そして、メディアは日本を戦争に導いた

半藤一利氏と保坂正康氏。昭和史の第一人
者の二人の対談は私たちを唸らせる。
2013年10月に発行されたものを2年後に改
めて現在の状況を取り入れて文庫化した。

（550円　文春文庫 2016年3月）

昭和5年、8年、10年と・・・、同じような
ことがいま、起こっています。戦争の悲惨さ
をまったく知らない、そして・・・体験のな
い人たちが、ちょうど、現在のトップにいま
す。本当に皆さん、良い家のお坊ちゃんたち
で、苦労知らずにそれぞれのいい環境で出て
きて、天下を取りつつある。（P38）

最近、赤旗にも登場した半藤一利氏。
「戦争法」まで強行してしまった今の政局と
メディアに警告を発している。

戦前、軍部の圧力で沈黙せざるをえなかった
新聞といわれているが、本当は日露戦争での
戦争報道で部数を飛躍的に伸ばし、「儲かる」
ことを経験してしまったことを暴露している。

このことがテレビでのイラク戦争の実況中継
にも極端にあらわれたのではないか。

昭和一桁に似てきている現代日本（P199）
私が昭和一桁の歴史から学んでほしいなと思
うのは、まず教育の国家統制が始まるとまず
いということです。それから、情報の統制が
はじまるとこれがいちばんよくない。・・・
さらに、テロ、こうした順で社会がおかしく
なってくる・・・

現代のナショナリズムの扇動（P202）
－－私は40代の後半なんですが、私たちの世
代にはナショナリズムに対する免疫がないん
です。・・・どっぷりとはまりやすやすい。

まさに現代のことではなかろうか。
この本は、現在の、特に若いマスコミ人に読
んでもらうものではないか、と思う。ジャー
ナリストであろうとするなら。

二人の対談のなかに、
今の状況だと一年でファシズム化してしまう
のではないか。
半藤さん、正直言って、僕はもう余り長生き
したくない気がしますよ。
いや同感です。私も女房と話しているんです
よ。早いところ逝かなきゃダメだと。

こんな思いにさせていることに、私たちの世
代に責任がある。
歴史は繰り返すというが、私たちはこれを、
「小さな繰り返し」に止めること。そして歴
史の流れを平和の方向に進めるために努力す
ることが喫緊の課題だ。

「私物化」 極まれり！

自衛隊、防衛相まで、自らのの選挙に利用
しようとする。
自衛隊は強大な軍事力を持つ国家権力のな
かの実力組織である。
なんと恐ろしいことか。

稲田朋美防衛大臣の都議選候補者への応援
演説でのこと。
「自衛隊・防衛相とも連携のある候補だ。
ぜひ2期目の当選、本当に大変ですから、
お願いしたい。防衛相、自衛隊、防衛大臣、
自民党としてもお願いしたい」と。

そもそも防衛職員や自衛隊員が任官のとき
の「服務の宣誓」に「政治活動に関与しな
い」がある。

稲田防衛大臣は、即刻辞任すべきだ。
辞任しなければ、任命権者の安倍首相が罷
免すべきだ。

森友・加計学園、さらに国会まで安倍首相
の政治の「私物化」が問題になっている。
安倍首相だけではない。その「お友達」も
「私物化」に対して無感覚になっているの
ではないか。

稲田防衛大臣は、南スーダンの陸上自衛隊
の「日報」での虚偽答弁、教育勅語の礼賛、
森友学園とのかかわりでの虚偽答弁など、
大臣として、もう無理だ。

自民党の豊田議員もパワハラ・暴言で多く
の国民に衝撃を与えた。

安倍政権の「劣化」がいわれて久しい。
今回は、その象徴的な出来事だ。

都議選が終わり次第、国民に信を問うこと
こそ求められている。

獣医学部の設置・・・支離滅裂

安倍首相の言動が「支離滅裂」と言おうか、
思い付きと言おうか、ひどくなってきた。

加計学園を選定する過程での「私物化」の
疑惑に対して、まともに答えられなくなり、
「もうめんどくさい、みんな認めてしまえ」
となっているのではないか。

もともと岩盤規制をドリルで穴をあけると
威勢よく話していたが、問題はそのドリル
の小さな穴になぜ加計学園だけが通ったの
かである。ほかにも設置したい大学があっ
たにも関わらず。　百歩ゆずったとして、
もし規制緩和で設置が決まったなら、プロ
ポーザル方式などの公平な入札にすべきで
なかったのか。このことが問われているの
だ。

