法廷の推理小説家の和久俊三さんが亡くな
っていた。
小説を書くために弁護士になったという異
色の作家だったと記憶がある。
漬物の「赤カブ」が大好きな検事の「赤カ
ブ検事シリーズ」がテレビドラマでも有名
だ。
私は正義感をもつハツラツな花吹省吾弁護
士や老練な弁護士・猪狩文助も好きだ。
とりわけ、今は亡きいかりや長介さんの猪
狩文助役はピッタリだと思った。
よぼよぼな爺さん弁護士、読むのも指を舌
でなめ、ゆっくりめくる動作は相手をあざ
むく手法。姿・形で相手はすっかり油断し
最後にやりこめられてしまうという痛快な
展開となっている。美人で若き相棒とのや
りとりもおもしろい。
私は議員時代、法律などに関わる相談での
相手の話を聞くうえで、随分と参考になっ
たことがある。
リーガル・サスペンス小説家・中嶋博行氏
は、あとがきで弁護士3原則なるものを書
いていた。
①ヤクザの代理人になるな
②首切りの代理人になるな
③金貸しの代理人になるな
社会正義と基本的人権の擁護者としての弁
護士の姿を示している。
これと同じ弁護士が登場しているのが、和
久俊三氏の著作だと思った。
和久俊三氏の本は、ほとんど処分してしま
ったが、今読んでも充分堪能できるのでは
と思っている。
それにしても惜しい人が亡くなった。