社会はかわるし、かえられる!

格差社会の縮小めざして、誰もが安心できる社会をめざして!
 

個人・小規模事業者つぶしのインボイス

2023-09-30 07:14:04 | 日記

いよいよ明日から「インボイス」が始まる。
企業は領収書の発行やシステム改修で大忙しでは・・・

 新たな増税
 個人・小規模事業者つぶしのインボイス
 日本には零細企業が多すぎるので整理すべき
などなど・・・

フリーランス、アニメーター、個人タクシー、農家、さまざまな個人事業者がインボイス反対の声を上げてきた。
ネット署名では54万も集まった。

こうした国民の声をまったく聞こうとしない岸田首相、自民・公明党。
いったい誰の声を聞いているのか。

 People talking without speaking
 People hearing without listening
  (Sound of Silenceより)

自民党の地方議員からの声も聞こえない。
自民党の小選挙区の国会議員はまったく逆らえない。公認を外されたら国会議員になれなくなるから。
国民の声を聞かなくても税金から金が入る「政党助成金」もその役割をはたしている。

「民」の声を聞く政治、下からの民主主義が大きく「劣化」している。

岸田首相は、アメリカいいなりに巨額の兵器を購入するために来年度予算から防衛費をいっきに倍増していく。
大企業は史上最高の利益、内部留保となっているにもかかわらず、いっさい手を付けようとしない。
まさに二つの「アンタッチャブル」である。

「自民党」政治の「終わり」が近づいている。いや、終わりにしなければ。


「シルクロード」の興亡

2023-09-22 07:03:27 | 日記

早いもので、史上最大の闇市場「シルクロード」が閉鎖されてから10年が経とうとしている。

サイバー空間における闇市場「シルクロード」は、違法な薬物、銃、ハッキングツール、盗まれたアカウントやクレジットカード情報など、あらゆる違法なモノを身元が特定されないで売買できる闇市場であった。

発信元を匿名化できる「Tor(トーア)」と暗号資産のビットコインを使い、違法売買の追跡を逃れるシステムであった。

捜査当局は、「シルクロード」の管理人である「DPR」(ドレッド・パイレート・ロバーツ:恐怖の海賊ロバーツ)を追跡していたが、強固な暗号システムの壁に拒まれていた。

 それでもFBIの「第2サイバー特捜班」は粘り強い捜査を行っていた。
そして、DPRのささいなミスを発見し、ついに人物を特定した。

逮捕が10年前の2013年10月1日午後3時14分。サンフランシスコ公共図書館にてシルクロードにログインしていた人物「ロス・ウルブリヒト」を逮捕。29歳のどこにでもいる青年であった。

このドキュメンタリーが、wired.jpに公表されている。
The rise and fall of silk road(シルクロードの興亡)
日本語訳なので私たちでも読める。
 ⇒ こちら ⇒ (夢の跡をクリック)

彼は闇市場の「シルクロード」で8,000万ドル(当時は80億円ほど)も荒稼ぎしていた。

少し抜粋を紹介
夢の跡
 2013年10月1日午前6時、サンフランシスコ国際空港のそばのマリオットホテルのダイニングルームには、・・・ターベルとイェギアヤン、キアナン以外にはほとんど誰もいなかった。
 ・
 ・
 ・
 午後3時14分 サンフランシスコ公共図書館にて。
ロスの席の真後ろで「死ね!」と叫んだ。もめているカップルがいまにも本気で喧嘩を始めるかのように、男は女の襟元をつかんで拳を振り上げる。ロスは一瞬、パソコンから目を離して振り向いた。
 その瞬間、テーブルの向こう側から伸びてきた誰かの手が彼のノートパソコンをつかんだ。
 シルクロードに管理者としてログインしたままのノートパソコンを手に入れた瞬間だった。
 ケンカした男女のカップルも捜査官であった。まるで映画のワンシーンを観ているような出来事であった。
 同時に、アイスランド 国の協力のもと、同国のデータセンターにあるSilk Roadサーバーを差し押さえ、通信を遮断。
 フランスでは、サーバー内にデジタル地雷爆弾が見つかっていた。自己破壊されるようプログラムされていたがこれも回避された。
 そして、Silk Roadのトップページにはこう表示されるようになった。「この闇サイトは、米連邦捜査局によって差し押さえられた」
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サイバー空間に国境はない。
シルクロードのサーバーは各国に分散していた。
その意味でも一国では解決できず、国際協力しかない。