首相の発言の度に、周りがふりまわされて
いるのではないか。
さまざまな手順や組織的検討など眼中にな
く、首相一人でなんでも決められると思っ
ているようだ。

これは「個人独裁」そのものだ。

この間の国会もひどいものであった。
議会制度も、日本国憲法も眼中にないかの
ごとくであった。
いや、そもそも日本国憲法の全体像への無
理解、無知なのではないか。

国会論戦で、憲法98条を使って共産党攻撃
をしていた。
あなたが首相になり、自衛隊違憲といえば、
自衛隊法は無効となる、というトンデモ論
を展開していた。

98条と81条の関係が、さらには三権分立も
まったくわかっていないのではないか。
本当にはずかしい。

森友、加計学園はいまだに闇の中だ。
安倍首相にやめてもらい、第三者機関による
調査が必要だ。

安倍首相の「私物化」と暴走を止めるために。

葬斂屋

葬斂屋（そうれんや）とは葬儀を執り行う
人のこと。
人間の喜怒哀楽や思いやりという優しさが
凝縮するのが「死」のときではないかと思
う。

ひとつ２ページにまとめた葬儀にまつわる
70のお話だ。大阪民主新報に掲載されたも
のをまとめ、本となった。

一つひとつ読み進めていくとあたたかい気
持ちになっていく。

私も議員時代、困難で大変な葬儀のお手伝
いをしてきた。100人いれば100人の葬儀
があるように皆違う。お金がなくても心を
こめて送らなければと思っていた。

HPでも紹介したが、この本もすごい。

3年前だが、その時の紹介は、
札幌への往復で、文庫版「遺体」を読んだ。
 読みながら嗚咽してしまった。
テレビで放映された街を襲う津波映像。私は、その年の7月に気仙沼へボランティアで訪れた。４か月経っても異様な臭いが満ちていた。その裏でこのような事が展開されていた。何十倍もの異様な臭いのなかで。
 何百もの遺体を取り扱った民生委員の千葉さん、市職員の松岡さん、医師、歯科医、海上保安庁職員、自衛隊員、消防署員・団員など、たくさんの方々が登場する。茫然自失な状態から、それぞれ自分が必要されていることを自覚していく。人間としての尊厳を守ってきた方々に敬意を表したい。
ぜひ一読を。そして、二度とあってはならないこととして。

地震・津波は天災だが、先の大戦＝戦争は
人災そのものだ。
日本人3Ⅰ0万人、世界では6000万人とも
いわれる途方もない人命が失われた。 

国連憲章の前文では、
われら連合国の人民は、われらの一生のうち二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念を改めて確認し、 

日本国憲法の前文では、
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言
そして、９条に結実した。 

安倍一強といわれる政治が、きな臭くなっ
ている。秘密保護法、戦争法、そして共謀
罪。9条に第３項を追加する。
日本が再び戦争への道を歩んでいる。不安
な雲が日本中を覆っている。

この流れにストップをかけなければ。
理不尽な「死」はあってはならない。

オスプレイ来るな！

オスプレイ訓練反対別海集会（25日別海町西春別）

8月に北海道で行われる日米共同訓練にオ
スプレイが。
オスプレイは墜落の危険性と騒音問題。
ホバリングの騒音は半端でない。牛の暴走
や搾乳に不安だ。酪農地帯の別海では脅威
だ。

講演は松元剛氏（沖縄の琉球新報のジャー
ナリスト）で、沖縄大学でのヘリコプター
墜落事件やオスプレイ墜落事件を詳細に語
ってくれた。
特にオスプレイの「墜落」の第一報を報じ
た後、これは「不時着」であったとの国か
らの報道との軋轢があったことを述べた。

