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資本論150年

2017-06-10 06:17:37 | 日記

雑誌「経済」5月号に資本論第Ⅰ巻150年の
特集が組まれている。

私が読み始めたのは70年代であった。
多くの人が指摘するように、やはり最初の壁
は高い。とりわけ「価値」、「使用価値」、
「交換価値」のところでこんがらかってくる。
経済における抽象的思考に慣れていなかった
せいであろうと今になって思う。

しかし「資本主義的搾取」の仕組みにたどり
着くと感動を覚えた。「搾取」というと詐欺
やゴマカシ、ぼったくりなど、不正な利益と
いうイメージがあったが、正義・不正義の価
値観はまったく入り込む余地はなかった。
「等価交換」のなかで生まれる。(えっ

奴隷制や封建制の経済では、「搾取」は目に
見える。しかし資本主義となると、まったく
見えない。8時間働いて8時間分の給料をもら
う。そのどこに「搾取」があるのか?
そこには「現象と本質」を見抜く力、抽象的
な力が必要とされる。

カギは労働と労働力の価値である。

人は意識するしないに関わらず、生きていく
ために目の前の経済的諸関係に入っていく。
生活のため、利益のために好むと好まざると
に関わらず。
資本という「運動と発展」のなかで、多くの
人間の活動のなかで、そのベクトルの方向が
決まっていく。

この時の「資本」とは、貸借対照表のお金や
生産設備という狭い意味ではない。ここがポ
イント。この概念から抜け出すこと。

5月号の140ページに資本論と「中小企業研
究の視点」の小さな一文がある。
マルクスの時代の19世紀の資本主義と違い
今は巨大な資本、グローバルな資本の時代で
ある。そのなかで資本の運動法則が、中小企
業問題を発生させていく。

平均利潤率の傾向的低下の法則のなか、利潤
率が階層化し、独占利潤が生まれる。
しかし、資本主義の長い歴史を持つ欧米と比
べて、国家主導の産業革命により一気に独占
体に突き進んだ日本の特殊性から、深刻な中
小企業問題のあり方を提示している。

先日、国会でセーフティネット保証の改悪が、
行なわれた。自民党が資本側の代表ではなく、
巨大企業の代表に変化し、地域の中小企業問
題に面と向かわなくなっていることを書いた。
( 6月8日付の『保守とは?』を参照)

中小企業問題に真正面から取り組んでいるの
が共産党となっている。
  →共産党の中小企業政策の一部→

資本主義の次にくる経済構造をマルクスは具
体的に描かなかった。描けば「観念論」に陥
ってしまうからだ。
資本の運動法則により、どう発展していくか、
それは未来の世代=今の私たちの世代に託し
ている。
いまだに跋扈(ばっこ)している新自由主義
の害悪とたたかう私たちに。


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