DPRは、複数であったといわれる。
数名が逮捕・起訴されている。
さらに捜査に加わった複数の捜査官もシルクロードの「闇」の世界に引き込まれ、犯罪に手をそめてしまった。

サイバー空間の「ダークサイト」といわれる Tor も進化し続けている。VPNなど暗号通信は当たり前になった。
その後、「シルクロード2.0」が現れた。
違法なモノを売買する「ブラックマーケット」は、さらに広く分散していると言われている。

日本で起きている「闇バイト」による強盗・傷害事件もネットが使われ多発している。首謀者はネットの「闇」に隠れている。

まさにインターネットの「闇」は深い。
人間世界の「闇」を拡大している。

なんでも「デジタル」では、人の顔が見えない。
「デジタル」は、進歩であり、金になるとばかりに「デジタル信奉者」が増えている。特に政治家。

岸田政権、自公政治に監視の目を強めなければ。

追 記
「インビジブル」という映画がある。
透明人間になると人間の悪の欲望が肥大化していくというストーリーであったと思う。
サイバー空間における「匿名性」は、さまざまな犯罪の温床になる。
しかし、独裁国家、人権弾圧の国における反政府勢力、人権擁護団体の通信手段でもある。

やはりサイバー空間は人間社会の反映そのものだ。
違いは国境がないことだ。
現状は、プライバシー保護も、透明性・公開性も、規制も、「発展途上」ということではないか。
政治、社会の努力が強く求められている。


異常に低い日本の最低賃金

2023-09-21 07:30:09 | 日記

北海道の最低賃金が10月1日から960円になる。
昨年より+40円だ。
全国平均が、1,004円になったとマスコミでも大きく報道されている。

それでも先進国から見て、異常に低いままだ。

 9月24日付しんぶん赤旗日曜版より

日本国内でも地域差がひどい。
最高と最低の差が、220円だ。
8時間働いたら、1760円もの差だ。

さらにドイツ、フランス、イギリスと比較すると。

日本の経済がアジア諸国からも追い抜かれ、日本は「二流、三流国」になってしまったと嘆きの声が聞こえてくる。

なぜこんなことになってしまったのか?

原因ははっきりしている。
長年続いた自公政治だ。
世界の中でも極端な「新自由主義」がはびこってしまった。

儲からなければ賃金を上げられない。
企業の生産性が低いから上げられない。
賃金が上がれば物価が上がる。

いろいろな「理屈」がある。
どれもこれも、まちがっている。

賃金と企業利潤は「相反関係」にある。
いわば労働者と資本家の「力関係」で決まる。

日本の労働組合は「企業内組合」がほとんどであり、労働組合そのものが企業に取り組まれてしまっている。

ストがない国として、日本はトップレベルだ。
労働運動としての大きな問題をかかえている。

いま、労働組合のナショナルセンターである「全労連」は、1500円を要求している。

それでもドイツ、フランスより低い。
ささやかな要求でもある。

政治の責任も大きい。
長年続いた「自公政治」を終わらせるときではないか。
同時に、事実上の与党ともいえる維新、国民にもまかせられない。

市民と野党共闘の本格的な前進しかない。


彼岸へ送り込む者たち

2023-09-20 07:47:41 | 日記

今日は彼岸の入り
私の父は先の大戦で中国へ送り込まれたが、戦後に無事帰国した。そして私が生まれた。

多くの日本国民が、中国や東南アジアで命を落とした。
アジア太平洋戦争での軍人・軍属で亡くなったのは230万人、「戦闘」ではなく、その6割が「餓死」と。

二度と戦争はしない。
そして「主権は国民にある」という主権在民を高く掲げた。(この時、主権在民を主張した政党は日本共産党だけであった)
これが日本国憲法の「出自」であり、精神でもある。

戦争推進勢力は「追放」されたが、その後アメリカによって再び日本の支配層として復活した。

戦後の民主化、憲法9条を「否定」しようとする勢力が復活するとともに、アメリカが「9条」を変える中心勢力になっていった。

日本が戦争できる国に、どこまで進んだか。

8年前の昨日、「安保法制」が自公によって、深夜に強行採決された。
そして昨年は、国会にもはからず閣議決定で「安保三文書」を決めてしまった。

来年度予算は、敵基地攻撃の兵器購入のオンパレードだ。
いっきに1兆円も増やす。トマホークをはじめ、多くがアメリカの攻撃兵器だ。(米軍需産業は笑いがとまらない)

「専守防衛」は言葉だけになり、他国は日本に「脅威」を持ち、いっそうの「軍拡競争」に陥る。

「日本外交」がまったくない状況だ。

日本の自衛隊の訓練は「日米共同訓練」が多くなってしまった。
現在、矢臼別演習場でもオリエントシールドが行われている。

名前は「共同訓練」だが、具体的な「指揮権」は?