米軍も「ハードランディング」の一点張り。
しかし、写真を見れば一目瞭然。専門家も
「これは墜落だ」というようにはっきりし
ていた。

聞いていて、軍隊は、政府は、「ウソ」を
つくということがよくわかった。
やはり、そこの真実を追求するのがジャー
ナリストの本領だと思った。

秘密保護法、戦争法、そして共謀罪。
戦争への流れが強まっているなかでの、軍
事演習の強化が進んでいる。

オスプレイだけではない。今度は、釧路市
から矢臼別演習場までの70キロを、戦車の
キャタピラ走行を行なおうとしている。
当初は９０式戦車の予定であったが、途中
の橋が重さに耐えられないとして中止。代
わりに走る78式戦車回収車は74式戦車にク
レーンをつけたもの。89式装甲戦闘車もキ
ャタピラだ。深夜に釧路市内を走るとなる
と、かなりの騒音と渋滞を引き起こすので
はないか。

演習は確実に拡大している。だからこそ監視
が必要だ。

平和の詩

今日も朝が来た。
母の呼び声と、目玉焼きのいい香り。
いつも通りの
平和な朝が来た。
72年前・・・

これは「誓い～私達のおばあに寄せて」
の冒頭の言葉だ。高校生が朗読した。

昨日は沖縄「慰霊の日」であった。
この日の「平和の礎」には新たに54人の
名前が刻まれ、241,468人となった。

1944年末から1945年8月15日までの歴
史は記憶に留めなければ。
1945年2月14日　近衛文麿が上奏文
          3月10日　東京大空襲、10万人
          3月26日　沖縄戦、24万人
          5月　　　ドイツ無条件降伏
          7月14、15　釧路空襲
          8月6、9　広島・長崎への原爆
          8月15日　日本の降伏

沖縄は唯一の地上戦であったからこそ、
「戦争の不条理と残酷さを体験した沖
縄県民は」と翁長知事は平和宣言を行
った。

それに比べ、まったく中身も、心もな
いのが安倍首相であった。

戦前の日本を「美しい国」と称え、戦
争法、共謀罪を強行し、国民と沖縄県
民の思いに真っ向から挑戦している。
会場で、一番ふさわしくない人間では
なかったのではないか。

誓おう。私たちは・・・

この式典で朗読された詩に応えなけれ
ば。

（24日付赤旗に全文掲載）

人と技術・・・電機産業

25日付赤旗日曜版に「どうする電機産業の
衰退」、そのために「人と技術大切に」と
いう記事が載っている。

シャープやTOSIBAなど、日本の電機産業
の衰退を示す出来事があいついでいる。
私も若い時は電機産業に身を置いていたの
で関心は高い。

原因は？

図のように、収益の中身が急速に金融にシ
フトしており、電機としての本業が・・・
そのうえ「大合理化」によって、5年間で
35万人の正規労働者をリストラしている。
下町の中小企業の技術力も、単価の切り下
げで疲弊に陥っている。

これで技術力の強化はできるのか。

バランスシートの数字は大切だが、収益に
こだわりすぎると会社が傾く。経理畑出身
の経営者は要注意といわれている。

問題は「本業」ではないか。

記事の最後は、収益依存体質から抜け出し
て、本業重視に立ち返り、人と技術を大切
にすることと締めくくっている。

個人の成果主義の賃金体系が日本人のチー
ムワーク力を壊しているといわれて久しい。

現場では、非正規労働者や外国人労働者を
多用するため、管理できなくなっていると
いう。マニュアルだけでは人は成長しない。

そういえば三菱重工の最新鋭のコンテナ船
が、インド洋でまっぷたつに折れて沈没し
たというニュースも流れた。
また、TOSHIBAと日本郵政で合わせて１兆
円の損失を出した経営者も話題に・・・

いかにコンピューターが発達しても、技術
は人である。
人と技術を大切に。

真俗二諦

真俗二諦（しんぞくにたい）
・・・仏教者が戦争に加担していった教義。
仏典から一部を取り出し、それを国家への
協力の論理に使った苦い教訓である。
ローマ人への手紙 13章
・・・人はみな、上に立つ権威に従うべき
です。
この教えもキリスト教信者を国家に協力さ
せていった論理に使われた。

