんど上がっていない。
そして、非正規労働の拡大と格差拡大は、
とどまることを知らない勢いだ。
これでは個人消費は増えない。
400兆円を超えて、大企業は笑顔、庶民は
ため息ばかりだ。

地方経済も大変だ。

 釧路市のHP、統計資料から作成

アベノミクスに対して、自民党内からも
異論が出始めている。
しかし「2017年骨太方針(素案)」では、
自画自賛で、安倍首相にとって都合の良い
数字ばかり活用している。(6月2日)
→骨太方針(素案)はこちら→

目線はアメリカと財界・大企業にしかない。
お友達政治と安倍独裁に終止符を!


鉄道高架橋の危機!

2017-06-05 07:22:13 | 日記

3日付道新にJR北海道の高架橋について、
  老朽化 落下事故相次ぐ
  高架橋 重い耐震工事費
  4ヶ所 診断さえ未実施
という記事が掲載された。
JR北海道は、スタート時点から赤字として
「設計」されており、多くの「廃線」予定
されて、沿線自治体から大反対されている。

耐震診断はお金がかかるし、もし「ダメ」
となったら、直ちに耐震強化や建替えが緊
急に求められる。
赤字のJR北海道では無理がある。
 使用開始      耐震診断
 1965年 小樽    未実施
 1965年 七飯     未実施
 1969年 輪厚・大曲  診断中
 1973年 新札幌    実施済
 1975年 旭川四条   未実施
 1975年 稚内     未実施
 1980年 千歳     実施済
   (3日付道新の表から引用)

日本全国の橋や道路、高架橋などの公共施
設は、いずれ老朽化をむかえる。
しかし、バブル時期、その後の財政出動に
よる景気回復の名のもと、公共事業のバブ
ルをおこした。その老朽化がまとめてむか
える時期がある。(下の表)
2037年問題だ。

→日本建設業連合会のHPより(15ページ)

JR北海道の株主は「国」である。株主総会
では、たった一人の出席だ。
公共交通としての株主責任は?

未来の世代に大きな負担を負わせてはなら
ない。

釧路駅の「鉄道高架」は、こうした観点か
らも考えて行かなければならない。

明治時代の「木造」の駅舎という発想もあ
るのではないか。釧路の木材も使う、そし
て観光にも、一石二鳥どころか、三鳥、四
鳥にもなるのでは?


医療・介護関係者は必見!

2017-06-04 07:09:40 | 日記

「ランサムウェア」による世界的なウィル
ス攻撃が行なわれ、イギリスでは病院の機
能が停止し、命にかかわる重大事態になっ
たのは、つい最近のことだ。

標的型メールも、依然として猛威をふるっ
ている。

そうしたなか、厚労省は「医療情報システ
ムの安全管理に関するガイドライン」の第
5版を出した。
        →こちら→

カタカナなど略語の専門用語がたくさんで
てくるが、あまり気にしないで読むことが
大切だ。
最初からは難しいので、第6章の「6.6 人
的安全対策」(59ページ)から読んでも良
いのではないか。それぞれの項目の最後に、
最低限のガイドラインが列挙してある。

現在のの情報システムは、100%安全とい
うことは絶対ありえない。

ならば、最低限の守るべきことをやるしか
ない。

現代はネットワーク無しでは成り立たない。
とりわけ病院内システムは人の命にかかわ
る問題になる。


印象操作 ?!?!

2017-06-03 07:15:54 | 日記

安倍首相の「印象操作」という発言がきわ
だっている。

追いつめられると「それは印象操作だ」と
決めつけ、追及はすべて否定する。
議論を打ち切る「便利」な言葉だ。
同時に、安倍首相の「反知性主義」の最た
るものではないか。

森本問題、加計問題では、交渉過程の記録
などの資料は出さない。すべて破棄した、
存在しない、など。
これでは議論にならない。
そして、産経、読売新聞とメディアを選別
して、そこでしか話さない。

姑息であり、これが一国の首相であろうか。

そうした中、財務省がコンピューターシス
テムの更新を理由に、過去の交渉時のデー
タを完全消去しようとしている。
          (3日付朝日新聞)
森本問題の証拠隠滅だ。

コンピューター上の「削除ボタン」だけで
は、ディスク上にデータはまだ保存されて
いる。
さまざまな復元措置を行えば復活する。
簡単なものでは、フリーの「復活ソフト」
がある。(USBやSDカードなど、うっか
り削除してしまったとき役に立つ)