日本が世界第三位の軍事費をもつ国家に変貌しようとしている。
日本の「防衛」ではなく、アメリカの戦争に加担する「自衛隊」に変貌しつつある。

再び日本国民を「彼岸」に送り込む政治、自公+維新・国民勢力にストップをかけなければ。「専守防衛」の日本に引きもどすためにも。

「彼岸」は天寿をまっとうしてこそ、だ。
「此岸」に生きる私たちの責任でもある。


高齢者と人権

2023-09-18 07:25:18 | 日記

今日は敬老の日
100歳以上の高齢者が過去最多の9万2,139人になったと厚労省が発表した。

この日を中心に「敬老」のさまざまな行事が行われている。

しかし、だ。
政府の高齢者にお金をかけない、負担を増やす政策は続いている。

医療、介護など、高齢者の負担は限界をこえているのではないか。
物価高も生活を直撃している。年金は増えない。

マイナンバーカード、マイナ保険証も高齢者にやさしくない。
マイナ保険証に資産を紐づけて、収入だけでなく、貯金などを持っている高齢者の医療費負担を2~3割にする計画も断念していない。

戦前・戦後を生き抜いた高齢者は「人様に迷惑をかけたくない」、また新自由主義による「自己責任論」も強い。

自公政権は、その気持ちに乗って負担増政治を進めているのではないか。
こうした政策を進める自公政治にこそ「審判」を下さねばと思う。

行政の「冷たさ」も、民間委託で進んでいるのではないか?
先月、釧路市で92歳の一人暮らしの高齢者の水道を停止した「事件」が起きた。それも8月の異常な暑さ、熱中症の注意報が出ているときだ。
水が飲めない、水洗トイレも使えない。命の危険に直結する。

本人は過去の滞納を5カ月の分割払いにし、6月、7月と納めたにも関わらず、突然止められた。
「この歳だから、もう生きていかなくてもいいんだ、と思った」と泣いたとのこと。

お話を聞いたとき、しきりに「滞納した私が悪い」と自己責任を訴えていた。

命の危険もあったので二度と起きないように、9月市議会で日本共産党の西村まさと議員が質問を行った。

市の答弁は、要約すると「本人が言わない限り、福祉とつなげるのは難しい」とマニュアル通りであった。(電気、ガスも同じである)(本人は伝えているが、民間から市に伝わっていない?)

マニュアルがおかしいのではないか。なぜ92歳の一人暮らしの高齢者の水道を停止できたのか?
なぜ命の危険性を感じなかったのか?

行政が行う本当の「敬老」とは何だろうか。

今回の「事件」の背景に「民間委託」がある。

戦前・戦後を生き抜いた高齢者への「尊敬の念」を行政こそ、政府こそもたなければ。


党創立101年記念講演会

2023-09-15 07:17:24 | 日記

日本共産党創立101周年記念講演会

 

7月に「日本共産党の百年」を発表した。タブロイド判で54ページの大部となっている。

「自由地民主主義、平和と生活向上を求めるわが国の社会運動の流れを受けつぎ、世界と日本の人民の解放運動の高まりのなかで、1922年7月15日、科学的社会主義を理論的な基礎とする政党として」誕生した。

1922年という年はどういう時代だったのか。
第一次世界大戦(14~18年)後の日本は、絶対主義的天皇制のもと、国内では民主主義弾圧の「専制政治」、国外ではアジア侵略を進めていた時期であった。

民主的な政治活動の自由が存在しないなかでは「非公然」としてスタートせざるをえなかった。
翌23年は日本共産党への大弾圧が行われた。

この時の日本共産党の主張は、専制政治の廃止、18歳普通選挙権、労働者と政党の自由など、対外的には「戦争反対」であった。

 