仏教者も、キリスト教者も、経典や聖書の
一部を取り出し、本来の教えをねじ曲げて
戦争国家に協力していく。
この強制への最大の力は「治安維持法」で
はなかったのか。
逆らえば教団は弾圧を受け、解体してしま
う。大本教のように、「神道」の教団さえ
も国家の言うことを聞かなければ弾圧を受
け、破壊されていった。

こうした戦争に協力していった反省から、
戦後に「全日本宗教平和会議」が開かれ、
平和への道をふみ出していった。

「共謀罪」への反対運動も、多くの宗教者
が取り組んでいた。信仰の自由への脅威だ
からだ。

しかし、「共謀罪」を推進した宗教団体も
ある。そのひとつが創価学会である。
戦前、会長が治安当局と協力していた創価
教育学会は、治安維持法で弾圧されたので
はなかったのか。初代会長は獄死。
　　去年の6月のブログ→こちら→

治安維持法のときも「一般人は関係ない」
とされた。今回の「共謀罪」も、まったく
同じウソをつき通している。

今週25日付赤旗日曜版では、瀬戸内寂聴
さんが「共謀罪法の成立はとんでもない」、
「最近は軍靴の音が聞こえてきそう」と
安倍”一強”状態を変えて、と訴えている。

「内心の自由」「信仰の自由」に土足で
踏み込んでくる「共謀罪」は廃止しかな
い。

ドイツの牧師マルティン・ニーメラーの
言葉
「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」

戦前の日本も同じ道をたどった。

「無辜の民」は引っ掛かった

18日付北海道新聞の評論「異聞風聞」に、
「『無辜の民』は引っ掛かった」が掲載さ
れた。無辜（むこ）とは罪のないこと。
本郷新の力作、開拓者慰霊碑「石狩―無辜
の民」を思い出す。

「共謀罪」が強行可決されてから、各界の
方々から批判の記事を見かけるが、この記
事は本来のジャーナリストらしい記事だ。

つぎの俳句が弾圧された。
［われ等馬肉大いに喰ひ笠沙雨］
［溶岩に苔古り椿赤く咲く］

馬は軍馬として戦地で立派に役目を果たし
ている。それを食べるとは反軍的だ。
赤い花は共産主義を称賛している。

まさに「こじつけ」そのものだ。

戦前の治安維持法は、文芸誌にも検閲の眼
をひからしていた。

同じ時期、北海道でも日常をそのまま書く
作文教育「北海道綴り方」も弾圧された。
佐竹直子著「獄中メモは問う　作文教育が
罪にされた時代」（道新選書）
作文も「犯罪」にされた時代であった。

内心の自由が侵されるとき、それは戦争へ
の、弾圧体制が出来上がっていくときだ。

「一般人は関係ない」という政府答弁。こ
れが戦前の治安維持法のときと同じである
ことを引き出している。

日本国憲法を否定する「共謀罪」は、廃止
しかない。

こうした骨太のジャーナリストの評論が次
から次へと出てほしい。

あらためて「獄中メモは問う」も読んでほ
しい。こんな時代を再現させてはならない。

日本の子ども、格差と貧困

相も変わらず日本の子どもの置かれている
環境は悪い。

ユニセフ（国連児童基金）がSDGsで先進
各国を順位づけた。
SDGs（The Sustainable Development
Goals）＝持続可能な開発目標

　　　レポートカード14はこちら→

日本は健康と教育では比較的良いが、格差
と貧困はひどい。
　　子どもの貧困では23位
　　格差では32位
　　責任ある消費と生産は36位　　
（10ページに国別の表）

責任ある消費と生産とは「つくる責任、使
う責任」という国連での「国連持続可能な
開発サミット」のテーマである。

 

日本は先進国と言われて久しいが、その内
実は「格差と貧困」を拡大してきたのが現
状ではないか。
これがはっきり表れてきたのがバブル崩壊
後「新自由主義」が大手をふるってきたか
らだ。