しかし、システムを更新してしまえば、永
久に消滅する。
こんな証拠隠滅は絶対にさせてはならない。

現在のシステムは、データを守るためにさ
まざまな技術を用いている。
ソフトは再インストールできるが、データ
は失われれば取り戻せない。
そのためRAID(レイド)やクラウド、災
害対策のため、遠い地域にデータをバック
アップしておくなど、さまざまな対策を行
っている。

記録を完全に抹消し、安倍首相の「印象操
作」発言手法に手助けさせてはならない。


ねらわれる障がい者の軽度サービス

2017-06-02 07:01:54 | 日記

釧路市でも、介護保険から除外された要支
援1・2の人たちのサービスが始まった。

介護保険の利用料も一昨年の2割負担の検
証もされないまま、今度は3割負担だ。

今年の国家予算のうち、社会保障費は自然
増1400億円をカットした。

すべては社会保障の削減ありきで進められて
いる。

来年度はどうなるのか。

来年度は、6年に1度の診療報酬・介護報
酬同時改定。プラス、障害福祉サービス報
酬改定でもある。

予算の骨格、方向性を示すのが「財政制度
等審議会」だ。5月25日に正式に「建議」
が行われた。
  →こちら→
  (一括ダウンロードをみてほしい)

PDFの25ページの障害福祉の項目
いずれのサービスにおいても人口当たりの利用者数と人口当たりの事業所数には正の相関があり、中でも、利用期限がなく、支援区分の低い者や支援区分がない者の利用が多いサービスにおいては、特に強い相関が見てとれる。

支援区分の低い者の利用サービスに「特に
強い相関」と指摘している。

介護保険と同じではないか!

障害者支援区分と介護保険の要介護とは、
質的にまったく違う。

政府は障害者支援を介護保険に統合しよう
としたが、障がい者団体の強い反対運動で
ストップした経緯がある。

医療は大幅なベッド削減などで診療報酬を
削減しようとしている。

今回の財政審の「建議」に対して、日本医
師会の横倉義武会長は、分析方法によって
は、全く逆の結果が導き出されるとした上
で、建議におけるデータの扱いについて
「かなり恣意的。大変遺憾に思う」と批判
している。(CBニュース、5月31日)

医療、介護、障害、ともに目が離せない。


クロノスタシス

2017-06-01 08:39:44 | 日記

水鏡推理シリーズを読み終わった。
最新刊が、第6巻「クロノスタシス」で、
過労死がミステリーの中心になっている。

壁にある時計を見たとき、秒針が止まって
いると感じたことはないだろうか。
この一瞬止まってみえる現象を「クロノス
タシス」と呼んでいる。

クロノスは時間の意味で、いわゆる時間の
「錯覚」のこと。
さて、これがどのように絡んでくるのか。

過労死バイオマーカーが示すPDG値。この
数値に対して瑞希は「有給が却下される理
由づけにつかわれたりしませんか。危険値
でないから過労ではない。休ませない」と
疑問をストレートにぶっつけている。

悪用されかねない疑念がある。
これが最後に生きていくことになるのでは
ないか。

PDG値の正確さを調査するため、過労死し
た職員の恋人から事情を聴こうと追いかけ
ていくと、驚くべき展開になっていく。
この展開は読んでのお楽しみ。

それにしても「カローシ」が英語に訳せな
いため、そのまま日本語が使われるように
なってしまった。
その国の文化と資本主義の問題が複雑に絡
み合っている。
キリスト教文化圏では、週1日の休みは神
の天地創造からくる。仏教にはこの発想が
ない。千日回峰行のような荒行・苦行が
「悟り」への道というものがある。

仕事のなかで、自らを追い詰める。相談す
る環境にはない。
子どもは「いじめ」があっても相談する相
手がいない。
まさに「一人の道」状態である。
  (昨日、youtubeで紹介)

過労死から、社会の構造、仕組みまで深く
考えていかなければ。
労働基準法をはじめとしたさまざまな法や
規制が守られず、破られている。そして法
律そのものも「規制緩和」の名のもと、ど
んどん悪くなっていく。なぜなのか?

そのためにも、私は「資本論」を薦めたい。

最後に、水鏡推理シリーズを
水鏡推理1
水鏡推理2 インパクトファクター
水鏡推理3 パレイドリア・フェイス
水鏡推理4 アノマリー
水鏡推理5 ニュークリアフュージョン
水鏡推理6 クロノスタシス

今回は、スーツ姿で泥だらけ、ボロボロな姿
の危機一髪はなかった。しかし瑞希の命の危
機が迫っていた。(すこしンネタバレ)