35年前、ネットでの初めてのウィルス

2023-09-13 12:35:06 | 日記

35年前の1988年9月13日、ネット上で初めてのコンピューターウィルスが発見された日。

あれから35年。
一人ひとりがスマホというコンピューターを持つようになった。

多くの国民がネットにつながっている。
スマホ、タブレット、パソコン、ルーター、監視カメラ等のIoT機器・・・
あらゆるモノがネットにつながってきた。
自動運転の車まで

50年前と比べて、ここまでとは誰が想像しえたろうか。

現実世界の犯罪が、詐欺、フェイク情報などが、ネットの世界に移ってしまった。

個人がネットを介して世界につながることに大きな夢をもっていた人たちは、かなり「幻滅」しているのではないだろうか。

「便利」と引き換えに、多くのものを失ってしまったのではないか。
小学生からタブレットを持たされ、ネット依存症の子どもが多く生まれかねない。人間としての成長が「疎外」されかねない。

国境がないサイバー空間。ここを戦場と認識し、サイバー攻撃に対して物理的なミサイルなどの「反撃」すべきだと勇ましいパフォーマンスが自民党などだされている。まったくノーテンキだ。

サイバー空間は、ブラックボックスだらけだ。

デジタルを知らない政治家そのものがあまりいも多いのではないかと思う。IT業界のいいなりなのではないか。

今、「デジタル」と言えば、国の予算がたっぷりつく。
「デジタル」といえば「最先端」を走っていると錯覚している。

私のように70年代からコンピューターを扱ってきた人間にとって、このままの態勢で進めば「ディストピア」しか思いつかない。

技術の発展は本来、人間の生活を、人生を豊かにするものではないのか。

それが「利益」追及のために歪められていないか。
私の立場からいえば「資本主義的」利用だ。

政治、社会を変えていく。
この道しかないと思う。

ネットでの初めてのウィルスが発見された日にちなんで。


インボイスによる「増税」

2023-09-12 07:44:34 | 日記

いよいよ来月から、インボイス制度がはじまる。
零細・個人事業者にとっては「新たな増税」だ。

インボイス制度による「増税」で「廃業」を考えるフリーランス、個人事業者が増えている。また聞きだが、釧路でもこの機会に廃業を考えている業者がいるとのこと。

一昨日、東京の浅草で「インボイスを中止せよ」とデモ行進が行われた。
 ⇒ こちら ⇒

こうしたフリーランス、個人事業者の声が政治に届いていない。

また「保守」を自任している自民党も地方議員から声が上がっていない。

さらに、経団連の会長の「子育ての財源に消費税」の増税発言はあまりおもひどい。儲けにもうけをあげて過去最高の内部留保になったというのに。消費税増税は低賃金の若い世代を直撃するというのに。
財界のトップはいかに庶民の生活を知らないかだ。

やっぱり世直しだ。

自公政治に審判を!


自然の弁証法

2023-09-11 07:21:53 | 日記

科学的社会主義の創出者であるエンゲルスの未完の草稿を本にしたものである。
手元に国民文庫版があったので、久しぶりに目を通してみた。

100年以上も前の自然科学の時代で、ものの考え方、科学的な見方を「弁証法」という見地で展開している。

自然科学を解説するのではなく、その思考過程をみている。
未完とはいえ、今でも非常に参考になる。
科学を志す人は一度は読むべきものではないかと思う。

序論では近代の自然探求を、「古代人の天才的な自然哲学的直観」「最高度に有意義であっても・・・アラビア人たちの諸発見」を経て、ドイツの宗教改革、フランス人のルネサンス、イタリアのチンクエチェントなど、近代への巨大な歴史的転換へと、その外観を端的にのべている。

中世の「化石化した自然観」の突破口を開いたのは自然研究者ではなく、カントという一人の哲学者であった、と述べている。

20世紀初頭の「物理学の危機」を突破したのは自然科学者ではなく、革命家のレーニンであり、その哲学的探究であったというのもうなづける。

「反デューリング論への旧序文」では、カントからヘーゲルにいたるドイツ古典哲学≒観念論的弁証法にふれている。

「神霊界での自然研究」では当時流行していた神霊界や霊媒師にとりこまれた科学者を痛烈に批判したものだ。
この問題は周期的にブームが起きるから、今でも十分通用する。。

