社会はかわるし、かえられる!

格差社会の縮小めざして、誰もが安心できる社会をめざして!
 

そして、メディアは日本を戦争に導いた

2017-06-30 07:29:54 | 日記

半藤一利氏と保坂正康氏。昭和史の第一人
者の二人の対談は私たちを唸らせる。
2013年10月に発行されたものを2年後に改
めて現在の状況を取り入れて文庫化した。

(550円 文春文庫 2016年3月)

昭和5年、8年、10年と・・・、同じような
ことがいま、起こっています。戦争の悲惨さ
をまったく知らない、そして・・・体験のな
い人たちが、ちょうど、現在のトップにいま
す。本当に皆さん、良い家のお坊ちゃんたち
で、苦労知らずにそれぞれのいい環境で出て
きて、天下を取りつつある。(P38)

最近、赤旗にも登場した半藤一利氏。
「戦争法」まで強行してしまった今の政局と
メディアに警告を発している。

戦前、軍部の圧力で沈黙せざるをえなかった
新聞といわれているが、本当は日露戦争での
戦争報道で部数を飛躍的に伸ばし、「儲かる」
ことを経験してしまったことを暴露している。

このことがテレビでのイラク戦争の実況中継
にも極端にあらわれたのではないか。

昭和一桁に似てきている現代日本(P199)
私が昭和一桁の歴史から学んでほしいなと思
うのは、まず教育の国家統制が始まるとまず
いということです。それから、情報の統制が
はじまるとこれがいちばんよくない。・・・
さらに、テロ、こうした順で社会がおかしく
なってくる・・・

現代のナショナリズムの扇動(P202)
--私は40代の後半なんですが、私たちの世
代にはナショナリズムに対する免疫がないん
です。・・・どっぷりとはまりやすやすい。

まさに現代のことではなかろうか。
この本は、現在の、特に若いマスコミ人に読
んでもらうものではないか、と思う。ジャー
ナリストであろうとするなら。

二人の対談のなかに、
今の状況だと一年でファシズム化してしまう
のではないか。
半藤さん、正直言って、僕はもう余り長生き
したくない気がしますよ。
いや同感です。私も女房と話しているんです
よ。早いところ逝かなきゃダメだと。

こんな思いにさせていることに、私たちの世
代に責任がある。
歴史は繰り返すというが、私たちはこれを、
「小さな繰り返し」に止めること。そして歴
史の流れを平和の方向に進めるために努力す
ることが喫緊の課題だ。