自民・公明の政治が進めてきた経済政策だ。

「レポートカード14」は、具体的な方策を
提言している。
そのなかに「持続可能な開発」を尊重する
とともに、「平均値はしばしば深刻な不平
等や最も困難な状況にあるグループを覆い
隠す」と指摘している。

なにか日本の学力の「平均点競争」を批判
しているようだ。
同時に国連から日本の教育の「過度な競争」
に注意がむけられている。

子どもをめぐっても、いよいよ政治を変え
なくては。
「共謀罪」の恐ろしさが、子どもや孫の世
代の自由を破壊する前に。

縮む政治家

道新に「自治変容、政策決定の今」が連載
されている。２回目の今日は「地元代表の
姿希薄」。

小選挙区制は地域が小さく分割され、まさ
に「地元代表」のはずであった。しかし、
結果は「官邸独裁」となり、「上位下達」
となっている。
TPPが典型例ではないか。JR北海道問題も
そうだ。

連載の２回目の最後に「・・・町長は『今
の国会議員は道民のことを全然見ず、官邸
や党幹部を見ている』と漏らした」と書い
ている。

ようやく自民党の国会議員の「イエスマン」
ぶりに、問題の光をあてようとしてきた。

８日付のブログに、私の地方議員時代に感じ
た「私の方が『保守』ではないか」と書いた。
　　　　こちら→

全国世論調査（今日の2ページ目）
共謀罪「説明不十分」・・・81％
自民支持層でも・・・・・・68％

こうした中でも「テロ対策のため」と称して
自民党議員は、軒並み賛成していった。
公明党の参議院での賛成討論は、あまりにも
ひどい。弁護士出身らしいが、完全にロボッ
トだ。はずかしい。

小選挙区制は、官邸に逆らえば「公認」され
ない。国会議員のイスにしがみつく強烈な姿
勢がここで生まれる。

私たち共産党の政策は、地域から、国民の生
活から生まれる。そして企業・団体献金、政
党助成金をみずから禁止している。国民一人
ひとりと結びつく土台だ。
だからこそ、TPPを推し進めるグローバル大
企業に堂々とものが言える。

国会は閉じたが、「共謀罪」の恐ろしさが現
れてくるのはこれからだ。
「共謀罪」、「戦争法」、「秘密保護法」は、
国会で廃止ができる。

そのためには、市民と野党共闘の力が必要だ！

党の「鉄道政策」

今年の4月末に日本共産党が発表した「鉄
道政策」がパンフレットになった。
　　　　→こちら→

最大の問題は、「国の責任」につきる。
国鉄の「分割民営化」のとき、JR北海道の
採算計画は、長期的にみても黒字にはなら
ない。だからこそ7000億円近い積立金を
置き、その利子で赤字を補てんしていく計
画であった。

しかし、その後金利は低下し、ゼロ金利が
続き、今では異常な「異次元緩和」となっ
ている。

国の分割民営化と積立金による経営計画こ
そ、今日のJR北海道の最大の問題がある。

そして民営化になっても、JR北海道の株主
は、国土交通省の一人だけである。
巷にいわれる「株主責任」はどうしたのか。

16日に「地域公共交通シンポジウムin釧路」
が開かれた。
日本各地の事例など出されたが、困難な状
況はよくわかる。

JR西日本の広島と島根を結ぶ鉄道「三江線」
が、来年4月に廃線となる。地元沿線の存続
運動を記録した本を読んだ。この本では多く
の住民が多大な努力を積み重ねてきた。が、
JR西日本の廃止方針は変わらない。

シンポジウムで出された意見も、この本で
取り組まれたものも出されていた。

しかし、だ。国の責任、民営化した国会議員
の責任を表に出すべきだ。
全国一体での鉄道網の復活こそ求められてい
るのではないか。

存続のために、どんなも小さなものでも取り
組んでいくべきだと思う。そのうえで、国の
責任をしっかり求めるべきだ。

政治の責任が重い。

刑法の大転換！

「行為」がなくても「犯罪」として取り締
まることができる。
では何を取り締まるのか？

「共謀」＝人の考え、思ったことを取り締
まることになる。
それが、２７７もの法律を対象としている。
法人税や消費税など、会社の社長さんは危
ない立場になる。著作権法は、表現の自由
を大幅に委縮させるであろう。