その後「弁証法」について10ページにわたって展開している。

第2分冊では科学史や科学と哲学、弁証法、そして数学、力学、物理学、化学、生物学と縦横無尽に弁証法を語っている。

150年前の古い科学だからという見地で読んだらダメである。
あくまで思考の展開、考え方を学ぶものである。

そういう点で、まったく古さを感じない。

科学の道を歩もうとする人たちの導きの書だと思う。

追記
2冊目の「弁証法」についての章は、断片的な草稿のままだが、物事をどう考えるかのヒントがある。
 動かすことのできない境界線
 量から質への転化
 部分と全体
 同一性と区別
 偶然性と必然性
 抽象と具体性
 弁証法的論理学
そしてこの節の最後にカントの「物自体」にふれている。

非常に頭が柔軟でないと理解が難しいし、弁証法の豊かな内容がわからない。

次の「数学」も読むと圧巻である。
 不動にみえる四則演算
 ゼロ
 正負
 虚数
 微分
・・・など、弁証法の思考について語っている。

さらに
 力学と天文学
 物理学
 化学
 生物学
と続く。

これらは150年前の科学の水準で書かれている。だからこそ、考え方の、思考の方法、いわゆる「弁証法」を理解する上で大切だと思う。

読めば読むほど、もっと若い時に集中して勉強しておけばと思うこのごろだ。

最近、物理学における量子力学の「観測問題」を利用して、新たな観念論、スピリチュアル、宗教論などを発信している人たちがいる。
再び20世紀初頭の「物理学の危機」と同じ状況をつくりだそうとしている流れがある。

60年前に物理学者の坂田昌一さんは、量子力学会の「実証主義哲学」や「マッハ主義」の影響に警鐘をならしていた。(素粒子論と哲学-湯川理論30周年を記念して)

人間の意識と自然界にたいする考察、改めてエンゲルスの未完の「自然の弁証法」は重要だと思う。


政治対決の弁証法

2023-09-09 07:04:22 | 日記

今日はすこし「哲学」を。

日本共産党は「弁証法」という哲学的用語をよく使う。
それは日本共産党が依拠する科学的社会主義の理論にもとづくものだからだ。

そもそも「弁証法」という言葉は一般的に普及していないし、使われていない。言葉からして難しい。

一つは訳語としての漢字からだ。「弁証法」はギリシャ哲学(ソクラテス)からきており、日本語の翻訳はそこからきている。

中世でほぼ途絶えて、近代で復活させたのがヘーゲルであった。日本では正反合の「三段論法」が有名だが、弁証法はこれだけではない。もっと多様で豊かな内容を持つ。

もう一つの要因として、「弁証法」は革命的な考えにつながり、権力者・支配者からは嫌われる面があるからだ。

「弁証法」は発展の科学ともいわれる。ものごとを連関と変化・発展といしてみる。

弁証法の見方は、
1 ものごとを、バラバラでなく、連関のなかでとらえる。
2 ものごとを、不動の、固定したものとしてではなく、変化、運動、発展のなかでとらえる。
3 不動の対立や固定した境界線を認めず、ものごとのなかにある対立した側面の全体をとらえる。

弁証法の反対は「形而上学」だが、これまたわかりにくい哲学用語だ。

政治の世界は、権力が中心の利害関係、階級や階層を代表するさまざまな政治勢力がぶつかり合うダイナミックな運動だ。

こうした全体像とともに、自由と民主主義を目指す民衆の、労働者階級を代表する日本共産党としては、「弁証法」の見方がかかせない。

「弁証法」を学ぶ古典としては、
「空想から科学へ」「反デューリング論」「自然の弁証法」などに詳細に書かれている。
マルクスの資本論は、弁証法の宝庫といえる。

自然や人間社会をどうとらえるか。
部分的、一面的に陥らず、常に全体的、かつ発展的にみること。これが弁証法考え方だ。

過去、ブログでいくつか掲載した。
 ⇒現象と本質:唯物弁証法
 ⇒真理の絶対性と相対性

政治対決の弁証法は「日本共産党の100年」を太くつらぬいている。

私たちが陥りやすいのが、弁証法を学んで形而上学者に、唯物論を学んで観念論者になってしまうことだ。
頭が柔軟でなければ。

形式論理学とともに弁証法的論理学を。


隠れ蓑

2023-09-08 07:29:22 | 日記

隠れ蓑(かくれみの)は天狗の持ち物で姿を隠すもの。
転じて悪事を隠す言葉にも使われる。

自民党の秋本真利衆議員が風力発電をめぐって6千万円の受託収賄で逮捕された。国会質問への謝礼として。

当初、社長と秋本議員が馬主としての金銭だと主張していたが、「馬」が隠れ蓑として使われたということだ。

利害関係者が同じ馬主というのも最初から怪しいかんけいであった。馬もとんだ迷惑だったのではないか。

自然エネルギーの宝庫である風力発電が汚職の舞台となってしまった。

もともと合法的な「献金」として再エネ業者9社から秋本議員の支部に2300万円が寄付されている。
これとは別に立ち上げた「馬主組合」に巨額な金が流れ込んだことになる。

