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市立病院の改築

2015-07-03 06:31:12 | 日記

釧路市議会6月定例会も最終盤。
気になったのが市立病院の改築。事実上の新築ともいえる大規模改築となっている。まだ新しい屋上ヘリポートと精神病棟はそのまま残すとのこと。看護学院は昨年度までの改築計画であったが、この大規模改築といっしょになり、延期されてしまった。

確かに医療の進歩に対して、建物の「社会的劣化」はすすんでいく。
血液検査や検尿など、北大病院のように「一本化」するには、患者の導線が建て増しのため、複雑になってしまうのではないか、と質問したことがある。

気になるのは、「200億の財政収支の試算は?」との梅津市議の質問に対して、「試算はしていない」という驚くべき答弁があったことだ。

概算ぐらいは行っていると思うが、このような状況で巨額の公共事業に突入するのはあまりにも無謀ではないか。大型ハコモノ建設さきにありきだ。

政府の今年度の予算方針の中に、公立病院の単独建設の場合は補助金を減らし、他病院との統合・連携の場合は増やすとの方針がある。
今年の3月には、釧路市内の総合病院である日赤、労災、市立病院などが集まったシンポジウムが開かれた。そこでは「重複もある」と暗に合併をすすめる発言もあったと聞く。

国の地域における基準病床数は、複雑な計算式を使い算出している。
その結果
       基準病床  現状        過剰
釧路管内   2,832     3,456       624
根室管内      356        607       251

624床といえば、市立病院がひとつ無くなる数である。
驚くべき国の計算式である。

自・公・民が可決した「医療大改悪」法が、具体的に進められようとしている。最大の狙いは病床の削減にょる医療費の抑制だ。削減のためには、補助金を使っての誘導は常套手段でもある。

そうしたうえでの大規模改築したばかりの市立病院の新築ともいうべき大改築。なにか最初に大型公共事業ありきのゴーサインのように感じるのは私だけであろうか。
もうひとつ。釧路で残された大型公共事業には駅の高架がある。
こちらも今回の道議選でも公約に掲げた候補がいる。

借金の総額がたいして変わらないのに、財政危機を抜け出しつつあるときに、再び動き出している。いわば「蠢動」である。

現釧路市長のもとでの「ポリシー」は、社会保障・福祉は国の基準に、政治家としての市長は「ハコモノ」をいかにつくるか、に収れんしているのではないか。90年代の夢よ再び・・・か。

私は市民生活に必要な公共事業は重要であると考えるが、背伸びし過ぎの大型投資は未来の世代に負の遺産を残すことになる。

財政収支はしっかりやってもらわなくは。