人の考えを取り締まる。そのためには徹底
的な「監視」と「密告」しかない。

恐ろしい法律をつくってしまったものだ。

国会の論議でも、答弁は二転三転。
桜の花見問題、キノコ採り問題など、ほと
んどデタラメであった。
さらに「一般人は対象ではない」答弁も、
一般人との線引きは「ない」ということが
わかり、すべて警察の胸先三寸で決まる状
況であった。
テロ対策は、それが目的ではないことも明
らかになってしまった。
すべてが「あいまい」で抽象的な答弁に終
始していた。

昔の国会では、こんな法案は廃案になって
いた。

何が変わったのか。
4割の得票で8割の議席を得る小選挙区制に
よる自民党の「個人独裁」があまりにも強
くなってしまったからだ。

弁護士や元法曹界の人たちの大反対を押し
切っての強行であった。

各地域の自民党議員のイエスマンぶりを見
ればよくわかるのではないか。

歴史の発展は、戦前の治安維持法の流れを
許さない。

国会で決めたものは、国会で廃止ができる。
「戦争法」とともに。

日本国憲法のさし示す「大道」に引き戻す
ために、この決意がますます深まった。

午前7時46分、怒りの時間

安倍首相の暴走、ここに極まり！

法務委員会の採決を省略して、直接に参院
本会議で採決。午前7時46分。

参議員での審議はごくわずかな時間。
ひとつ質問すれば、さらに疑問が生まれる。
国連からもプライバシー保護などで報告を
求められているのに。

法務委員長は公明党の議員だ。
法務委員会の責任を放棄し、本会議に丸投
げした。

自民・公明、維新の民主主義の破壊は底知
れない。

良識の府と言われた参議院。いまやその姿
はない。
この意味でも、自民・公明、維新の責任は
大きい。

２７７もの法律が、計画だけで犯罪とされ、
逮捕が可能となる。

一般人か、そうでないかは警察の胸先三寸。
計画を察知する理由で、徹底的な監視、盗
聴、さらにはスパイを送り込むなど、底知
れぬ疑心暗鬼の日本社会が生まれかねない。

冗談ではない。

戦前の治安維持法の社会の再現は絶対させ
ない。

成立した「共謀罪」は、国会で「廃止」で
きる。
戦争法とともに、廃止する国会議員を過半
数にすることだ。

数の力に驕る自民・公明、維新を少数に。
いまこそ、一致点で野党共闘を！

ディストピアはSFではない！

昨日も含め、「共謀罪」法案の危険性を訴
えてきた。小説「1984年」はディストピ
アSFの代表的な小説のひとつだ。

SF的な小説となっているが、現実的には、
72年前の日本の軍国主義、ドイツのヒット
ラーの時代こそ「ディストピア」そのもの
であった。SFどころではない。
72年前は「ディストピア」でなかったか。

政府に意を唱えたり、批判する人間は特高
警察が目をつけ、「おいこら警官」のよう
に引っ張られる。そして「拷問」だ。

ドイツは「ゲシュタポ（秘密国家警察）」
のように、日本と同じような社会になって
いた。

しかし昨日のブログに書いたように、日本
の現在の政権、官僚のなかには、特高警察
の流れを、思想を根強く持っている人たち
がいる。

だからこそ、内心の自由を侵す「共謀罪」
法案を成立させてはならない。

釧路でも連日デモ行進や集会が開かれてい
る。日本の危機的局面に対して、止むに止
まれず声を上げている。

　新橋大通りを行進するデモ（6月12日）

国会審議では、国民の疑念、不安にまった
く答えていない。それどころか、デタラメ
な矛盾した答弁が多い。

審議不十分！
もう一度、出直せと言いたい。

自民・公明、維新の「暴走」を止めよう！

今日は6時から、釧路駅前で抗議集会！