それにしても自民党議員の汚職はあまりにも多い。

北海道では秋元司自民党衆議員のカジノ汚職、収賄と組織犯罪で逮捕されたのが記憶に新しい。

受託収賄事件では、KSD事件で自民党議員、リクルート事件では公明党議員が逮捕されている。

そもそも「企業団体献金」が問われている。

企業団体献金の禁止の代わりに導入された「政党助成金」。
ところが抜け道だらけであった。

小選挙区の支部へは企業献金が行われている。
自民党全体では「国民政治協会」が堂々と企業献金を取り仕切っている。

税金も、企業献金も、もらい放題となってしまった。

企業は性格上、利益にならないものへの支出にたいしては「背任」の恐れがある。

企業ボランティアやSDGsへの支出は企業価値を高めるという要素がある。
では自民党への「献金」は?

政党は、企業団体献金も、政党助成金ももらわず運営はできる。
主権者である国民一人ひとりに依拠することだ。
日本共産党は、それを自ら実践している。
日本共産党が近代政党といわれる所以だ。

いずれにしても、選挙で自公政権に審判を下すしかない。
北海道には衆議院の日本共産党の議席がない。
定数8の比例区で何としても畠山和也元衆議を再び国会に送らなければ。


ねつ造の源流 袴田事件

2023-09-06 07:57:43 | 日記

しんぶん赤旗に3回にわたって「ねつ造の源流 袴田事件」が掲載された。

死刑判決を受けた袴田事件の再審請求で、裁判官から「証拠のねつ造」と指摘されながら、いまだに検察庁は裁判を長引かそうと抗っている。

唯一の証拠であるみそ樽から発見されたという衣類5点が、捜査機関による「ねつ造」だったということだ。

そもそも最初は自宅から押収されたパジャマを着ての犯行だったはず。この証拠が怪しくなり公判が維持できなくなり、なんと1年2カ月後にみそタンクから血のついた衣類5点が発見されたことから、証拠をこちらに切り替えた。念のいったことに、この衣類の布切れが自宅から新たに押収されたとおまけまでつけて。

この証拠によって「死刑」判決となったわけだが、所詮つくられた証拠、後からあとから矛盾が噴き出してきた。
今回の再審を決めた高裁決定では「捜査機関が捏造した証拠」とまで指摘している。

連載の項目は、
 パジャマと情報操作
 平均12時間(1日の取調べ時間)
 再鑑定不能
 はけぬ「犯行ズボン」
 主張を変更(パジャマでなく衣類5店に変更)
 青の頭文字(タグのBは大きさではなく色であった)
 司法と科学への背信
 他人の血液
 懲りぬ検察

いずれにしても、検察庁は1日もはやく裁判を開くべきだ。
違法に違法を重ねれば、検察に対する信頼はどんどん地に落ちる。

1日も早く「無罪判決」を。


過去最高511兆円 大企業内部留保

2023-09-05 07:21:12 | 日記


 2日付しんぶん赤旗より

直線状に増えている大企業の内部留保:511兆円にも!
過去最高に!
なんと、GDPなみになっている。
内部留保の中身の「現金・預金」も大きくなっている。

失われた30年となった「成長しない日本」でも、大企業は大きな成長をしている。

安部政権時には、儲けているにもかかわらず、法人税の減税までおこなっている。国会では自公が賛成している。

対する賃金は・・・

中小企業は7割が「赤字」だ。

これでは国民の生活が豊かにならないはずだ。

こんな状況のなか、「インボイス制度」が来月から強行されようとしている。
カタカナなので、分かりにくいという声がいまでも根強い。

消費税を負担するのは消費者。税務署に消費税を払うのは企業であり業者だ。
国税は、法人税と比べて消費税の滞納が大きい。

インボイスは、
簡単に言えば消費税をいくら払っているかの証明書だ。
取引のある企業は、これをもらえば、その分の消費税を払わなくてよいことになる。

証明書をもらえなければ、その分をまるごと負担しなければならない。

ということは売上1000万円以下の免税業者からは証明書をもらえないことになる。
当然、取引には消費税の課税業者を選ぶことになり、免税業者が排除されていくことになる。

