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梁恩生の口が動いた。 この巻の最後の文章だ。ドイツ人医師の病院が日本軍に襲われ、梁恩生の恋人も、本人も重傷を負ってのシーンであった。
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良心的、理性的な人々も、殺し殺される戦場となれば、憎しみがさらに増え、いっそう戦争の泥沼に陥っていく。この小説では、日本軍の蛮行も、中国人の蛮行も描かれ、強大な軍事力をもった日本軍が何をやってきたのか、詳細に描かれている。 古本の入っている段ボール箱を片づけていると、1973年の第1版18刷の「戦争と人間10」が出てきた。もうカビ臭くなっていたため、日干しして40年ぶりに読んだ。 戦後70年。自民・公明や安倍首相の「平和ボケ」もはなはだしい。 軍事力で平和は守れない。 15日の強行採決は許されない。 日本人310万人、アジア2000万人、世界で6000万人ともいわれる途方もない人命の犠牲の上に再出発したのではないか。 再び「劫火の狩人」はごめんだ。 |