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依存症を考える

2016-02-17 07:59:01 | 日記

元プロ野球のスター選手が覚せい剤で逮捕さ
れた。連日の報道で、彼の弱い性格から覚せ
い剤に手をだしたかのような報道もある。

議員時代にアルコール依存症者の相談にのっ
てきた私は、これは違うと思っている。
「依存症」という病気への誤解と偏見があま
りにも多い。釧路市でも多い。

誰でもが「依存症」になりえる。
私もけっこう飲める口で、20代前半の飲み方
を続けていれば、まちがいなく「依存症」に
なっていただろう。

そして「依存症」に陥ると共通したものがあ
らわれてくる。

それは「否認」と「自己中心的・攻撃的性格」
ではないか。そして「共依存」者をつくりだ
していく。いわゆるイネイブラーだ。

「自分は依存症と違う」という「否認」から、
小さなごまかしとウソが広がっていく。

「あんな几帳面だった人が」
「まじめで世話好きでやさしかったのに」
と家族や友人から聞くことがある。

アルコール、それに必要な金など、依存対象
への強い「情動」のために他人をかえりみな
い自己中心的・攻撃的性格が大きくなってい
く。

そして一人、また一人と離れていき、家族す
ら崩壊し、孤独となっていく。
私が受けた相談者も多くは独りぼっちとなり、
孤独のうちに亡くなっていった。いまでも顔
を思い出す。

飲んだらダメだ、とよく説得する人がいるが、
一番わかっているのが本人である。
わかっちゃいるけど止められないから「病気」
なのだ。
アルコールはコントロールできるものではな
い。きちんとした知識が必要だ。

アルコール依存症も、「治らないが回復はで
きる」といわれているが困難が多い。
断酒会では、困難を乗り越えて「回復」して
いる方々がいる。

「回復」はフラッシュバックとのたたかいに
なる。これは10年たっても20年たっても変わ
らないという。

アルコールと違って覚せい剤は犯罪である。
そして、アルコールの何百倍もの強烈なフラッ
シュバックがあるといわれている。

もとプロ野球選手の彼は、すべてを失って、こ
れから困難な道を歩むことになる。

私たちの身近にあるお酒。
「おかしい」と思ったら、まずは家族が受診す
べきだ。病院の敷居が高いと思ったら、保健所
でもよい。保健所には分かりやすいパンフレッ
トもある。
家族も含め、専門機関へつながりが大切だ。

・・・私のささやかな経験から・・・

追記
いくつかのブログを紹介
  お酒のない人生は損なのか→
  困難な生活相談 その3→
  ネットゲーム依存→