個人事業者、フリーランスにとっては大変なことだ。

免税業者はインボイス制度に加わり、消費税を払わなければ取引から排除されかねないという不安があり、取引先は「経費節減」から・・・。

取引において、零細・個人事業者はどうしても立場が弱い。
さまざまな圧力や理不尽な押し付けなど「下請法違反」が数多く発生しかねない。

フリーランスの人たちが立ち上がって「インボイスの中止」を要求してデモや要請が行われている。
個人で支えられている文化の危機ともいえる訴えもあった。

こうした下からの、現場からの声が政治に届かない。

届くのは財界や大企業、アメリカの声ばかりだ。

自公政治をかえるしかない。


加害の歴史に目を向ける

2023-09-04 07:55:36 | 日記

人は自らの被害は記憶に留めるが、加害については忘れさる。
ましてや権力者は。

関東大震災での日本人による忌まわしき大虐殺事件が、100年を機に取り上げられている。
自公政府はいまだに「記録がない」として調査すらしようとしない。

それどころか、加害の事実をあいまいにし、ないものとしていく。歴史の修正=歴史修正主義が跋扈(ばっこ)している。

日本はすばらしい優秀な「大和民族」「神の末裔」などとして、他民族を下に、さらに蔑視する。

ここからは歴史を正面から受け止める精神はうまれない。

小説「1984」は、ディストピアを描いたもので、そのなかに「真理省」というものがでてくる。主人公が勤める部署だ。

毎日毎日、政府に都合に合わせ美化する「歴史の修正」をおこなっている。

これと同じことが日本で起きているとしか思えない事例が続いている。

これに対抗するには、加害の事実を掘り起こし、記録していく民衆の、国民の地道な取り組みが必要だ。

関東大震災における朝鮮人、中国人、社会主義者など多くのひとが、自警団、警察、軍隊によって虐殺された。

人間集団の「狂気」ともいえる。
こうした歴史に向き合う人たちを増やさなければ。

自公政権にはできないことだ。

追 記
「何が市民を虐殺に駆り立てたのか」
・・・関東大震災100周年シンポ(赤旗新聞より)
 ⇒ こちら ⇒


関東大震災100年

2023-09-01 07:07:00 | 日記

今日から9月。ブログをすこしお休みしていました。

釧路は相変わらず蒸し暑く、今朝も霧雨で湿度100%(釧路気象台)だ。暑さもお盆までという季節感がなくなってしまった。「地球沸騰」という言葉が・・・

さて、9月1日は関東大震災から100年。10万人以上の死者を出した最大の震災被害であった。震災被害の特集もメディアでとりあげられている。

同時に恥ずべきものとして、6000人以上の朝鮮人殺害、日本人としての加害事件も忘れてはならない。

「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「爆弾を投げた」などの流言飛語(デマ)が流され、自警団、警察、軍隊が朝鮮人、社会主義者に襲いかかった。

どさくさに紛れて、救援活動をおこなっていた労働組合員や初期の共産党員であった川合義虎をも虐殺している。

まさに国家が関わった集団虐殺といえる。
自警団など、人間集団が「狂気の集団」の変わりうるという教訓でもあった。

その後、アジア諸国に侵略していった侵略戦争という「狂気」じみた残虐行為がひろがっていった。

たしか戦後ジャーナリストの書いた記事だが、占領されたフィリピンの大統領が日本軍に対して「これほど残酷な民族を知らない。とにかくよく殴る」ということを思い出した。

時は現代に。
現在の流言飛語はネットが使われている。
大きなものとして、ミャンマーの少数民族ロヒンギャへの虐殺がある。
国民の間に普及していたフェイスブックにより「デマ」が広がり、ロヒンギャの人たちへの集団虐殺へ、その結果6,000人ともいわれる人たちが犠牲となった。

関東大震災における警察、軍隊、自警団という朝鮮人への集団虐殺は過去の話ではなく、現代でも起きるということだ。

日本政府は、いまだに当時の「記録がない」として公開を拒んでいる。

8月は戦争の記憶を呼び覚ますときでもある。
同時に9月1日の関東大震災の被害だけではなく、朝鮮人虐殺という「負の歴史」からも教訓を得なければ。